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"バイト"をソーシャルリスニングしてみる

大分久し振りの投稿となってしまいました、ソーシャルリスナー 金清(@KYP_1223)です。

10日ほどの話なのだけど、頭からこびり付いて離れないニュースがある。

若い人はアルバイトで忙しい。それも、旅行、遊び、更なる勉学などの娯楽・投資ではない、食費や学費などのために働いているためのようである。

この事実を知ったのは、今回が初めてではない。一年ほど前にCX DIVEを訪れた時に参加した、ハヤカワ五味さんのセッションの中でも聞いた話である。(その際に説明されていた、学費や年収などに関するファクトがこちらのnoteにも記載されている。)その時の切実な説明に心動かされ、それからこの事実がずっと頭に残っているのだ。

なんとなく、ではあるが、これらのニュースや人からの話を受けて、人々がバイトにまつわるどんな会話をしているのか?が非常に気になったので、試しにソーシャルリスニングをしてみることにした。

<設定キーワード>"バイト" or "アルバイト"
<除外キーワード>"募集", "時給", "(特定の求人サービス)"
<期間>2019/1〜latest
<投稿件数>26,942,030 tweets

3種類の色でハイライトしているのが、抽出したキーワードの中で、筆者が定性的にグルーピングできるのでは?と考えたキーワード群だ。それぞれのキーワード群の中に、どのような発言がなされているのか?さらに深掘って見てみよう。


ネガティブ系キーワード("無理" "死ぬ" "やめる" "やばい" "大変") 😰
該当Tweet数:986,313 tweets(3.7%)

"高校生が留学をするためにバイトをするのは、特別な理由として許可されないらしい。留学をやめるべき、だと。ひどい話だ。"
"タバコの銘柄覚える問題。今自分のコンビニには約230種の銘柄がある。これを覚えるのは大変。"
"恵方巻、無理に店長やバイトに販売のノルマを与えて無理やり売ろうとする。破棄することも問題だが、こんな強制制度もおかしい。"


金銭関係キーワード("稼ぐ" "稼げる" "給料" "金" "お金") 💰
該当Tweet数:2,412,173 tweets(9.0%)

"親が持ち。これが一番のチート"
"安倍首相、アルバイトする学生が増えたのは就職が早く決まって、卒業まで時間ができたからではないか?という発言、寝言は寝て言え問題"


ポジティブ関連キーワード("ありがとう" "楽しい" "頑張る" "がんばる") 😊
該当Tweet数:900,929 tweets(3.3%)

"仕事は楽しいことばかりではない。つまらないこともある。けれど、工夫次第で楽しくもできる〜"


希望を持ってポジティブキーワードも深掘りをしてみたものの、どれもバイトを頑張る若者の人生ハードモード...という雰囲気漂うツイートが多く、暗い気持ちになってくるのでこれくらいで留めておく。しかしアルバイトというキーワードでソーシャル上の声を見てみると、日本のあらゆる社会問題が浮き彫りになるようで、いかにアルバイトと社会問題の関係が深いか、という事実を叩きつけられる。


果たして、僕たちのようなマーケターはこの問題をどのように受け止めるべきだろう?まず、僕らがほんの10年前の出来事..と思っている学生生活というものに対する常識、慣習をアップデートする必要があるだろう。

その上で、今この世の中で若者を中心に流行しているサービス、商品の裏側に、このような社会問題やそこから生まれるユーザーインサイトがあるやも..という事を常に意識しなければならないだろう。

例えば

Buzzfeed Kawaiiのフォロワー数が36万を突破
→なぜ若者はスクショ文化に傾向し、サイトをいちいち回遊しなくなっているのか?
ZenlyがAndroidで500万DL突破
→なぜ若者はLINEで「今どこにいる?」とすら聞かなくなっているのか?

これらのトレンドと、社会問題(アルバイトに時間を取られている)を直接的に繋ぐのは恐らく全くの見当違いであろう、と思う。しかし、若者が時間を短縮して得ている別の時間は何に使われているのか?について考えた時のひとつの可能性として、こういった切り口を用意しておく事は、別のトレンドの背景を切り取る際に必要になってくるかも知れないのだ。

また、これらの一見関係のない問題とサービス・商品を無理やり繋ぐ事で、そのサービスや商品を用いたユーザーとの新たな接点を生むためのトリガーにもなり得る(かもしれない) 


僕らマーケターが常に考えなければならないのは、今起こる社会現象をしっかり自分の目で捉え、考えること。そして一方でテクノロジー、マーケティングメソッドを手に、これらが社会現象・問題と関係し得るか?社会との接点はあるのか?を常に考え抜く事である。

筆者も、より能動的なアクションで、少しでも世の中のアルバイトにまつわる会話をポジティブセンチメントに傾向させていくことができれば...と視点を前向きにしていかねば、と思う日々である。


サポートしてくださったあなたの心を、俺はもっとサポートしたい。有難うございます..!