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AI×Webにおける無駄と必要な無駄。Webデザインってなんだっけ?

Webデザインってなんだっけ?

本日そんなことを改めて考えさせられる出来事があったので、殴り書きで綴る。なので、意味が破綻している部分もあるかもしれないし、明日には意見が変わっているかもしれない。。。

例えば、コーポレートサイトを作る場合。
企業には、ビジョン、方針、経営戦略などの様々な目標となる指標があり、創業者や社員の想いといった人の心情もある。これらをコーポレートサイトに反映させる必要がある。

そんな時、「なんとなく寂しいから」「動きがあるほうが楽しいから」「読めない英字フォントがあるとおしゃれだから」という理由でされたデザイン。

はたして、ロジカルな回答があるのだろうか。
はたして、企業が抱える問題を解決できるのだろうか。
あなたの感想、ただの好みではないだろうか。

ちなみに私はWebディレクターで、デザイナーに対して指示する人間でもあり、出来上がったデザインをクライアントに説明する役割でもある。好みで返されても、私自身クライアントに対して説明に困るし、無理やりつけたような説明ではクライアントに見透かされる。

昨今のAI

少し別の話を。

昨今、AIの勢いがすごいのは周知の事実だと思う。そして、AIによるサイト制作技術も日々向上している。なんなら、クライアントにそれらのサービスの使い方を教えたら、作ってしまえるほど。私たちWeb制作会社がクライアントにヒアリングして時間かけて代理で作るよりも、クライアント自身が想像するWebサイトをAIに作らせた方が良いのかもしれない。

「シンプルでいい」「形だけあれば」という願望だけで、特にWebサイトあっても無くてもいいのような場合、Web制作会社に高いお金を払って作るのはお金の無駄のような世界が見えつつある。

今後のAIが提供してくるデザインがどんなデザインになっていくか未知数な部分はあるものの、おそらくすべての装飾に意味を付けてくるはず。すべての要素が、企業の抱える問題解決の鍵になるよと説明してくるはず。

それくらい、技術進歩のスピードが速い。

Web制作会社の道

そんな状況でWeb制作会社はどうあるべきか。
私がパッと思いつくに、2つの道があると思う。

ひとつは、先ほどから言っているような、企業のビジョンや方針などの指標と、創業者や社員の想いといった人の心情などを的確に理解し、戦略やコンテンツとして落とし込めるWeb制作会社。『AIを部下にし、上流に張り付くWeb制作会社』と言えばいいだろうか。適格な戦略と情報をAIに伝え、実際のデザインやコーディングはツールを使ってサクッと作る。

もうひとつは、「WebGL」という技術を使った3D表現などを駆使したゴリゴリに動くサイトが作れるWeb制作会社。ここはAIはまだまだ難しい領域(のはず)で、そもそもAIに対して3Dのイメージを指示するのが難しい。ただこれは、芸術作品のような、アートのような(「アート」本来の意味とは異なるが、世間一般にはこの言葉を用いると理解されやすかったりする)ものでもある。なので、動きがうざい、読めない、重くて動かないなどのイライラの感情を抱く人もいる。これまで人類がWebサイトに求めてきた「調べるためのWebサイト」という活用方法とは異なる。それこそ、アートなWebコーポレートサイトで良いのであれば、訪れたユーザーがその企業のブランドを自由に好き勝手感じとってもらうことになるのだろうか。

個人的にはAIを部下にしたい

個人的な道を述べておくと、前者が良いと思っている。

何故かというと、先ほどのAI。
AIの時代が来るのは明白。であればAIを「使いこなす側」に回る必要があると思う。AIが手を出せない分野で自ら手を動かし続けるか、上流的な部分をしっかり練って後はAIを使って時短して空いた時間をのんびり過ごすか。

前者の場合、Web以外の業界でも使えるスキルでもある。後者はWebの「技術」を極めつくすしかない。もちろん3Dモデリングとかの仕事もあるが、専門すぎて想像できない。結局手を動かす必要がありそう。

世の中には「職人」と言われる人がいて、例えば「茶碗」のようなモノ作りを極める職人は残すべきだと思うし多大な価値を感じる。ただ、Webにおける「技術」を極める職人がいたとして、はたしてどれほど求めれれるものなのだろうか。

「無駄」か「必要な無駄」かのデザイン

話を戻す。

デザイナーの好みによる装飾・動き・色使いは果たしてこのAI時代に勝てるのだろうかと。「好み」を良く言えばデザイナーのアイデンティティのようにも捉えることができ、そこはAIに代替えされない気もする(AIは調教できることを考えると代替えできるか)。

ただ、その好みが「不要な好み」である場合、「Web制作会社というWeb制作のプロ集団が、Webサイトをビジネスツールとして活用したいクライアントに対して提供するサイト」とは言い難い。いわゆる「無駄」

もちろん、装飾を付け足すのが悪いわけでは無い。
会社の経営理念、ビジョン、事業の目的、解決したい問題などに沿って、自然とでてくるような装飾であれば文句はない。おそらくそこには、ロジカルに言葉で説明できる何かがあるはず。いわゆる「必要な無駄」であれば良い。

それをすることによって、企業が抱える問題が解決されるのであれば、デザインと言える気がする。

「ビジネス音痴なデザイナーにはなるな」なんてことを最近聞いたが、まさに私がデザイナーに求めるのはそういうデザイナーかもしれない。

これからのディレクター

そんなことを思いながら、私が今しているWebディレクター、ないしは「ディレクター」という文字がつく職業において、ディレクターが考えた案を制作者(デザイナーやライターなど)に伝える際、何を伝えるべきなのか。その伝えるべきことをしっかり聞き出すために、クライアントとどう向き合っていくべきなのか。

「ディレクション費」をただの「進行管理費」として言えなくなる時代が来る気がする。要件定義の骨組みやコンテンツの草案をAIを使って作り、それに応じた画面設計もAIに画像生成してもらうとかも可能になっているのが現実にあるのだとすれば、『人日 = 人が動く日数』という計算方法は数年後どうなってるのか

改めて考えたいと思った今日この頃である。

余談

こんなことを考えていると、「デザイン通りにコーディングができてないから直して」とかの確認作業がもはやどうでもよくなってくる。たぶん、人間がやるべき事はそこじゃない。

なので、「HTMLとCSSができれば行けるっしょ!」くらいでWeb業界に入りたいと思っている人がもしこの記事を見ていたら、やめた方がいいかもしれない。もし回りにいたら、考え直してって言ってほしい(笑)。そもそも、AIとか最近のサイト制作ツールの情報収集ができていない時点で、おそらく向いてない。

そして、「デザイン通りにコーディングができてないから直して」のような事を言われているコーダーや、「○○についてはディレクターから言われてないので特に考えてません」のような気持ちでデザインしているデザイナーがもしいたら、見つめなおしてもいいかもしれない。

AI × Web の未来は甘くない。

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