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花粉症とコンタクト

ウォークマンから流れ出ている恋歌に文句をつけて目を逸らしてる

体育の着替えのときにすれ違うあの八秒に恋をしている

目が合ってすぐに逸らしてしまうのは何故かわかった恋をしている

この景色見れないあなたのために撮る写真が恋心もうつして

遠くから豆粒みたいな君をみる恋をつまんでポケットにしまう

日記書くときに昨日を思い出す足がかりになってくれる君へ

なんでかなあなたのためにしたことをあなたのためって言えない、笑顔

あなたにはばらしたくないこんなにも私があなたをすきってことを

力無い君の独自の筆跡をみてこっそりと頬を緩める

「けど」を書くときに「けれど」と書くところあなたの文字に恋をしている

恋をしてるのは私で付き合っていてもあなたは恋人じゃない

望まない勘違いして喜んで独り善がりになるよりましだ

クレープをはんぶんこした 「美味しいね」「美味しいね」って 甘さで泣ける

1人ならメロンにしてた 君がいたからいちごシロップを手に取った

決められないかわいい君を見てたくて優柔不断なふりして傍に

恋なんてしたくなかった愛だけの世界で生きていたかったのに

知らぬ間に君の心を奪いたいルパンに弟子入りを決めた夜

見せたいよ世界をもっと鮮やかにあなたのコンタクトになりたい

そばにあることでよりよくしたいからあなたのコンタクトになりたい

花粉症だから手元にないと困るよねきみのティッシュになりたい

やっぱだめ、ティッシュは使い捨てられる。ハンカチにする、ハンカチにして

君はもし誰かに私を問われたらなんて言うのか、知り合いなのか

いつの日か貴方が私を忘れても覚えてるから君は不死身だ

明後日にきみを嫌いになれたならこの恋文は黒歴史だね

新しいスマホカバーを選んでよ 君の好みに染まってあげる

どうしてか今日はあなたに会える気がしている午前9時の車窓で

好きなサンドイッチの具とか苦手な食べ物が納豆だとかを知った

3月は桜の蕾が綺麗だと君が言うから春になったよ

他意は無く期待したって無駄なのに耳まで燃える悔しさがある

恋の歌なんて詠みたくないんだよ君の歌など詠みたくないよ

「会ってないわけじゃないけど会いたいよ。花見に行こう」顔は見れない

了承の返事はなくて、桜いつ咲くのか調べ始める君だ

彼氏って呼ぶのはいやだ 恋人のように振る舞う度胸はないよ

君が気を遣ってるのか何なのかわからないけど後者であって

君と会う前日いつも真夜中にリアルミラクルニキを開催

エイプリルフールにわざと「きらいだよ」好きって言ってやればよかった

好きだとは言ってくれないその癖に嫌いじゃないって言うのはずるい

新しい髪留めを買う桜より私を見てよ四月一日

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