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グローバル時代に総合型選抜入試が最適解なワケ

こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、現在はニュージーランド在住の受験&国際教育コンサルタントのTakuです。

最近日本でも大学入試改革が進んできて、
推薦入試が増えてきているのは、
以下の記事で以前もお話しした通りです。
親の時代と全く違う?知らずにいると怖い!今どきの大学受験のリアル

その推薦入試の中で特に注目されているのが、
新時代の入試である「総合型選抜」です。

まだまだ社会的にも認知度が高くないのですが、
この入試こそグローバル時代に最適な入試だと、
あなたはご存知ですか?

そこで今日はどうして総合型選抜入試が、
グローバル時代に最適なのかについてお話しします。


グローバル人材とは?

ではグローバル時代に活躍できる、
グローバル人材とは一体何なのでしょうか。

文部科学省によるとグローバル人材とは、
以下のように定義されています。

グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、多様なバックグラウンドをもつ同僚、取引先、顧客等に自分の考えを分かりやすく伝え、文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗り越えて、相手の立場に立って互いを理解し、更にはそうした差異からそれぞれの強みを引き出して活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出すことができる人材。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/047/siryo/__icsFiles/afieldfile/2012/02/14/1316067_01.pdf​​

ここで注目すべき点は以下の通りです。

  • 主体的に物事を考える

  • 多様な背景を持つ人に自分の考えをわかりやすく伝える

  • 差異を乗り越えて他者を理解する

  • 差異から相互の強みを引き出す

  • 新しい価値を創造する

これらの価値についてはまた機会を見て、
一つ一つ詳しく考えたいと思いますが、
ここではまず全体的に見てみましょう。

前回の記事の中で子どもたちが、
受験勉強で要求されるスキルについてお話ししました。
受験勉強で失う大切なグローバルスキルとは?

詳しくは記事をご覧いただければと思いますが、
従来の受験で必要なスキルは簡単に言うと、
以下の通りとなります。

制限時間内で事前に用意された答えに、
一つでも多く辿り着けるために、
「より効果的な解法の習得する」こと。

さてここで先ほど確認した、
グローバル人材に必要な5つのスキルと、
受験で必要なスキルを比べてみてください。

一つでも重なるものがありますか?

残念ながら従来の受験勉強では、
グローバル人材になるためのスキルは、
育成するのは困難なのです。

総合型選抜が問うているスキル

一方で近年広がりを見せている総合型選抜は、
従来の受験制度とは大きく異なります。

総合型選抜入試の詳細については、
また後ほど別記事でゆっくり書こうと思っていますが、
ここではコアの部分だけお話ししますね。

総合型選抜で求めている学生は、
簡単に言うと以下のようなものです。

自分の将来のゴールから逆算して、
大学で学びたいことが明確になっており、
その学びに必要な経験を積んでいる学生。

いかがでしょうか。

一般入試で求めている学生像である、
制限時間内に用意された正解を一つでも多く、
見つけるための「効果的な解法」を習得した学生とは、
大きく異なると思いませんか。

この総合型選抜で合格するためには、
以下のようなスキルが求められています。

  • 自己分析に基づく進路の決定

  • 大学で学びたいことの明確化

  • そのために必要な経験

  • 自らの志望動機の説明

  • 学部に関連したテーマに関する自己主張

さて、こちらを先ほど一緒に見た、
グローバルスキルと比較してみましょう。

  • 主体的に物事を考える

  • 多様な背景を持つ人に自分の考えをわかりやすく伝える

  • 差異を乗り越えて他者を理解する

  • 差異から相互の強みを引き出す

  • 新しい価値を創造する

いかがでしょうか。
こちらはだいぶ重なる部分があると思いませんか?

総合型選抜では自分からスタートして、
自主的な行動を積み上げなけらば、
合格が難しいシステムになっています。

結果、従来の受験のように、
塾や学校の指示に従うのではなく、
自分で考えることが要求されます。

また自分独自の進路を考えていきますから、
新しい価値の創造にも繋がりやすくなります。

また何よりも自己分析からスタートするので、
自分が好きなことや得意なことが明確になり、
自分の価値にも気づきやすくなるでしょう。

それが将来自分と違う価値観を持った人との、
差異を乗り越える際の武器にもなるはずです。

さらに志望理由書や小論文、面接などを通して、
自分の意見を相手に説得的に伝えるスキルが身につき、
これこそが何者にも変え難い財産になります。

やってしまいがちな「目的と手段を履き違え」

なるほど。
総合型選抜で合格できれば、
グローバル人材に必要なスキルが手に入るのか。

それなら大手塾に早速問い合わせて、
対策を練っていこう!

そう考える方も中には、
いらっしゃるかもしれませんね。

でも残念ながらそれはひょっとしたら、
全くの無意味になる可能性も少なくありません。

なぜなら総合型選抜試験は使い方を間違えると、
従来の受験と何も変わらない結果しか、
得られなくなる恐れがあるからです。

特に受験=大手塾という発想を持っていると、
この罠にかかりやすくなります。

思い出してください。
「塾=会社」です。

塾が営業している目的はただ一つ、
「利潤の追求」にあります。

その利潤の最大化を目指す最も合理的手段は、
生徒の合格実績を上げること。

特に保護者が大好きな高偏差値の、
名門大学への合格者数を増やすことです。

そこでは子供の希望の「学部」よりも、
よりレベルの高い「大学」への合格が、
優先されるのは言うまでもないでしょう。

中堅私立大の希望学部合格と、
東大の希望しない学部の合格で、
あなたはどちらが嬉しいですか。

おそらく多くの人が後者ではないでしょうか。
そしてこういう発想を持つ人が多いからこそ、
塾はますます儲かっていくのです。

以前私の知人のお子さんが、
総合型選抜で国際学部を希望し、
大手塾に通い始めました。

しかし志望大学の合格が難しいとみた塾は、
彼女により「受かりやすい」経済学部をすすめ、
結局志望大学の経済学部に合格しました。

その何が悪いんだ!と思う方には、
総合型選抜は向きません。

なぜならその選択は塾の指示への従順であり、
「自主的」なものでないばかりか、
総合型選抜の趣旨にも合致しないものだからです。

総合型選抜で合格した生徒は、
一般選抜の生徒よりも入学後に意欲が高く、
成績もいいという結果が出ています。

https://www.asahi.com/edua/article/14540038

これは総合型選抜の生徒が自分の意思で、
学びたいことを決めて入学してきた結果です。

一方で受かりやすいからという理由で、
自分が希望していなかった学部に入学して、
同じ結果が得られるでしょうか。

総合型選抜での合格は子供たち自身が、
グローバル人材になるスキルをもにつけるための、
一つの「手段」にすぎません。

それなのに塾の口車(営業戦略)に乗せられて、
その手段を目的に変えてしまっては、
本末転倒以外の何物でもありません。

もし総合型選抜を通してお子さんに、
グローバル人材に必要なスキルを与えたいなら、
正攻法でしっかり対策をしましょう。

総合型総合型選抜の正しい対策の仕方は、
またあらためて記事にしたいと思いますので、
楽しみにしていて下さいね!

まとめ

さて、いかがだったでしょうか。

グローバル時代に求められる人材になるには、
総合型選抜入試を目指すのが、
一つの最適解だとお分かり頂けましたか?

もちろん日本の大学に行くこと以外にも、
選択肢はたくさんありますよね。

専門学校でもいいわけですし、
起業でも海外大進学でも構いません。

ただ日本の大学進学を選択するなら、
個人的には一般選抜型よりもずっと、
総合型選抜がおすすめです。

そろそろ昭和時代の遺産であるシステムを卒業し、
未来型のシステムに変えませんか?

お子さんがより広い世界で、
自分らしく活躍できるようになるために。

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