大人のランドセル

あなたが今、抱えている、と感じている荷物は、本当に「荷物」でしょうか。それはただ重さを湛えているから、荷物のように思えるだけではないでしょうか。

今、あなたが負担だと感じるものの正体の多くは、実はあなたの財産であるはずです。私たちは、自分では財産だと思っていない、重荷だと思っている、それらのほとんどが、実は大いなる「宝もの」だと気づく必要があるのです。

私たちはあの頃、小さな体に大きなランドセルを背負い、教科書やノート、筆箱、絵の具セット、習字セット、たて笛、体操着、給食の白衣。こんなに多くのものを背負いながら、走って学校に通っていました。

それは全部「自分に役立つもの」だと知っていたので、名前を書くのも誇らしかったはずです。嫌いな勉強もあったけれど、今の自分が振り返ればわかるように、やっぱりそれらは、私たちの役に立つものでした。

大人になった私たちが背負う荷物はどうでしょう。好きで背負ったわけではない、と、そう思うでしょうか。

でも、思いだしてください。ランドセルの中に詰め込んだもののほとんどは、学校や親に「持たされたもの」だったはずです。今、あなたが荷物だと思うものと、条件は変わらないのです。

だからこそ今もし、重荷を背負っている、と感じるのであれば、それをやめてみてください。代わりに、これはランドセルに入っていて、自分の学習に役立つものだ、と、考えるようにしてみてください。

そうじゃないよ、とか、分析とか理屈は、ここではどうでもいいのです。

「そう思ってみる」というごっこ遊び、なりきり遊びをしてみたときに、あなたのプリズムの角度が変わり、見える風景が変わるのなら、感じるものも目指す場所も、未来のすべてが変わるはずです。

虫眼鏡で黒い丸を焦がすとき、ちょうどよくなるように何度も動かして調節しながら、ぴったりの場所を見つけるように。

自分の見方も考え方も、変えよう、と思えばいくらでも変えられるのです。

そうやって、荷物と思えるものが実は「財産」であり「宝もの」である、と思ってしまえば、ずっと、気持ちが楽になるはずです。

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