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フランス ダブルコースを受験するには

うちの息子(12歳、日本でいうところの中1)がフランスに渡って音楽を専門的に勉強したいとのことで、調べてみるとフランスには「ダブルコース」というシステムがあることがわかりました。
まず音楽院(Conservatoire)を受験し、合格ならば音楽院提携の小、中、高校に入学します。その学校のClasse à horaires aménagésというクラスで通常の勉強をし、専門分野はConservatoireで学ぶ。二つの教育機関に並行して通うというシステムです。

うわー、すごいスケジュールですね。午前中と午後に分けて学校を移動するわけです。ちなみに、”音楽院”と訳されてしまっていますが、バレエやダンスの科もあります。息子のような外国人も受け入れてもらえるんでしょうか。

フランスの学校などのウェブサイトなどをみてみましたが、ちんぷんかんぷんで全くわからず、受験に関してもどこをみたら良いのかわかりません。これは誰かの力を借りなければいけないと思いました。

フランス留学の経験があり、フランスの男性と結婚をして息子さんのいる知人にそれとなく聞いてみましたが、それは難しいのではないか、息子のフランス語の先生にはやめた方がいいと言われた、などとかなり消極的なご意見をいただきました。また、留学を斡旋する業者はたくさんありますが、問い合わせても「そういった特殊な留学は取り扱いがありません」などと断られてしまいました。

そこで音楽留学を主に扱っている業者に聞いてみました。すると、「あることはあるが、フランス語で授業を受けることになるし、フランスには留年もある。フランスにもともと住んでいる人でも大変なので、とても現実的ではない。」と、代わりにイギリス留学を勧められてしまう始末でした。

あることはあるんだ!難しいことは百も承知。諦めずに今度はフランス留学をサポートする会社で相談してみました。「うちでも前例がなく手探り状態ですが、やってみましょう、頑張ってください!」と言ってくださいました。

中学校の登録申請とCRR出願

受験の出願の前にAcademie de Paris中学校の登録を申請しなくてはいけません。戸籍謄本や住民票、課税証明書など、必要な書類を「法定翻訳」する必要があります。法定翻訳とは、公的な文書などを公式に認められる形で翻訳することです。また、「アポスティーユ」(aposille)を外務省で取得して添付します。アポスティーユとは、公文書に対する外務省の証明のことです。

学校の登録は本来フランスに住所があってするものですが、私たちの場合はダブルコース受験のため、フランスに住所がないまま登録申請させてもらうよう、ことわりを入れました。フランスでは中一(日本の小5または小6)から6e、中二で5e、と数が減っていきます。高一でSeconde、高二はPremiére、高三がTerminaleとなります。

CRR(パリ地方音楽院)受験登録には過去2年間の成績証明書が必要で、東京の学校に発行してもらいました。フランスの成績表記は20点満点なので、それもお願いして20段階評価にしてもらいました。

また、ピアノやソルフェージュの学習歴、教室や講師の署名捺印、本人の出願動機文書など、なかなかたくさんの書類が必要になりました。これは私1人では攻略できないなー、と自分のスキルと経験のなさを実感。

ソルフェージュの記入欄に”Formation Musicale”とあります。「フォルマシオンミュジカル」、「音楽の形成」?日本でいうソルフェージュのことらしいのですが、単なる訓練的なものだけではなく、フランスでは音楽史、楽曲分析や音楽創作などが加えられた実際の音楽活動につながる「総合的音楽教育」を実施しているそうです。

さて、試験科目は、まずはピアノ実技試験と初見演奏です。課題曲は当日の2ヶ月弱前に発表になります。また、ソルフェージュや外国人向けのフランス語のテストもあります。大急ぎの準備になりそう!続きはまた次回!



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