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「集まる」以外にも職場のコミュニケーションの方法はある

最近、リモートワークに関わる2つの記事を見て、社内でのコミュニケーションってもう少しいろいろチャレンジできそうに思ったので書いてみました。

ガートナーの調査

ハーバートビジネスレビューの2月号に、調査会社のガートナーが行ったリモートワークに関するリサーチについての研究(記事)が載ってました。曰く「リモートワーク環境から一律出社に戻すと、会社へのつながりを感じる社員は減少してしまうらしい。」という趣旨でした。

コロナ禍で始まったリモートワークによって会社との距離を遠くに感じる社員が増えたという調査結果もあり、一部の経営者はリモートワーク状況下での社員と会社のつながりに懸念を持っています。このためそうした経営者はコロナ禍がひと段落してリモートから一律出社に戻す、という選択をします。

しかし、リモートワークで自由な働き方を知った少なくない社員は、一律の強制出社に対して逆に距離を感じてしまう、という記事の内容でした。(この研究内容は欧米の企業の調査結果のようです)

ガートナーさんは、ハイブリッドワーク推しのようですね。
参考:ガートナーさんの2022年4月のプレスリリース

直近の日経ビジネスの記事

日経ビジネスの直近のものでは、リモートワークで増えた「薄い会議」を無くそう、という趣旨の特集が組まれてます。

リモートワークによって、対面で行っていった日常的な会話、ちょっとした会話が無くなってしまった、という問題があります。これに対してオンライン会議をするのですが、わざわざ会議を実施するということになるとそのための資料を準備したりなど、業務量も増えてしまう、情報共有の会議が増えてしまう、という問題があるそうです。このため、共有や伝達は、テキストや動画で済ませるのはどうか、と提案しています。

この記事の中でリクルートワークス研究所さんの研究結果が示されてます。会議がますます公式化して増えているようです。

ちなみに、リクルートワークス研究所さんは、「職場における集まる意味の調査」をされていて、Vol.2が昨年7月に出されています。

また、別の記事では下記のように述べています。

データが語る「集まる意味」で明らかになったことを概観すると、コロナ下で「集まり方」が大きく変化し、伝達を目的とした集まりはオンラインに置き換わったことで参加しやすくなり、これまでオフィスで集まることが難しかった個人にとっては仕事の成果を上げやすい環境になった。一方で組織としての成果に着目すると、雑談などの非公式の集まりが減ったことで、組織としての新たな意味や価値を付与し合う、「意味生成の場」としての集まりは減少した。そして、そのことによって職場の一体感やチームワークについての懸念が高まっていることが示唆されている。」

「集まる意味」とは何だったのか リアル/リモートの二元論を超えて

場の選択肢が少ないのが問題?

職場でのコミュニケーションには下記のような目的があると思います。

・情報共有、伝達、報告
・意見交換、アイデア出し
・関係構築、感情共有

問題は、これを実施する選択肢が「対面で話す、会議する」「リモートで話す、会議する」の2つしかないところではないかと思います。

対面は伝えられる情報量がお互いに多く、リモートはどうしても少なくなってしまうので、コミュニケーション取るなら対面で、となってしまうのですが、目的によっては全部対面でやる必要もないし、そもそも、時間を取って会議しなくても伝えられることもまだまだあるのではないかと思います。

サイボウズはグループウェアを作っている会社ですので、上記の3つの目的を達成するのにグループウェアを使ったテキストのやりとりを多用しています。慣れるのに難しいですが、もちろん上記3つの目的について、テキストで実施することも可能です。

出社して話をする、オンライン会議で話をする、という同時性、同期性を必要とするコミュニケーションの他に、非同期(それぞれ書きたい時間に書く)のテキストコミュニケーションという選択肢も加えると、「出社するかしないか」という選択肢の他に、「関係構築、一体感醸成の集まりは参加する」「報告はテキストメインのリモートで」というような複数の選択肢が作れると思います。

テキストのやりとりのルールとして一つ提案なのが、「必ずしも仕事に関係ない書き込みであっても許容する」というのがあります。

今まで職場で交わされていた雑談の中には仕事に関係あるものもないものもあります。いろいろな内容が交わされる中で、いくつかの必要な情報がある、という状況でした。

同じようなことをテキストコミュニケーションでも再現できると思いますが、そのためにはテキストの書き込みもある程度自由度を持たせる必要があります。

これまで、職場におけるテキストのやりとりは口頭でのやりとりに比べて公式感が圧倒的に高く、ゆえに「記録を残さないためにあえて口頭で話をする」というような手段も使われてきたと思いますが、その逆を行きます

書いたものについても、自由度、許容度を上げていく、という考え方です。

ここができるようになると、テキストでのやりとりも、感情表現含めて大幅にバリエーションが増えていきます

「会議は集まってやるもの」の前提から考え直す

通信やコミュニケーション手段が発達していなかった過去であれば「集まって話をする」というのは時間効率的に有効な方法だと思いますが、今や、オンライン会議にしてもテキストにしても瞬時に相手に伝えることができます。

瞬時に相手に伝える手段が多様にある時代にあえて「集まる」ことの意味は何なのか?どういった場合に「集まる」ことの有効性が高いのか、今一度考え治す必要があると思います。

また、テキストの表現内容のバリエーションを増やすことで、職場のコミュニケーションももっと豊かになる可能性についても、引き続き考えていきたいです。

おわります。

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