見出し画像

AIでアイデアをつくるには?

「生成AIのアイデアってなんかパッとしないんだよね〜」

・・・わかります。ですが、こちらの「コーヒーの新商品企画」が3分で生成できる。と聞いたらどうでしょうか?

「逆転」のロジックで3分で生成された企画

この案の良し悪しは判断基準によって変わりますが、「まだ正解かどうかわからない仮説に基づく」という点で「アイデアのある案」だといえます。これは「逆転」という発想ロジックをChatGPT上で用いることで、瞬時に8パターンの案を生成→1案に絞って画像含めて具体化した例です(合計所要時間約3分)。ここではコーヒーに関する常識を強制的に反転させることでアイデアを生み出しています。

コーヒーの常識:カフェインで活力が高まる飲み物
逆転のアイデア:Mindful Brew - 瞑想やヨガなど穏やかなシーンのための飲み物

このような手法を体系化することで『Creatable(クリエイタブル)』というAI脳を鍛えるワークショップをつくりました。


制作ではなくクリエイティブ思考のためのAI活用

このワークショップは、生成AIを画像や動画といった制作物だけではなく、アイデア・コンセプトなどの思考プロセスに用いることを目的としています。単なるプロンプト指導ではなく、手書きのワークシートとChatGPTを交互に活用し、脳に汗をかきながらじっくりクリエイティブ思考と向き合う点が特徴です。
「逆転」の他にも「連想」「類推」「組み合わせ」「仮想」「アブダクション」「演繹」「帰納」などの発想ロジックが存在し、これらの構造を掴みながらAIと自分の共同知性を育んでいきます。

一般的な「人間だけで考えるワークショップ」よりもアイデアがどんどん出ます

アイデアが苦手な人こそAI向き

このワークショップの主な対象者は、アイデアやコンセプトと関わる仕事をしていながら、それらの専門家ではない人たちです。デザインや広告の業界で言えば、営業やプロデューサーのようなアイデアを依頼することが多い職種。またはデザイナーやテクニカルディレクターのように、アイデアというよりは制作や実装に軸足を置く人たちです。(まだ経験が浅かったり、思考の幅を広げたいプラナー、とにかく時間がないクリエイティブディレクターなども対象です。)
また事業会社の新規事業部をはじめとする、一時的にアイデアが必要となる場面に置かれた方の役にも立ちます。

これは「アイデアって苦手だな」と感じる人ほどAIによる伸びしろが大きいためです。ボストン・コンサルティング・グループとハーバード大学の共同調査によると、下位のコンサルタントほどAIでパフォーマンスが高まったそうです。

左の下位グループの方がより成績が伸びている

アイデアの幅とスピードが伸びる

ワークショップ体験者のアンケート結果によると、「業務で活かせる実感がある」「アイデアの質と量が高まった」と80%以上の人が回答しています。特に「自分では思いつかない」アイデアを「素早く」出せるという実感が得られることがわかっています。

たとえばアイデア出しが苦手な人しかいないチームでも、プロジェクトの初期に大量に幅出しを行うことで、初日から具体性のある議論が出来ます。逆にある程度アイデアに慣れている人は、AIの案に触発されながら自分なりの発想をさらに広げたり、「この方向性は無い」という判断を早めにすることができます。

私自身はこの特徴を活かし、ある新規事業案開発のコンサルティング案件において、初期に520案(13のロジック×4つのテーマ×10案)を生成。具体例として活かしながらクライアントからの仮説案を引き出し、さらに新しい切り口を見つけて最終化していく・・・といった使い方をしています。

新規事業開発のプロジェクトで実施した初期アイデア生成

ひらめきを民主化したい

アイデアや発想というものは目に見えず、一部の才能ある人の特殊技術のように思われてきました。世間にはアイデア本やアイデアコンペが溢れ、「優れたアイデアがすべてを解決する」と信じられているかのようです。実際に、いいアイデアは熱狂や団結を生み出すことも事実です。

しかしながら、人々の五感に触れるのはアイデア自体ではなく、音や色や形や匂いといった現象のアンサンブルです。また私は営業出身なので、優れたアイデアよりも合意しやすいアイデアが現実解になるという事実に何度も直面してきました。ゆえに、アイデアに悩み続ける時間や、振り回される苦しみによって、アウトプットの総量が減ってしまうのは、非常にもったいないと思います。

アイデアをより多くの人が手軽に手繰り寄せ、どんどんいいものが生まれていく。これがwith AI時代のクリエイティビティであり、Creatableの目指す環境です。世の中のSランクのアイデアを増やすというよりは、C・Dランクを劇的に減らしてB以上に高めていくイメージです。

参加者の声

広告会社、クリエイティブエージェンシー、制作会社、事業会社などで導入いただき、平均満足度は4.8/5と高い評価をいただいています。いくつか参加者の声を紹介します。

強力なツールな故に、自分自身の考える力、選択していくということに対して、自分自身もアップデートしていかないといけないなと感じました。

クイックな発散相手として、非常に有効だと感じました。今まで黙々と一人で作業していましたが、話し相手がいると思うと寂しくなくなりました。

(逆転のロジックは)普段やっている思考回路に近かったのですが、何となくの肌感だけでやっていて、スキームとしてきちんと言語化できていなかったのでとてもありがたかったです。

(類推のロジックは)どんな人もついて行ける、理解出来る展開、シナリオが描ける為、アイデアやその源泉に説得力を持たせられる。

深掘りすぎて本質を見失ったり、終わりが見えない部分もあったので、こちらが慣れて感覚を掴むまで少し時間がかかりそうだとも感じました。

アンケートはすべて目を通して改善に活かしております。この場を借りて改めて、ありがとうございます

ふわっとした相談も歓迎です

もしこのワークショップに興味を持たれた方は、お気軽にフォームまたはDMやメールで連絡ください。AIツールの習熟レベルや組織の課題感に応じて柔軟に調整可能ですし、もっとふわっとした話も歓迎です。
そもそもこのプロジェクトは私たちの実験的な研究開発です。このスキルがどんな場面で生かされるのかは、まだまだ可能性を模索している段階です。
たとえば直近では慶應義塾大学の博士課程に向けた研究テーマのアイデアづくり講義など、アカデミア分野での相談もいただいています。より直感的でわかりやすい表現をとることで、小学生〜中学生向けのAI活用なども出来る可能性を感じています。

ロジックとプロンプトの研究や、ワークショップ以外の形での価値づくりもすすめていますので、このあたり一緒にやりたい、というお声がけもお待ちしております!

問い合わせフォームはこちら:
https://forms.gle/db7SiRQdnBHVzWyWA


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?