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発動の強制・任意、追加の発動条件 ― イジンデン ルール理解


前書き

 イジンデンのルールを体系的に理解していくこのシリーズ。前回は能力をいわゆる発動型能力と常在型能力に大別した。

 例によって、イジンデン公式サイトのルールページに掲載されているルールカード、ルール補足、Q&A 総合、および Q&A 最新追加分は次のバージョンのものを参考にしている。

  • ルールカード_web用2.0_231225.pdf

  • イジンデンEXRule_230714.pdf

  • イジンデンQ&A_240216.pdf

  • イジンデンQ&A_240216+.pdf

 今回は発動型能力やマホウの、発動の強制・任意の違いや、通常の条件(イベント発生契機やレベル条件など)ではない追加の発動条件を見ていく。

発動の強制・任意

強制的な発動型能力

フェルディナンド・マゼラン
足利義昭

 終止形で書かれた発動型能力は強制的であり、プレイヤーの意志によらず必ず発動する。典型的には「~する/~発動する」と書かれているが、これに限らない。

航海 - アタッカーになったとき、相手の手札のカード1つを墓地に置く。そのカードは相手が選ぶ。
Q. 発動させなくてもよいのか。
A. いけません。発動しないことを選べる能力は、条件に「発動できる」と書かれています。発動した能力に解決できない効果や効果量が含まれるなら、できる限りで行います。

《フェルディナンド・マゼラン》の Q&A

アタッカーになったときに発動する。このターンの間、アタッカーは「イジンにブロックされず、破壊されない」を得る。
Q. 発動させなくてもよいのか。
A. いけません。発動しないことを選べる能力は、条件に「発動できる」と書かれています。発動した能力に解決できない効果や効果量が含まれるなら、できる限りで行います。

《足利義昭》の Q&A

ハイケイが破壊されるたび、1ドローする
Q. 発動させなくてもよいのか。
A. いけません。発動しないことを選べる能力は、条件に「発動できる」と書かれています。発動した能力に解決できない効果や効果量が含まれるなら、できる限りで行います。

《クレオパトラ》の Q&A

 強制的な発動型能力は、通常ではそれが自分に有利なものあっても、状況によっては不利を招くことに注意せよ。例えば「ドローする」能力は、自分の山札の残り枚数が少ない場合、いわゆるライブラリーアウト負けにつながるおそれがある。

任意的な発動型能力

アレッサンドロ・ヴァリニャーノ(1つ目の能力に注目)

 「~発動できる」と書かれた発動型能力は任意的である。その能力を持つカードを所有するプレイヤーは、その能力が発動するかしないかを選べる。

航海 - アタッカーになったときに発動できる。自分の山札の上から1枚を、裏のまま魔力ゾーンに置く。

《アレッサンドロ・ヴァリニャーノ》のルールテキスト(抜粋)

戦場に置かれたときに発動できる。戦場のハイケイすべてを破壊する。

《クレオパトラ》のルールテキスト(抜粋)

 任意的な発動型能力は発動忘れに注意せよ。ゲームが進行した後で発動忘れに気づいて巻き戻しを願い出たとしても、任意的ゆえに発動しないことを選んだものと見なされ、巻き戻しを却下される可能性が大きい。

参考:ルール補足における記載

発動する:
「戦場に置かれたとき、相手の手札が6枚以上なら発動する」など、条件を示すために書かれています。条件を満たしていれば、続けて書かれている能力を発動します。
発動できる:
「戦場に置かれたときに発動できる」など、条件を示すために書かれています。条件を満たしていれば、続けて書かれている能力を発動することができます。発動しないことを選んでもかまいません。ただし、マホウ使用は発動させないことを選べません。

ルール補足(抜粋)

追加の発動条件

発動型能力やマホウの、追加の発動条件

徳川綱吉(2つ目の能力に注目)

 発動型能力やマホウのルールテキストで、次のいずれかのように書かれた部分は、いわゆる追加の発動条件を表す。

  • 「~なら」と書かれた部分であって、「~発動する/~発動できる」より前に書かれた部分。

  • 「~して」または連用形+「て」と書かれた部分であって、「発動する/発動できる」の直前に書かれた部分。

自分のエンドフェイズが開始したとき、これが寝ているなら発動する。これを破壊する。

《織田信長》のルールテキスト(抜粋)

アタッカーになったとき、自分の魔力ゾーンのマリョク1つを裏にして発動できる。パワー2000以下の相手の戦場のイジン1体を破壊する。

《ヴラド・ツェペシュ》のルールテキスト

戦場に置かれたとき、自分の手札のハイケイ1つを見せて発動できる。1ドローする。

《小野好古》のルールテキスト

相手のエンドフェイズが開始したとき、このターンにバトルしているなら、相手の戦場のイジン1体を指定して発動できる。そのイジンを裏向きで魔力ゾーンに置く。

《徳川綱吉》のルールテキスト(抜粋)
デスペラード

 追加の発動条件を満たせない発動型能力は発動できない。追加の発動条件を満たせないマホウは、手札から使用できず、冥府発動であっても発動できない。

自分の戦場のイジン1体と相手の戦場のガーディアン1体を指定して発動できる。そのイジンとガーディアンを破壊する。
Q. 自分の戦場にイジンがいなくても発動できるのか。
A. 発動できません。自分の戦場のイジン1体と相手の戦場のガーディアン1体を指定しなければ、発動の条件を満たせず、マホウ使用もできません。

《デスペラード》の Q&A

冥府発動:マホウが持つ能力です。色条件、レベル条件、魔力コスト(条件と支払いどちらも)を無視して、ルールテキストに書かれている能力を発動します。ただしルールテキストに書かれている「イジン1 体を指定して発動できる」などの条件は満たさなければなりません。

ルールカードの16ページ

追加の発動条件ではない「~して」

鑑真

 「~して」と書かれていても、「発動する/発動できる」の直前に書かれていなければ、追加の発動条件を表さないことに注意せよ。

航海 - アタッカーになったとき、1ドローして、これを破壊する。

《鑑真》のルールテキスト

戦場に置かれたとき、イジン召喚権+1して、自分の戦場のハイケイ1つにつき1ドローする。

《行基》のルールテキスト(抜粋)

追加の発動条件ではない「~なら」

諸葛亮(1つ目の能力に注目)
リバイバル

 「~発動する/~発動できる」より後ろに書かれている「~なら」は追加の発動条件ではなく、一般的な条件あるいはいわゆる置換効果や追加効果を表す。

戦場に置かれたときに発動できる。自分の山札の下から1枚を見る。ハイケイなら戦場に置いてもよい。

《諸葛亮》のルールテキスト(抜粋)

自分の墓地のレベル6以下のイジン1体か、自分の墓地のレベル5以下のハイケイ1つを指定して発動できる。そのイジンかハイケイを手札に戻す。自分の戦場に「美術」イジンがいるなら、手札に戻す代わりに戦場に置いてもよい。

《リバイバル》のルールテキスト

戦場のガーディアン1体か、魔力ゾーンの裏のカード1つを指定して発動できる。そのカードを墓地に置き、レベル6以下のイジンなら戦場に置く。

《ミューテイション》のルールテキスト

自分の戦場にある色1つにつき1つまで、戦場のハイケイを指定して発動できる。それらのハイケイすべてを破壊する。
赤魔導 - 赤のカードが自分の戦場か自分の魔力ゾーンにあるなら、これの能力によって破壊されたハイケイ1つにつき1ドローする。

《スカーレット》のルールテキスト

常在型能力の「~なら」

魔除けの社

 ごく一部の常在型能力にも「~なら」と書かれている。これも追加の発動条件ではなく、一般的な条件あるいは置換効果や追加効果を表す。

バトル解決に際し、自分の戦場のガーディアンがブロッカーに含まれているなら、パワー4000以下のアタッカーは破壊される。

《魔除けの社》のルールテキスト

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