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東大生が渋谷のマックで働いて身についたこと② -ビッグマックの裏の消極的ビッグマック-

こんにちは、清原です。

今回は、昨年10月に書いた記事の続編です。

■バイトでもビジネスで大切なことは学べる

よく、アルバイトの求人広告サイトで、「アルバイトで学べること」と題して、アルバイトのメリットが述べられています。

・臨機応変な行動
・責任感
・笑顔の大切さ
・おもてなしの心
・マナー
・コミュニケーション能力

あたりが学べることとして、よく載っています。

しかし私は、このようなことは、バイトでなくても学べるよなと感じていました。

そこで、ビジネスの最前線で働いていることを生かして学べることは何なのか。
それを考え、テーマとして書いたのが、
東大生が渋谷のマックで働いて身についたこと① −マーケティングとオペレーションの話−でした。

今回は、その第2弾です。

■計測できるデータがすべてではない

店舗で働くことで、一番に感じたこと。
それは、「データ」が全てではないということです。

私が、先日読んでとても印象に残ったnoteがありました。

そういう意味で、個人的に一番金言だったのは青木さんが言っていた「ユーザーをデータや数値で理解できると思っている人がこの20年ぐらいで増えてしまった」という発言でした。
昔は、変に数値が見えない分、マーケターも頭を必死に振り絞って、最適なやり方を日々模索してたのが。
いろいろとデータや数値が見えるようになって、数値だけを見て分かったつもりになってしまっている人が増えている、というのは皮肉な話な気がします。
(ヤフーのマーケティングサミットで考えた「1ページビューの重み」と「データで分かるという誤解」徳力基彦より引用)

この、「ユーザーをデータや数値で理解できると思っている人」という表現がとても響きました。

私は、大学で、計量経済学を勉強していたので、データの重要性、データ分析が持つ力は理解していますが、それでもデータはすべではないと思っています。

店舗という、ビジネスの最前線で働いてみて、
「ユーザーをデータや数値で理解できる」ということは幻想だということが分かりました。

渋谷のマックで働いていたときの話をします。

英語のメニューはないか?』と尋ねてきた外国人のお客さんがいました。

当時、渋谷のマックには英語のメニューはありませんでした
なので、そのお客さんは悩んだ挙句、もともと知ってたビッグマックセットを注文せざるを得ませんでした。
POSデータにはビッグマックのセットが売れたとしか表示されませんが、そのビッグマックは消極的ビッグマックとも言えます。

しかし、収集されるPOSデータでは、そのビッグマックが積極的ビッグマックか、消極的ビッグマックかは分かりません。

この例は極端ですが、自分が見ているデータより細かい網目がないと思ってしまうこと。これは危険なことです。状況次第では、データ分析によって全く異なった結論を導いてしまうこともあるかもしれません。

このように、店舗で働いて、生データ(Raw Data)になる前の、生のデータ(Real Data)に触れる経験がないと、データに対する解像度が劇的に低くなってしまうのです。

私は、このような現場での経験を機に、手元のデータに、より"細かい網目"がないか。取りこぼしているデータはないかに敏感になるようになりました。

リアルで働くことで、データに対するリテラシーを身につけたのです。

■バイトで日常生活の解像度が上がる

マックでバイトしてよかったと思うもうひとつのことに、
日常生活の解像度が上がったということがあります。

解像度を上がる」ということは、言語化して、物事をより細かく認識することだと思っていますが、
店舗で働くことで、日常生活で訪れる先々のお店で、解像度の高い店舗観察できるようになります。

解像度が上がると、適切な問いが立てやすくなります店舗に対して解像度が上がると、日常から学ぶことが容易になります

具体的にどういうことなのか解像度が上がるとどうなるのかは、いま執筆中の本に書いていますので、よかったら下記リンクより飛んでチェックしてみてください。

1000冊支援いただけると出版できるので、少しでも興味を持ってくださった方はご支援いただけると嬉しいです。

清原(@Takashi0Zo)

■参考文献

■引用画像

https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=97614





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