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子どもが「学校に行きたくない」と言ったらどうしたらいい?

こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、現在はニュージーランド在住の受験&国際教育コンサルタントのTakuです。

子どもの不登校数が過去最多となったとの報道を見ました。

これは日本の教育の行き詰まりをも示していますが、
不登校とまで行かなくてもお子さんが、
「学校に行きたくない」ということはあることでしょう。

そこで今日はお子さんが学校に行きたがらない時、
私たち親はどうしたらいいのかについて一緒に考えてみましょう。


学校制度の限界

現在の学校制度の礎が築かれたのは、
日本では明治時代の頃です。

当時は富国強兵政策の真っ只中で、
強い国を作るために必要な人材が、
大量に求められた時代でした。

そこでは、自分の頭で考える人材よりも、
国家が決めた枠組みに従って、
従順に動く人材の方がはるかに重要でした。

特に軍隊においては、上官の命令に、
絶対服従できる兵士の育成が急務です。

こうした時代背景の中で、
国家のために役に立つ使いやすい人材を、
育てるために出来上がった制度でした。

戦後その軍事的な色合いは削除され、
新たに教育基本法が定められたものの、
集団一律のシステムの根幹はそのまま残りました。

それが戦後必要となった、
忠実かつ勤勉に働く多くの労働者を生み出し、
高度経済成長を支えたのはご存知の通り。

そういう意味で当時はこの教育システムが、
確かに社会のニーズに応えるものであったことは、
疑いようもない事実でしょう。

しかし、あれから時代は大きく変わり、
ただ言われたことを正確にこなすだけの人材は、
逆に役に立たないようになりました。

人々の価値観も多様になり、
学校制度も変わらなければならないはず。

にもかかわらず、今の日本の教育は、
当時と根本的なところはほとんど変わっていないようにさえ、
私には思えてなりません。

ここに今の学校制度の限界があるように、
私には思えるのです。

「学校に行きたくない=落ちこぼれ」は時代遅れ

このような価値観が対応した社会の中において、
子供たちの考え方が変わっていくのは、
ある意味当たり前ではないでしょうか。

みんなと同じではなければいけないと言う発想は、
もう過去のものになりつつある。

にもかかわらずいまだに学校の中では、
と同じことをするのが当たり前で、
個性重視には程遠い教育が行われています。

そのため、学校制度に合わない子供たちも現れ、
不登校の一因にもなっているのではないかと、
私は考えています。

一昔前には不登校は落ちこぼれなどと言う、
かなり極端な発想がありましたが、
今はそうした考えは変わったでしょうか?

海外では型にはまった学校教育では、
とても収まりきらない特別な才能を持つ子供が、
個別に学ぶルートも作られ始めています。

今や学校に行かない=落ちこぼれなどと言う発想は、
遠い過去の愚かな思想になりつつあると、
言っても過言では無いのではないでしょうか。

今はオンラインなどを通して、
いつでもどこでも世界中から、
様々なことを学ベル時代です。

その中で戦前と変わらないレイアウトの教室で、
全員が同じ教科書を使って先生が説明をすると言う、
昔ながらの教育に合わない子も出て当然です。

学校に行けないから、恥ずかしいなどと言う考えは、
もう1ミリも持たなくて良い時代だと私は思っています。

なぜなら、この硬直した学校制度そのものが、
もはや世界の変化のスピードに、
ついていけなくなっている感が否めないからです。

基本は「行かなくていい」

では、子供が行きたくないと言った場合、
親はどうしたら良いのでしょうか。

1番最悪なのは「頑張っていこう」と、
子供に声をかけることだと思います。

行きたくないと言うからには、
子供の側に何らかの違和感があるからです。

まずはその子供が抱えている、
学校に対する違和感が何なのかを、
親としてしっかり受け止めてあげる必要があります。

その上でその違和感をどう解決するかを、
子供と話し合いながら考えていく姿勢が、
大切なのではないでしょうか。

繰り返しになりますが今はもう、
学校になくても充分に学ぶことができるインフラが、
整備されている時代です。

またよく言われる、
「学校に行かなければ、人間関係が築けない」という問題も、
習い事等で十分解決できるでしょう。

そう考えると、今の時代ほど、
学校に通う必要性が下がっている時代は、
かつてなかったのではないでしょうか。

こんな時代を生きる子供たちにとっては、
学校に行かなくても学べるとわかれば、
行きたくないと思うのも無理からぬことです。

だからこそ、私は個人的には、
子供が学校に行きたくないと言うのなら、
別に行かなくてもいいと思っています。

居場所を見つければ子供は輝く

ただ学校に行かなくていいと言う事と、
何も学ばなくていいと言う事はもちろん、
全く別次元の話です。

子供は誰しも学びを深めていくべきですし、
その学びを通じて成長していくものです。

だからこそ学びの環境を整える事は、
親にとってもとても大切なことです。

ではどうしたらいいのか。
これはもちろん正解はありませんが、
私は子供の好きにフォーカスさせるのがいいと思います。

かつてオンラインで指導した中に、
学校を休みがちな生徒がいました。

彼女は学校の友達ともノリや話題が合わず、
みんなが一斉に同じことをすることに違和感があり、
登校だけでなく学習意欲もなくしていました。

学校や市からは登校を促されましたが、
そんな彼女にご両親がしたのは、
それとは真逆の行動でした。

無理に学校に行かせることはせず、
彼女が大好きだった絵を描くことに、
フォーカスしていいと伝えたのです。

彼女はそれから学校には行かず、
家で黙々と絵を描き続けました。

最初はイラストメインだったのですが、
そのうち様々なデザインに興味を持つようになり、
グラフィックデザインを学びたいと思い始めます。

そしてその学びのために自分は、
芸大に進みたいという夢を見いだしました。

さらに将来は海外で仕事をしたいと願うようになり、
英語の学習と同時に留学もしたいという、
夢まで持つようになったのです。

そこで彼女は通信制の高校に進学を決め、
自分でアルバイトをしながら資金を貯めて留学し、
今は芸大でデザインを学んでいます。

私は彼女のストーリーを目の当たりにして、
自分らしく学ぶことの大切さを、
改めて教えられました。

そして親として本当にすべきサポートが、
一体何なのかということも。

もし彼女が学校に行きたくないと言った時、
学校や市のすすめに従って無理に通学させていたら、
今の彼女は絶対にいなかったでしょう。

周囲の目や伝統的な教育の概念を気にせず、
あくまで子ども自身をご両親がしっかり見つめて、
支えたからこそできたこと。

彼女が少しはにかみながら行っていた言葉を、
私は今も心に刻んでいます。

今の私があるのは、両親のおかげなんです。 
不登校で苦しんでいた時、両親は泣きながらこう言ってくれました。

『学校なんか行かなくていい。
 あなたが楽しく学べる場所を一緒に考えよう。
 学校に行くよりあなたが幸せになることの方が、
 ずっと大事なんだから。」

あの言葉がなかったら、
私はここにいなかったかもしれない。

いくら感謝してもし足りないです。

私はまだ足元にも及びませんが、
彼女のご両親を見習ってすこしでも、
子どもに寄り添った親になりたいと切望します。

まとめ

さていかがだったでしょうか。

戦後の学校システムができてから早80年弱。
当時から時代はあまりにも様変わりしたのに、
その骨子はまだほとんどアップデートされていません。

学校が好きで楽しく通っているならもちろん、
学校に行かせることに私も大賛成です。

でも価値観がこんなに多様化した現代だからこそ、
学校に合わない子どももたくさんいて当然です。

そんな学校に合わない子が、
学校に行きたくないと本気で言っているなら、
子どもに合った学びの場を探すべきな気がします。

むしろ今の学校教育制度の方が、
時代に合わせたアップデートが必要に、
なってきているのですから。

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