髙木一由 a.k.a かっちゃん

ただの平凡で平均的なおっさん。かたいことからやわらかいことまで。2016年2月から短歌…

髙木一由 a.k.a かっちゃん

ただの平凡で平均的なおっさん。かたいことからやわらかいことまで。2016年2月から短歌はじめました。その時は愛を詠います(´Д`)

最近の記事

#質問箱に 投稿された質問にお答えする vol.1

Twitterに設置している質問箱に質問が来たので、お答えしようと思います。 質問ありがとうございます。 端的にお答えをするならば、カウンセラーやお医者さんといった専門家にこの文面をそのまま見せて、然るべき治療を受けることを強くお勧めします。 とはいえ、せっかくわたし宛にメッセージを頂いたので、わたしなりの回答もしたいと思います。 まずお答えする前にわたしの立場について少しお話ししておきますね。 Twitterではほとんど言っていませんが、わたしは希死念慮を抱えていま

    • I LOVE YOU と言ってくれ

      『「愛してる」「好き」「恋」などの直接的な単語を使わずに、「I Love you」を短歌言ってみる』という文車雨さんのネットプリント「I LOVE YOUと言ってくれ」に参加させて頂きました。 たくさんの「I LOVE YOU」に囲まれて時に切なく、時にあたたかな気持ちになれるよいネプリでした。 いいなぁと思った短歌がたくさんありましたが、10首引いて拙い感想を書かせて頂きました。 カーテンをすこし開いてああこれはきみに見せたい月だと思ふ / 有村桔梗 すこし開いただけで

      • #いちごつみ100tanka 自選十首(feat.菅沼ぜりい)

        2017年10月16日 ~27日にかけて、菅沼ぜりいさんと #いちごつみ100tanka を行いました。ふたりで百首(ひとり五十首)を短期間に詠むという経験が初めてでしたので、色々勉強になりました。 自作の中から、自選十首を連作風にまとめてみました。 きまぐれに翻弄されてかみさまのきまぐれサラダに混ぜられてあなたのもとにやってきました 寒いねとお酒呑みつつきみの手を包んで探る指輪のサイズ 教科書に書かれていないやり方でぼくらひとつになってみようよ まよなかというのはよ

        • ぼくのつめはまだあまい

          2017年10月4日に「うたの日」通算200首詠となりました。100首目の時は初めての「おとの日」を頂き、今回の200首目の時は次席という、まぁとてもわたしらしい結果に(いろんな意味で)涙してます(゚∀゚) そこで節目として「次席の歌、第2弾」を集めてみました。 前回と同様で次席というと「あぁ、惜しかった…」となりがちですが、実際のところは薔薇(首席)の歌と結構点数が離れていましてね…(´Д`;) 精進します 台所用洗剤であっけなく落とされていくあたしの痕跡/題詠『 所 』

        #質問箱に 投稿された質問にお答えする vol.1

          堂那灼風さんの「光る心臓」について

          彼の作風は一首独立で見ると世界観を捉えにくいと思うことが、わたしにはある。しかし、ネプリ企画等で見る彼の短歌には「おおっ、いいな」と思わせるものもあり、今回の連作も楽しんで読めた。 戦後の、身体が機械になってしまった元兵士の葛藤が魅力的な仕上がりになっていて、読んでいて面白い。 これは痛い、これは熱いと口に出し体感覚を検めていく 俺の身はどこに埋めよう骨片を未練がましく持っているけど 心臓を摘出しても感情はあると思える 悪くないギア 脳味噌も置換されたらどれくらい俺

          堂那灼風さんの「光る心臓」について

          中本速さんの「砂時計の挑戦」について

          彼とは何度かリアルで会った事があり、この連作の感想を述べるに当たってその背景が少しだけ見えているが故に最初に思ったのが「良かったなー、良かったなー、おめでとー」だったのは許してほしい。 わたしの見る限り、彼の短歌はどこか俯瞰したようなそれでいてユーモアのある作風が多い。今回の連作でも 転職はゴールではなくスタートだ すみません交番はどこですか あるけれど「あすがあるさ」はゴキブリが逃げ出すときの音に似ている それはそれで彼の真骨頂であり好きなのだが、もっとゴリゴリのエ

          中本速さんの「砂時計の挑戦」について

          えりうにさんことうにがわえりもさんの「フラワーマン」について

          Twitterでも話題となっていた候補作。「虚構か事実か」については、わたしはあまり興味がなく、また「挽歌」とは何かについて(辞書的な意味は知っていても)まだあまり理解できていないので、これについては他の方の評を読みながらわたしも今後勉強したいと思っている。 わたしは彼の詠む短歌や俳句が好きで、今回の連作も好意的に読ませてもらった。(多分、彼のポップな文体がわたし好みなんだろうと。) 構成も、病院→葬儀→子育てと亡き妻との思い出をぐるぐる→子どもの成長と物語としてまとまっ

          えりうにさんことうにがわえりもさんの「フラワーマン」について

          #乳まつり おっぱい短歌、再び

          かっしーさんがTwitterで『#乳まつり』と称したテーマ詠企画を開催されていたので乗っかりました( ゚∀゚)o彡゜ ……怒らないで! 背中から脇から集め包み込むこれもひとつの愛だと思う 姿見の前で正しき礼をしてふたつの柔きわたしを包む 吸い付けば求めるものが出でるから赤子も吾もそれを求むる おっぱいの領有権を主張する実効支配派と先占派 素晴らしき祭りに華を添えましょう さあそこの君、自撮りをあげよ おっぱいにまつわるタグを集めてる #たわわチャレンジ #いいおっ

          #乳まつり おっぱい短歌、再び

          おっぱい短歌9首

          ※この作品はフィクションであり、実在する、人物・ 地名・団体とは一切関係ありません。(という予防線) たわわとは果樹が豊富に実ってることを表す擬態語、おっぱい 目の前で寄せては返すものもなく揺れない乳房を霞と呼ぶな 大きさや色カタチではないのだよ(篠崎愛がホントは好きです) いっぱいをおっぱいだって空目する(モルダーあなた疲れてるのよ) おっぱいに大小あれどないなんてことはないんだ、ないんだ…ないね あのひとのCtrl+H でわかったのアタシ選んだ基準はおっぱ

          連作風6首「きみはとなりに」

          きみはもうひとりじゃないと言いたくて助手席だけは綺麗にしてる 聞かせてよ千夜一夜の物語スマホ越しじゃなく僕のとなりで 助手席の当てにならないカーナビの頭を撫でてフリスクもらう 側にいた過去も離れた現在も聞いてみたいの「夢じゃないよね?」 薄紅に染まった広場で君を待つロスタイムだけせめて隣に ふさぎこむきみの隣できみのこと撫でる権利をぼくにください だから、そばにいて/カフカ(ワニブックス)

          連作風6首「きみはとなりに」

          連作風5首+1首『桜は何も言わないけれど』

          ここ最近 #うたの日 で歌題に「さくら」を織り込む試みをして出詠してました。結果はあんまり芳しくありませんでしたが、よかったらご覧下さい。 夜桜に佇むきみを思い出し曇の隙間のスピカを探す/歌題『 春 』 なくことを忘れた鳥のため植えたソメイヨシノの増していく白/歌題『 植 』 きみの名を呟くときに舞うさくらどうかもう一度そばに来てくれ/歌題『 呟 』 散り際の桜みたいな哀愁が月曜手前のバスタ新宿/歌題『 哀 』 風雪に耐えた桜を仰ぎ見てここにはいないきみを重ねる/歌

          連作風5首+1首『桜は何も言わないけれど』

          連作風5首『ぼくの手紙を山羊はたべない』

          LINE全盛期、メールさえもめんどくさいといわれる現代において、かつては略式といわれた手紙は今や古臭いものなのかもしれません。 それでも、それだからこそ誰かに書いた手紙、誰かから貰った手紙というのは、差出人が宛名に向けて時間と想いをかけて綴ったものであり、その背景だけでわたしはわたしのこころの中にそれを深く刻むのです。 「不燃物とはどのようなものですか?」「燃やせないもの、例えば手紙」 空き瓶に込めた手紙は沖に出ずテトラポットの狭間漂う 濡らしても「冗談だよ」って浮き出

          連作風5首『ぼくの手紙を山羊はたべない』

          ぼくのつめはあまい

          30代目『うたの人』総選挙にノミネートされましたー(゚∀゚)アヒャ 憧れだった『うたの人』参戦を記念して、あともう一歩だった軌跡…うたの日で次席だった歌を紹介します。 ただ、次席というと「あぁ、惜しかった…」となりがちですが、実際のところは薔薇(首席)の歌と結構点数が離れていまして…ヽ(´Д`;) 本人としては、結構自信のあった歌が多いんですけどね。 曖昧にしておくべきだ遠足のおやつにバナナ入らぬ理由/題詠『理由』 水槽の蛙は今日も愛されたおたまじゃくしの日々省みる/題詠

          ぼくのつめはあまい

          横浜の空にあなたを重ねてしまう

          イベントの激励会を終えたぼくは、同僚たちとともに横浜中華街を歩いていた。イベント自体は盛況で、皆と食べた中華も美味しかった。勢いそのままの同僚たちの中、ぼくはひとり少しだけ感慨に耽っていた。 「2次会はキャバクラだ!」と意気揚々な先輩の誘いを「ちょっと酔っ払ったので…」となんとか断り、ひとりぶらぶらと中華街を歩く。 横浜に来たのは十数年ぶりだ。今住んでいる田舎と違い、人も多く夜でも明るい。そしていくつかの思い出のある街、横浜。 なのに、ぼくはこの街に縁もない、ふたりで来たこと

          横浜の空にあなたを重ねてしまう

          連作風10首『なまえをよんで』

          たいせつなひとをどう呼ぶか、たいせつなひとにどう呼んでもらうか 誰かの名を呼ぶこととは、なまえとは ありふれたきみの名前はいつからか左心室へと充填されて 特別な名前をくれよぼくたちが何であるかの名前をくれよ きみの中CTRL+F(検索)したよぼくの名をどこにもいないどこにもいない  この雨を五月雨なんて呼べるのは君が皐月である間だけ きみの名をもう呼べなくて呼びたくもない呼び方で呼び止めている 砂浜に人差し指でもう呼べぬきみの名を書く(ないている海) そこにいな

          連作風10首『なまえをよんで』

          連作10首『雨』

          特別、嫌なことがあった訳でもなく、特に良いことがあった訳でもないありふれた週末。 ただ、意味もなく気分が落ち込んでた。 雨の降るなか、いつものように車を運転して、途中でコンビニに寄り、煙草を1箱だけ買い、1本だけ吸ってまた車を運転する。 遅い夕食をとり、ソファで寝転んで、雨音を聞きながら、ここが静かな田舎でよかったのかどうなのかとか考えてた。 きっと、喧騒のなかひとりでいる方がわたしには辛いだろうな。 静かで孤独で寂しい。 雨音は今も続いている。 周りから「冷たい雨」と