趣味としての写真を始めるずっと前。学生〜社会人になりたての2000年代、僕はコンデジで写真を撮っていた。

と言っても、こだわりなどはまったくない。家電量販店の店頭で販売されていた手頃なカメラを、当時好きだったアメリカ旅行の記録用に持って行ったというだけだ。

写真もプリントするでもなく、誰かに見せるでもなく。何かの拍子にデータをPCに入れ、それをいつだったかGoogle Photoに保存したものが引越しのダンボールのようにクラウドに残り続けていた。

そんな写真がふと目について、なにげなく眺めてみた。これが案外、良いのである。

もちろんPCで見たら粗い。細部はつぶれ、全体的にノイズだらけ。だけどそれを、いま最も使われているモニター、スマートフォン越しに見るとそう気にもならない。

そこに写るのは、憧れの風景にときめく若かりし頃の自分。初めてのアメリカ。時差ボケに苦しみながら運転したレンタカー、スケートボードの音が心地よいビーチサイド。写真の画素数に反して懐かしさがこみ上げる。

昔のことだから旅の記憶は断片もいいところ。

コンデジで撮った写真だけが自分の旅を覚えている。

Muscle Beach , CA 2004
Panasonic LUMIX DMC-LC43

Santa monica, CA 2004
Panasonic LUMIX DMC-LC43

HOLLYWOOD INN EXPRESS , CA 2004
Panasonic LUMIX DMC-LC43

East Hollywood , CA 2004
Panasonic LUMIX DMC-LC43

Los Angeles , CA 2004
Panasonic LUMIX DMC-LC43

San Diego , CA 2005
Panasonic LUMIX DMC-LC43

Mount Rainier - Seattle, WA 2012
Panasonic LUMIX DMC-FS10

SONIC BOOM RECORDS - Seattle, WA 2012
Panasonic LUMIX DMC-FS10

Safeco Field - Seattle, WA 2012
Panasonic LUMIX DMC-FS10

Seattle, WA 2012
Panasonic LUMIX DMC-FS10

Seattle, WA 2012
Panasonic LUMIX DMC-FS10

Seattle to Portland ,  2012
Panasonic LUMIX DMC-FS10

Seattle to Portland ,  2012
Panasonic LUMIX DMC-FS10

ここにあげた写真は2つのコンデジで撮ったものです。400万〜1200万画素で、日々進化するデジタルの世界ではもはやオールドコンデジと呼ぶべきカメラです。

その写真をLightroomでいじったり、いじらなかったりしてここに掲載しました。PCで見ている方にはやっぱり粗いですよね。

スマホで見ている方はどうでしょうか？僕はいまだにiPhone 7を使っているのでこの画質でも結構いけます。画面の大きいスマホだと微妙なのかもしれません。

そういえばカメラはどちらもPanasonicのLUMIXですね。特別これを狙ったわけではないし、他のメーカーのコンデジも山ほどあったはず。そんな中でなぜLUMIXを買ったのか、我がことながら不思議です。きっと、よく目に付く場所で手頃な価格だったのではないでしょうか。

学生時代のアメリカ旅行は毎回1週間〜10日の日程で行っていました。まだまだ多くの出来事に遭遇しているはずなんですが、残念ながら写真がなくて思い出せません。

動画とは言わないまでも、もっとたくさんの写真を撮り、ちゃんと保存してさえいれば旅の輪郭がハッキリしていただろうことを思うと、写真を趣味にするのが遅かったという後悔があります。

だからと言って今、自分の好きなカメラとささやかな知識を持って撮影した写真があの頃のものを上回ることもないのだろうと思いますが...