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ハンズと手を組み続けて18年。誰でも世界のデザインに挑戦できるお話

僕はこれまで、建築家、デザイナー、まちづくり、アーティストなど多くの分野で仕事をしてきました。まとめるとクリエイターと呼ばれる職業になると思います。建築では、日本建築学会会長 古谷誠章氏の個人賞をいただいたり、デザインの分野ではLEXUS DESIGN AWARDで賞をいただくなど、手前味噌ながら色々な評価をいただくことができました。

そんな僕がこれからの時代に大切にしていることを前回の定期購読マガジンで書かせていただきました。ぜひご一読ください。


僕や僕が関わっているクレイジータンクという組織の強みは発想することで、その強みを最大限活かしてここまで社会で戦ってきました。しかし、発想だけでは物やサービスは作れません。ここでご紹介したいのが発想と何を組み合わせて作品や商品、サービスを作り出しているかというお話です。

時には素材から作ることもあります。時には破棄されるような物をアップサイクルすることもあります。しかし、素材の選び方には多様な方法があり、その中でも、

"誰でも"世界で戦える良い素材と出会える方法をご紹介させていただきます。



はじめに(東急ハンズとの出会い)


皆さま、"東急ハンズ"をご存知でしょうか。


東急ハンズ・・・僕にとっては宝の山であり、素材の宝庫、そして僕のお仕事を支えて続けてくれている相棒でもあります。

ここからは親しみを込めて"ハンズ"と呼ばせていただきます。


ハンズは事業内容としてこんなことを書いています。

東急ハンズは、お客様の暮らしに根ざしたベーシックな商品をはじめ、多様なご要望にお応えするための商品を幅広く取り揃えています。
東急ハンズでは、すべての商品をお客様の生活を豊かにするための「素材」であると考え、お客様のご要望に何とかしてお応えしたいという思いで、豊富な「素材」を蓄えてきました。これら豊富な素材こそが「ハンズの商品力」。この商品力によって、ハンズならではのモノやアイデアを発見するよろこびをお客様一人ひとりに感じていただきたいと考えています。

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「素材」...その言葉の捉え方は多様にできますが、私はハンズのこの事業内容に共感し、すべては素材であるという状態が、これからのものづくりやサービス作りをする際に、ハンズに肩を借りながらであれば、新しい価値を生み出していけるのではないか、と考えるようになりました。完成品を買うのではなく、自分でアレンジする余地を与えてくれるのです。


そんなハンズを僕が初めて意識し始めたのは18歳の頃、今から約18年前だったと思います。学生として大学の建築学科に入学した僕は、当時東急ハンズ三ノ宮店の地下にあったスチレンボードやスタイロフォームといった建築材料が売っているフロアに行き、よく買い物をしていました。

この頃は、ハンズの本当の凄さを知る由もなく、まさにアマチュアのクリエイターとしてハンズを利用していました。

その後、今に至る18年間、アマチュアからプロのデザイナーとして成長するまで僕はハンズと手を組み、まさに相棒としてデザインや建築の世界を戦ってきました。

ではここからハンズの素晴らしさ、凄さ、そして僕にどのように寄り添ってきてくれたのかをご紹介させていただきます。


1.竹鼻の実績を支え続けたハンズについて


ここで私、竹鼻良文のこれまでの実績をご紹介させてください。

その中で少しでもハンズと手を組んで得た実績の文字を太くしておきます。


受賞歴

・LEXUS DESIGN AWARD 2017 PANEL WINNER 
・Under 35 Architects exhibition 2016 選出
・横浜アートコンペティション2015 入選
・日本建築学会近畿支部都市計画部会主催 続々現場主義 特別賞 
・愛知建築士会名古屋北支部建築コンクールにて古谷誠章賞 受賞 
・第4回建築コンクール佳作 受賞 
・古湯温泉ONCRIアートコンペ「トコノマノコト」 入賞
・第24回紙わざ大賞 入選
・第6回建築コンクール審査員賞(江尻憲泰賞) 受賞
・Art in the office CCC award 入選
・第25回紙わざ大賞 作品名「右脳と左脳」 入選
・同コンペ 作品名「無限に続くものの正体」 入選  
・1STESTとしてコニカミノルタ主催ソーシャルデザインアワード2016「プロジェクト賞」 

展示会や個展など

・ミラノサローネデザインウィーク2017出展
・TENT LONDON 日本領事館レセプション出品
・代官山T-siteガーデンギャラリー展示
・横浜アートコンペティション2015象の鼻テラス展示
・東京都美術館ミュージアムショップ「風になびく花の指輪」
・「やってみて見える世界展」全6回文五郎倉庫ギャラリー(信楽) 
・「マイ窯イベント」文五郎倉庫ギャラリー(信楽)
・「信楽陶芸トリエンナーレ2010」KUMO出展
・第24・25回紙わざ大賞全国巡回展in銀座など(銀座十字屋ホール) 
・TEIBAN展「信楽」出展(新宿OZONE)
・第47回建築総合展「→おいしいまでの建築」 
・国指定名勝・重要文化財「琴の浦 温山荘園」一枚岩の舞台空間デザイン
・福岡県大名小学校校舎の卒業式「大名ユメバトン」 現場統括・相談役
・美術手帖×デザインの現場×DoCoMo企画「クリエーターの履歴書No.16」
・CCC本社(渋谷)にて1年間作品展示
・代官山t-site「anjin」にて作品展示・販売
・個展「INSPIRE the OTHER FIELDS」開催(杉並海の家)
・コニカミノルタプラザにて作品展示
・グランフロントうめきたシップホール建築作品展示
・五十嵐淳 ×石上純也 × 平田晃久 × 平沼孝啓 × 藤本壮介×倉方俊輔×U-35シンポジウム参加
・伊東豊雄 ×五十嵐太郎×U-35出展者シンポジウム参加


まさに建築家、デザイナー、ディレクター、アーティストetcとしての僕をハンズは支え続けてくれました。

ここからは僕が感じるハンズの価値についてご紹介させていただきます。



2.素材の宝庫、ハンズ


ハンズと言えば、皆さまどんなイメージをお持ちでしょうか。

家電製品、鞄、生活用品、おもちゃ、文房具・・・色々な商品が売っているハンズですが、僕にとってハンズといえば「素材の宝庫」です。まさにハンズの事業内容と一致します。

ハンズとの出会い自体が、建築模型を作るための模型材料を買いに行く、ということだったこともあり、僕にとってハンズには考えられないくらいの「素材」が売られています。さらに社会人になってからはアクセサリーなどのプロダクトを作り始めたので、まさに素材の宝庫でした。

例えばこれ。

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これは指輪を作るためのリングです。他にもアクセサリーに使える素材は何十、数百種類にも及ぶのではないでしょうか。

ピアス一つとっても多くのデザインパターンが売られていて、多様なデザインに対応してくれます。大きめのピアスから小さめ、装飾的な物からシンプルな物まで色々なピアス素材が売っています。

ピアスの他にもカフスやスアロフスキーに至るまで、本当に多くのバリエーションが置いています。

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今、ECサイトなどオンラインショップを誰でも作れる時代となり、ハンズに置いている素材の種類は誰にとっても価値になると思います。


ここで竹鼻良文の発想×ハンズによる作品を少しだけ掲載させていただきます。


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「雨上がりの風景(指輪)」-東京都美術館セレクトショップにて販売-

横浜作品

作品名「Happy structure」-横浜アートコンペティション入選作品

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作品名「SPACE STRACTURE」建築コンクール審査員賞

ハンズ記事U-35

35歳以下の若手建築家の展覧会建築模型


全てハンズに売っている"素材"からできています。建築・デザイン・アート・アクセサリーに至るまで、ハンズの商品と発想を組み合わせることで高いレベルでの評価をいただくことができました。

ハンズに行き、その幅広い素材を見て歩くことでさらに発想が深まる。その質良い素材らを使って制作を進めることで、さらに商品に想いが込められる。創作における進化と深化を、まさにハンズが寄り添って手助けしてくれてるように感じます



3.世界基準のクオリティ


以前、こんな話を聞きました。

「海外からきた旅行客が、ハンズでお土産を買って帰る。」

ハンズに買い物に行くと、よく観光客らしい外国人の方を見かけることがあります。テレビ番組のニュースのインタビューに「おもちゃをお土産にする」と答える観光客の様子を見たこともあるのですが、まさにハンズに置いている商品は世界的に見てもクオリティが高いのだと感じます。

それは素材でも同じで、ハンズの素材に"発想"を組み合わせと、例えば日本のデザイン分野の高いレベルでも戦えることを僕自身も証明してきました。それは世界に出ても同じです。むしろ世界的に見ればかなりクオリティが高いのです。

さらに僕がハンズで素材を探し始めたのには別の理由があります。それは今、世界は環境問題にシビアだからです。

「脱炭素時代」などとも言われ、二酸化炭素を出さないような技術によって作り出される物に注目が集まっています。そんな時代に"素材を1から作ること"自体が時代錯誤なのかもしれません。今あるものを活用する。リサイクルやアップサイクルの時代です。個人的な活動に以下の陶器の焼き直しの活動もやってきました。


そんな時代に、自分で新しい素材を作り出すのではなく、ハンズクオリティを活用し、世界で戦う。日本だけではなく、世界に目を向ければ、その商品が持つ“哲学”をより評価し、追求してくる傾向が強いです。その際に、いまの社会問題と、その商品が、どう関連して意味を持っているのか、まで追求されます。世界は甘くない、その部分をどんどん聞いてきます...。


そういった背景からも、僕は、いま世の中にあるものすべてを素材と捉え、自分の発想を加えることで、さらなる価値を見出すことこそが、これからの社会で必要とされるクリエイターとして重要なことと捉えています。

ハンズはこれからの時代に求められた存在なのです。



4.多様性のある場所、ハンズ


先ほどもご紹介した通り、僕は分野を超えた仕事を事業としてきました。まさにダイバーシティ的な仕事方法です。建築、デザイン、アート、まちづくり、ディレクションなど本当に多くの分野の垣根を壊して、繋げて、新しい価値を創造してきました。

そんな僕を支えてくれたのが、やはりハンズでした。

建築では建築模型材料を...

ハンズ記事U-35

(35歳以下の建築家の展覧会出展作品)

デザインではアクセサリーの材料などを...

花びら22

(東京都美術館セレクトショップ販売作品)

アートでも材料や素材を...

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(DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY展示風景)

本当に多様な活動をハンズは支え続けてくれました。しかも、それぞれの素材のクオリティの高さが素晴らしいのです。作品の素材を探す時、例えばハンズ渋谷店では地下から7階までほとんど全ての階に立ち寄ることすらあるくらいです。

建築素材、紙、パッケージ、照明器具、アクセサリー...本当に多様なのに全てのクオリティが高いのです。

ハンズは、インターナショナルスタイルやダイバーシティの時代の申し子なのです。


5.思い悩んだらハンズへ


僕はクリエイターとして、発想の壁にぶつかることがよくあります。そんな時、数学者でいうところの悩んだら池の周りを散歩したり、自然を見て癒されたり、お風呂の中で発想得る、と同じような現象が起こるのがハンズという場所です(笑)

僕は数学者ほど偉大ではありませんが、僕の中でハンズは発想の泉でもあります。

それは前段に書いた世界的なクオリティのある商品がたくさん置いていることもそうですが、本当に面白い企画商品もあるからです。

最近出会ったのがこれ。

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お弁当によく使う小分け用のカップが海苔になっていて、そのまま食べられるという商品。目から鱗でした(笑)

しかも僕はこれをお弁当に使うのではなく、手巻き寿司が大好きな子どもたちが、簡単に手巻きできると発想し、子どもたちに振る舞いました。すると今までは手巻き寿司に戸惑っていた子どもたちが、本当に楽しそうにいとも簡単にカップ寿司なる新しい料理を楽しんでいました(笑)

こういった既製品と見えるものからも発想は広がり、違う見方や使い方ができます。それは、商品の可能性をさらに広げることにつながり、より多くの人に、商品を使ってもらえるきっかけにもなります。


ハンズがさまざまな商品を「素材」と捉え、取り揃えていることの価値は、さまざまな発想が加わることで、商品のさらなる可能性をも生み出すことでもあると、勝手ながら感じています。思い悩んだらハンズに出向き、ハンズを歩いているだけで、素材の宝庫から、発想の種をたくさん集めることができるのです。


6.店員さんのプロ意識

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