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2024年シドニーハーフマラソン。快走。

今年も、シドニーハーフマラソンを走ってきた。


レース概要

将来このレースに参加してみようかな?という人のために(そんな読者はいるのだろうか?)、まずはこのレースについて書いてみよう。

シドニーハーフマラソンは、1992年から開催されている。
主催は、ずっと地元の新聞であるSydney Morning Heraldだったが、2023年からはランニングシューズメーカーのHokaがメインスポンサーとなっている。

コースは、若干の変更を経ているが基本的にそれほど変わっておらず、シドニー市街地の外側、水辺に沿った場所をぐるっと周るようなコースだ。眺望が開けている場所が多く、走っていて飽きないコースだ。
ただ、シドニーはわりあい坂の多い街なので、ところどころでキツい上り坂がある…しかも後半にそれが集中しているので要注意だ。

当日に向けての準備

毎年5月に開催されるこのハーフマラソン、今年は5月5日、日本ではこどもの日だが、もちろんシドニーでは普通の日曜日。

シドニーの5月というと、季節的には秋めいてきて、朝晩は気温がぐっと冷え込むが、日中は晴れていればまだまだ暖かい。

だが今年は運が悪く、レースのある週はずっと雨が降り続く日々で、まともに走りに行ける日も少なかった。レース直前は脚を休ませるために走り込む必要はないのでそれほど困らないが、どうにも気持ちが上がらない。

個人的には、今回は準備は割合良くできていたと思っていた。2週間前にマッサージを受けて脚がとても軽くなったし、大好きなお酒もこの週は火曜日に少し飲んだ後は断酒!ええ、僕にとっては大したもんなんです。

雨ばかりだったので外出する意欲も少なく、仕事以外はほぼずっと家にこもってゆっくりしていたので、心身ともにリラックスできたと思う。

さて、目標タイム。

この大会にはもう何回も参加しているので、以前の記録を参考にした。

7年前に、90分10秒という、あともう少し頑張れば90分の大台を切る偉業(僕にとっては)を成し遂げ、いつかは90分という大台を切りたい!と思っているものの、現実問題としてはもう若くもないし、そこまでしゃかりきにトレーニングをする気力もないので、まあ無理かなあ…。

ここ最近はだいたい92-3分でゴールしているのでそんなもんだろう、と目標を93分とした。ただ、雨が降るだろうから、天候次第ではもう少し遅くなることもあり得るが、最悪でも95分は切りたい、と思っていた。

レースエキスポ

さて、僕はゼッケンの郵送を頼まなかったので、レースの週の金、土曜日に開かれるエキスポに取りに行かなくてはいけない。
ここでは、着替えなどの手荷物を事前に預けることができるので便利だ。このサービスは当日もやってくれているが、混み合うだろうしレース前にドタバタするのはいやなのでこれは助かる。

エキスポ会場には朝の10時頃に行ったので、ほぼ待たずに自分のゼッケンをもらえた(お昼時に行った友達はかなり待たされたようだ)。

エナジーバー、ジェルを無料でゲット!

また、スポンサー関連のブースも出ていて、スポンサーのHOKAはもちろん、エナジージェル、ランニングソックスといったものを売っている。
でも、レース直前にランニングシューズを買って、それを履いて走る人っているのかな?

レース当日

レース当日も、予報では雨…やれやれ。

スタート時間が6時50分のため、5時に起床する。外はまだ真っ暗だ。
おそるおそる外の様子を伺うと、雨は降っていないようだ。
天気予報のレーダーを見ると、どうやらスタートの時間帯は雨から逃れられそうなのでホッとした。

雨の中のランニングは、それほど酷いものではない。もちろん本降りや、それに伴う強風の中を走るのは罰ゲーム以外の何物でもないが、小雨程度ならかえって気持ちいいくらい。

ただ、スタート前に雨が降ると、身体を動かせないので冷え込むし、気持ちだって上がらないので、せめてその間だけでも雨が降らないのはプラスだ。

スタート地点は家からそれほど遠くないため、軽いジョグで向かう。まだ暗いシドニーの街のあちこちからランナーが現れ、スタート地点に向かっている。

集合地点にはラン友と会うことが出来たので、おしゃべりをしながら号砲を待つ。他のランナーと囲まれて、30分ほどじっとしていないといけないのでこれは助かる。

折悪しく雨がぽつぽつと降り始めたが、使い捨てのビニールポンチョを持っていたので、それを頭からかぶってやり過ごす。

さて、スタート!

スタート地点への入口はかなり狭くなっていて、少しずつしか進めないのでもどかしいが、ゼッケンについているチップで実際のタイムはきちんと計測されるし、いっぺんに大勢のランナーがスタートするとしばらくコースが混み合って走りにくいので、これはかえっていいことなのだろう。

やっとスタートゲートを潜り、走り始める。よっしゃ~!と自分に活を入れる。これからゴールまで、自分との戦いの始まりだ。

いきなりサーキュラーキーの上を走るハイウェイを走るので、夜明けのシドニー湾が目に入る。こんな曇天でも、やっぱりきれいだな。

スタートしてからの数キロは、自分も周りの人も気持ちが乗っているのでどうしてもオーバーペースになりがちだ。

僕も気づくとそうなっているので、周りを気にせず自分が走りやすいペースに引き戻す。それにしても、最近はGPSウォッチで自分のペースがリアルタイムで分かるので便利だなあ。

ダーリングハーバーの上を走るオーバーパスを越え、その辺りをぐるりと周る。このあたりになると周りを走る人もだいたい同じペースで固まってくるので、ペースが安定していそうなランナーを勝手にペーサーにし、その後にひっついて走る。こうすると少々「他人任せ」で走れるので楽なのである。

またシティに戻るルートになり、ここでまたシドニーハーバーブリッジが見えてくる。この日は雲がかなり低くまで垂れ込めていて、空はグレー一色。ちょっと陰鬱な景色だが、それはそれで美しさがある。

雨は幸い、ほとんど降っていない。さすがに路面はしっかりと濡れていて、水たまりがあちこちにあるが、もう避けて走る余裕もないのでバシャバシャと突き進む。時々タイル張りの路面があるので、そこだけはすべらないように少し歩幅を狭めて走る。ちょうど半分くらいの地点まで来たが、まだまだ快調。しばらくはフラットなコースが続くので、少しペースを上げてみる。

給水地点では、必ず水をもらい少しだけ口にいれる。こんな天気なので汗はほとんどかいていないはずだけど、身体の中では確実に水分を消耗しているだろうから。

走りながら水が入ったコップをもらうのって結構難しい。かといってあまりスピードを落としたくないし。なのでもらう人をしっかり見て、あなたからもらうよ!みたいな目線を送るのが大事。それから、必ずThank you!と言うのも大事。
もちろん、ボランティアの人に対するお礼の気持ちを込めて言ってるのだが、お礼も言えないくらい疲労してたらマズいもんね。

ハーバーブリッジの下をくぐってオペラハウスを望み(ここの眺めは毎年感動する)、ループすると15キロ地点を通過。まだまだ行けるし、目標タイムのペースを上回っている。

しかしここからは短くて急な坂が続く。後半のいちばんしんどい箇所なのにこれは酷いな!と毎回思うが仕方ない。上り坂では頑張りすぎず、自然にペースダウンするに任せ、坂を登り終えた後ペースを取り戻すべく集中した。

あ、それでもまだ行ける!

行きに通ったサーキュラーキーの上を今度は逆方向へ…あともう少し、もう少し。
今回は参加していないラン友が沿道で応援しているのが見えた。ひゃ~、ありがたい!まさに「元気をもらう」ってやつです。

気持ちを盛り上げつつゴール地点のすぐそばまで戻って来たが、ここでは終わらず、そのまま進んで植物園方面へと行かねばならない。距離にして3キロほどの、この半島を一往復しないとゴールできないという、「罰ゲームかよ!」みたいな設定である。しかもこの場所、微妙にアップダウンがあり、ゴール目前でこれは、本当に心身を削られる。

そして毎年のことながらここで脚がつるんだよね。もうじきゴール!という気持ちが反映するのだろうから、これはもうメンタル的なものだと思う。ただ今年は足のつりも軽微なもので、やはり調子はいいようだ。じゃあやってやろうじゃん、とラストスパートを掛ける。

時計はそれでも刻々と進むが、どうやら52分台には収められそうだ!
最後の500メートルほどが永遠に続くかのような気がしたが、力走して、ガッツポーズをして…ゴール!

いやあ、爽快だ!

アレ?まだ余力残ってるじゃん?と思ってしまうほどだったが、まあこれくらいが自分にとってはちょうどいいのだろう。

預けていた荷物を確保し、完走メダルと記念品のバイザーをもらい、早々に帰宅。

走っている間は感じなかったけどやはり身体はひえひえになっていたようで、温かいお風呂が極楽だった。

温まってさっぱりした後は、ラン友と再結集し、もちろんこれでしょ!

僕のラン友の多くはやはり天気に災いされたのか、あまり気分良く走れなかった、という人が多く、自分だけウキウキしていて少し済まないなあ…と思ったけどまあその逆のときもあるわけで。

肝心の正式タイムだが、1時間32分54秒と、ギリギリ53分を下回れた。去年よりは速く走れたし、年代別では396人中17位という、まあかなり上のほうにランクインしたのもとてもうれしかった。

というわけで、今回は大体自分の思っていた通りに走れたレースだった。

次のレースは、8月のCity2Surf、14キロランだ。

爆走するぞ~!