大胆予測!ノーコードアプリ開発で未来はこう変わる!
はじめに
こんにちは。ソシオネットの髭晩酌です。以前はSと名乗っておりましたが、今回から髭晩酌として生まれ変わりました!
※こちらのライター紹介のブログもご参照ください!
さて早速ですが、皆さまは「ノーコードアプリ開発」についてどれくらいご存じでしょうか?「これから必ず来る!アツい!」と思われている同業の方もいれば、「よくわからないけど、何かシステム屋の仕事関係でしょ?」と思われている一般の方もいらっしゃると思います。
このブログでは、執筆時点でのノーコードアプリ開発の市場、想定活用領域、ノーコード開発の一般化により予想される未来について、語っていきたいと思います。(名前はふざけてますが、文章は真面目に書きます)
ノーコードアプリ開発の市場
早速ですが、以下の図をご覧ください。
左図が「国内のノーコード・ローコード開発市場規模推移および予測」、右図が「国内企業のノーコード・ローコードプラットフォーム導入・検討状況」となります。
データの出典元の都合上ローコード開発も含んでおりますが、いずれのデータからも今後数年間はノーコード・ローコード開発の市場は大きく成長していくと予想されております。
つまり、「今、まさにアツい!」という状況です。ちょうど大盛況の夜明け前、、といった感じではないでしょうか。
ノーコードアプリ開発の想定活用領域
以下の図をご覧ください。こちらは導入で期待できる効果が大きいシステムを左から順に並べた概念図です。
一般的には、基幹システムやスクラッチ業務システムなどの巨大なシステムは導入効果が大きく(その分、コストもかかるが)、それに、Saasやパッケージ業務システム、RPAなどの自動化処理、基幹システムカスタマイズなどのシステム開発が続いていく、というのは読者の皆さまもご理解いただきやすいのではないでしょうか。
一方で、従来の開発手法では費用対効果、および、ITリソースの点でシステム化の検討対象外となっていた小粒な業務(図の右側のオレンジ色の部分)も手付かずの状態で存在しているはずです。
我々はこの部分について、ユーザ主導でノーコード開発ツールを用いてクイックに低コストでシステム化を推進していくべきだと考えております。
つまり、ノーコード開発は従来のシステム開発手法に取って代わるもの(対立関係)ではなく、従来の開発手法ではシステム化の恩恵を受けられなかった業務についてノーコードアプリ開発によってスポットライトを当てるもの(補完関係)である、というのが我々の考えです。
当然、今までシステム化されていない領域がシステム化されることになるので、企業活動に対しては、短期視点では「生産性向上」「人的リソースのコア業務への集約」などのプラスの効果をもたらすことになります。
予想される未来
さて、これまで述べた通り日本経済の立て直しの鍵(大袈裟かもしれませんが)となる可能性を秘めているノーコードアプリ開発ですが、もう少し中・長期的な視点で、社会全体とIT業界に対してどのような変革をもたらすのかを予測してみたいと思います。
社会で起きる変革
①企業、地域、教育団体、などあらゆるコミュニティでのDX推進が加速
それぞれのコミュニティでシチズンデベロッパーが育成されることにより、社会全体でのITリテラシーが底上げされ、「デジタル専門人材」と「非デジタル人材」の対立から、「デジタル専門人材」と「デジタル活用人材」の協力体制へと人々の根底意識が変化していくと思われます。
加えて、ITに対してアレルギーを持つ世代が一定数労働市場から退場すると同時に、新たに初等・中等教育にてIT教育を受けた世代が労働市場に流入してくることにより、DX化推進人材の不足がここ数年で一気に払拭されることが予想され、結果として、あらゆるコミュニティでのDX推進が加速していくと考えられます。
※シチズンデベロッパー(市民開発者):ビジネスに関する知識と課題を熟知し、ノーコードツールなどを活用してアプリケーション開発を行う非デジタルの現場担当者
②イノベーションや新たなサービスの創出
スタートアップ企業が新たな市場に挑戦する際には、一般的には最低限の機能だけ実装したプロダクト、いわゆる「MVP(Minimum Viable Product)」をクイックに開発し、顧客ニーズを的確に取得して、事業・サービスのブラッシュアップをしていきます。
ノーコード開発ツールを用いればMVPの開発コストが大幅に下がり失敗のリスクが低下するため、市場参入のハードルが下がり、結果としてニッチ領域での今までにない新たな事業・サービスが立ち上がることが予想されます。
また、既にコア事業を持つ事業会社においても、ITを用いて課題解決策の検討を行う「ハッカソン」が行われることがあると思います。従来のハッカソンではエンジニアの存在が不可欠でしたが、ノーコード開発ツールが一般的になれば、その役割をシチズンデベロッパーが担当することが可能となるため、ハッカソンによる既存業務のブレイクスルーやオープンイノベーションが起きやすくなると考えられます。
③新しい働き方や多様性が尊重される社会へ
ノーコード開発ツールはクラウド上にあるため、働く場所に関する制約は小さくなります。また短時間でアプリ開発が完了するため、労働時間もフルタイム前提ではなくなっていうかもしれません。これらにより、家庭の事情でフルタイムで働けない方、地方在住の方、シニアの方など、時間・場所・世代を問わず、就労を希望している方が自分の希望通りの働き方で参画できる社会になっていくと考えられます。
また現状、ITに携わる人は男性が圧倒的に多いです。対して今後は業務を熟知している女性がシチズンデベロッパーとしてDX化の旗手として活躍する事例も増えてくると考えられ、DX化の広がりをきっかけとして日本のジェンダーギャップの改革が進んでいくと思われます。
IT業界で起きる変革
①高付加価値IT領域やデータサイエンス領域へのシフト
今までロースキルプログラマーが担当していた領域の一部は、シチズンデベロッパーによるノーコードアプリ開発に代わられることが予想されます。すると、ロースキルプログラマーはより専門性の高いITスキルを持つエンジニアへの成長を余儀なくされます。2023年現在、IT業界では先端技術を中心に深刻な人材不足に陥っておりますが、シチズンデベロッパー層の形成に押し出されるように専門スキルを持つITエンジニアが増えて行き、高度IT人材不足も解消に向かうことが予想されます。
また、ノーコードでアプリ開発されるようなエンドユーザに近い領域での業務ではエンジニアリング要素での差別化が難しくなるため、相対的に事業会社の持つデータの価値が向上し、データサイエンス技術を持つエンジニアの価値がますます高まります。
②新たなITビジネスが創出
前述の通り、ITが一部の特権階級の人のものではなくなり、IT人材の裾野が今後広がっていくにあたり、新しく生まれた「シチズンデベロッパー層」や「ノーコード開発ツールそのもの」に対して、IT専門家としてアプローチするビジネスに商機が見いだされていくと考えられます。
例えば以下のようなものが考えられます。
アプリ開発伴走:非デジタル人材に伴走し、開発支援やITプロジェクト運営支援などを実施
CoE立ち上げ支援:ノーコード開発ツールに関する組織横断型CoE立ち上げ支援を実施
開発標準化、規約整備:ノーコード開発ツールの特性を理解を前提とした開発標準化や規約の整備
シャドーIT防止対策:許容可能なシャドーITの程度を策定した上での、運用ルールの制定や管理環境の整備
リスキリング・トレーニング:非デジタル人材へのスキルトランスファーや教育
エンドオブサービス(EOS)対策:ノーコード開発ツールがサービス終了した場合に、他ツールへの移行作業、または、移行ツールの提供
③新しいIT文化を形成できる企業が勝ち組に
日本政府は2018年6月に「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」を公表しました。その中で、政府情報システムの整備においてはクラウドサービスの利用を第一候補として検討する方針が示されています。ここからわかるように、特殊な場合を除き、オンプレミスからクラウドへの潮流はもはや止まることはないと思われます。そして、前述の通りノーコード開発ツールはクラウド上に存在します。
今まで本ブログで語ってきたことと併せて考えると、つまりは顧客のインフラ環境をオセロのようにオンプレミスからクラウドへの変更を率先して促した上で、加えてクラウドの有効活用の一環として「非デジタル人材(シチズンデベロッパー)が、今までになかったノーコード開発ツールを用いて、今までデジタル化できていなかった領域のアプリ開発に挑戦していく」という新しい企業文化をお客様に寄り添いながら形成できるSI企業が、真のお客様のパートナーとして選ばれる世の中になっていくと思われます。
終わりに
今回のブログでは、ノーコードアプリ開発が一般的になって起こるであろう変革について、「社会全体」と「IT業界」の2つのテーマに分けて予想してみました。全てこの通りになるかどうかは全く保証できませんが、当たらずも遠からずなのでは、、と個人的には考えています。
ノーコードアプリ開発による「社会全体」と「IT業界」の変革の始まりはすぐそこまで来ていると思っており、弊社でもその波に乗り遅れないように準備を進めていきたいと思っております。
ということで、今回のブログは以上となります。また次回ブログでお会いしましょう!ルネッサーンス!!
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