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新年早々、過去イチ爪痕残してくる映画に出会った

こんにちは。たまです。
2022年明けましたね。本年もどうぞよろしくお願いします。

当方第2子のペア育休中なもので、年がら年中、年末年始のような生活なんですね。TV特番ではなくドキュメンタリー映画にはまりました。

「なぜ君は総理大臣になれないのか」と「香川1区」。

簡単にいっちゃえば政治家のドキュメンタリー。
政治ってなんとなく毛嫌いしてたけど、伊藤洋介さんのVoicyでおすすめされてたので鑑賞してみました。



・・・こんな面白いエンタメがあるなら早く教えてほしかった


で、何が面白いのか。

というか、「面白い」なんてチープな形容詞では片づけられないんです。後味悪いというか、モヤモヤが残るというか…。脳みそ揺さぶられてて正直消化不良。
いろんな意味でこんな爪痕残してくる映画ははじめてかもしれない。

このままじゃ今年一年胃もたれしちゃいそうなので、この場を借りて消化活動をしてみたいと思います。

注意!本記事はネタバレ含みます。ご留意ください。


あらすじ

▶なぜ君は総理大臣になれないのか

高い志を抱きながらも党や派閥に翻弄(ほんろう)される政治家の17年間を追ったドキュメンタリー。2019年の国会で統計不正を質したことからSNS上で“統計王子”の愛称で呼ばれた衆議院議員・小川淳也に2003年の初出馬から取材し、高潔な政治思想があっても党利党益に貢献しないために出世できないジレンマや、背水の陣となった選挙戦などをカメラが捉える

シネマトゥデイ

ふがいない野党の現実とともに、結局地盤ある金持ちしか勝てないのかよ!という絶望感、そして政治家である夫・父を支え、年を重ねてきた家族のリアルが描かれてて、涙なしには観れない。まさかこんなに泣くとは思ってませんでした…。

▶香川1区

2021年秋の第49回衆議院議員総選挙で注目を集めた選挙区の香川1区に焦点を当てたドキュメンタリー。「なぜ君は総理大臣になれないのか」が大きな話題を集めた大島新監督が、同作の続編的位置付けの作品として手がけ、香川1区の選挙戦を与野党両陣営、双方の有権者の視点から描く。2003年の初出馬から1勝5敗と闘いに窮し、比例復活当選を繰り返してきた小川氏。香川1区で彼の前に立ちはだかってきたのが、自民党の平井卓也議員だ。四国新聞と西日本放送のオーナー一族にして3世議員の平井氏は、前回2017年の総選挙で小川氏に辛勝。その後、小川氏は統計不正についての国会質疑や映画で注目され、その知名度は全国区に広がっていく。

映画.com

記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。2021年衆院選、10/31投開票日のあった、あれです。

つまり、立憲民主党小川氏 VS 自民党平井氏の結果はすでに出ているんですね。(調べれはすぐわかる↓)

ご覧の通り、小川氏が9万票、平井氏が7万票で、小川氏の勝利。
勝つ結論が分かっていても、なお「面白い」と思えるし、引き込まれる、そしてモヤモヤが残る。

この理由を、自分なりにひも解いていきたいと思います。

選挙を「お祭り」にした後のこと

ちょっと昔話をします。

2008年、野党の民主党が政権奪取。
このときのお祭り騒ぎはとんでもない勢いでした。

私自身、ちょうど有権者になってはじめての選挙ということで、(歳がバレる)政治なんてよく分かんないし世の中おかしいとか全く思ってなかったけど、メディアの報道、世論の空気的に下剋上の方が面白そうジャンみたいなノリで民主党に投票し、見事当選しました。(誰にいれたか全く覚えてないけど)


以降の民主党政権下はあまりにも酷かったそうですが、こちとら20歳の大学生。選挙終わっちゃえば恋愛のことしか考えてなくって、その後はぜーんぜん興味なくなっちゃった。

これ、選挙を「お祭り」に仕立ててしまった一番大きな弊害じゃないですか?

競馬みたいに勝った・負けたで競って、投票して、勝敗ついて、はい終わり。うん、違うよね。

選挙って、始まりの合図だし、政治の手段でしかないはず。


2021年の衆議院選挙、香川1区は、お祭り騒ぎを作り出すことに成功した。規模は違えど2008年の選挙と同じような異様な熱があった。

そりゃ、選挙に勝つなら、いかに「お祭り騒ぎ」を作り出せるかは重要。この雰囲気があったから、香川の高校生も街頭演説を聞いたんだと思う。

でも、2008年のわたしを量産してしまうリスクがある。

選挙終わって、それでハイ終わり、じゃなくって、選挙が終わってからが本番。いかに有権者たちに政治、いや社会に対する関心を持ちつづけてもらうか。(今後の投票率で可視化できるよね)
香川1区を、選挙だけの香川1区に終わらせないことが、香川1区に残されたミッションだと思いました。


自民党が「選挙」に強い理由


続編の「香川1区」では、小川氏だけではなく公平ににフォーカスしてるんです。(少なくとも最初はそのスタンス)

小川氏の属する立憲民主党(野党)だけでなく、突如あらわれた維新(ゆ党w)や平井氏が属する自民党の(与党)それぞれにインタビュー。それだけでなくそれぞれの有権者の声も。

有権者たちのリアルな声から、平井拓也氏、いや、自民党がなぜ選挙に強いかがさまざまな視点から浮き彫りになってきました。

  • お金を集める力がある(その手段が違法でも)

  • 今の政党だから(現状維持がいいから)

  • 政治に興味ないけど上司に言われたから(組織票)


わたしがいちばんモヤったのが、3つ目の組織票。
政治に興味ないけど、「入れろと言われたから(自民党に)入れた」といういわゆる浮遊層の人たち。

ほんとうの民主主義って何だろう


「上司に言われたから!?その一票におまえの意思はないのか!?」

と思っちゃうよね。政治に関心がある人にとっては。

けど、正直、政治なんかに関心は無い人たちにとっては、選挙なんてどうでもいいし、どうなったって自分には関係のないことだと思ってる。そんな人たちが結構いる。(とくに若い層)

それにしても、彼らを投票所に引っ張り出せたのってすごいですよね。手段はどうであれ。(←最大限の嫌味です)

当事者になるしかないの?


曲がりなりにも若い人(過去形?)だったからよくわかります。

未来の日本より、明日の自分。自分のことでいっぱいいっぱいなんだよね。困ってる周りの人たちに目を向ける余裕なんかないし、それを知っても、「自己責任じゃね?」とも思ったりする。
仮に自分自身が困ってきても、「こんなのおかしい!」って矛先を向けるところを知らない。だから、全部自分のせいだと思って、ただ自分を追い詰める。どれも、行き過ぎた自己責任論の結果だと思う。

でもね。自分だけじゃどうにもならないことがあるんです

わたし自身、子育てをするようになって、保活(子どもをなんとかして保育園に入れる活動)をして初めて「こんな世の中おかしいじゃん!」て思う当事者になり、初めて政治に興味を持ちました。


でも。これでいいのか?
当事者にならないと政治に関心を持てないって、結構やばいと思ったのです。理由は2つ。

  1. 当事者になってからじゃ間に合わない。これからも当事者が増えちゃう

  2. 当事者はすべからく時の少数派、マイノリティで、声が小さく(少ない)世の中を変える力が弱い

このままじゃ、権力のやりたい放題が続いちゃいませんか?「困った」当事者が増えちゃいませんか?

いまはなかなか関心持てないとは思うけど、自分自身の将来のために。自分の子ども世代のために。まず困ってる人(当事者)の存在を知ってほしいんです。

おすすめなのが、Change.orgという当事者を知れるサイト。↓
あなたの知らなかった「困った」があるはず。



権力に利用されてることに気付いて

民主主義って知ってますか?

民主主義(みんしゅしゅぎ、: democracy、デモクラシー)または民主制(みんしゅせい)とは、人民権力を握り、みずから行使する政治思想政治体制のこと。

Wikipedia

日本国家は民主主義。
つまり、わたしたち人民が権力を握ってるはずなんです。


「上司に言われたから(自民党に)入れました」

という人は、きっと当事者ではない。政治に関心もない。
でも、思考停止の彼らを責めることは出来ない。だって、その人も有権者の一人だもん。誰に入れようが、自由がある。

そう、自由がある。

でも、自分の権力の存在を知らないままに、大きな権力たちに利用されてる。そこに憤りを感じたんです。


きれいごとを言います。

そりゃね、「政治に興味ない層をいかに動かすか」は、与党も野党も課題だと思う。でも、思考停止でとりあえず自分の党に投票させるって、違くない?正々堂々、中身で勝負しろよ!と思うんです。

政策を示して、どんな未来を作りたいかを有権者ひとりひとりに考えてもらう。一緒に作ろう、と思ってもらう。そのうえで、自分の党に一票入れてもらう。

それが民主主義じゃないの?
意思のない1票をかきあつめて勝った選挙になんの意味があるの?責任のない1票を得てもうれしいの?・・・勝ててなんぼ、なの?


映画を見てね、悲しくなっちゃったんです。


有権者は1票の重みを感じてほしい。

誰に入れれば分からないなら、白票でもいいと思うんです。
白票は、わたしが支持したい人・政党はありませんという意思表示になるから。

ぜひ、「言われたから選挙に行く」という人たちは、一歩立ち止まってほしい。そして、今まさに大きな権力に利用されそうであることに気付いてください。

わたしが思う本当の民主主義


「勝った51が負けた49の願いをも背負う政治。」
それが民主主義たるものだと、映画で語られてます。

でもね、思ったの。

  • 51や49のすべてに、有権者の願いは本当に載ってるのか?

  • 100以外の、投票さえしなかった人たちの願いは、ほんとうに無いのか?

とことん、きれいごと言わせてください。

すべての有権者が、願いある一票を投じる。
これが本当の民主主義の実現だと思ったんです。

だからね、

いち市民として、どこの誰に投票して!という活動じゃなくて、
選挙、いや政治や社会そのものに関心を持つ人をふやす活動をしたくなっちゃいました。ソーシャルアクティビストっていうのかな?

「香川1区」を全国に。意味のある、価値のある選挙を。
ほんとうの民主主義の実現を。

今年1年のテーマにしよう。

最後に

わたしのモヤモヤ消化活動にお付き合いくださり、ありがとうございました。

TVではまったく告知されてない(できない?)この映画。
ぜひ、若い人ほど見てほしい。

映画館いったらね、ここは投票所?と思うくらい、高齢者ばっかり。
(30代なんてほぼいなかった)

いや、仕方ないと思う。


けどさ、どんなエンタメ番組よりも、お笑い番組よりも、まじでエンタメ。
「面白い」の奥行が違う。

政治に興味なんてないってひとこそ、面白いと思えるはずです。

・・・けど、いきなり劇場に足を運ぶのは躊躇しますよね。
まずはネットフリックスで「なぜ君は総理大臣になれないのか」を観てみてくださいな。

https://www.netflix.com/jp/title/81424088


またね

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