歌丸奇想憚
「歌丸師匠はなんでも知っている」
林屋菊丸は桂歌丸の弟子の桂庄助と飲みながら庄助の話を聞いていた。
「おい、庄助・・何でもってどういうことだい?芸事の話かい?」
菊丸は師匠を心酔している庄助をいぶかしげに思った
「あーそうさ、歌丸師匠はなんでも知っているのさ」
庄助が一杯目の焼酎を飲み干しながら菊丸の目を見据えて言った
「確かに、芸人は結局、気づくか気づかないかって言葉はすごいと思ったよ。」
菊丸が言うとうり、歌丸師匠が言った言葉で、才能があろうが、なかろうが、芸人はどうやったら面白くなるか気づいたものが売れるという名言だ。
「あー、それね、そういうんじゃなくてさ」
庄助が二杯目の焼酎を飲みながら、菊丸に
「特別だぞ」
と小声で言った
菊丸は短気な性格もあって何が特別なんだ?と声を弱冠あらげた
「歌丸師匠は芸の事なら何でも知っているんだよ」
少し笑いながら焦らす庄助
「それはわかったよ!」
イライラする菊丸
「じゃ、これは知ってるか?」
少し真剣な顔になった庄助は少しだけちいさな声で菊丸に言った。
「1秒間の間に三種類の笑いの取り方でそれぞれ爆笑をとったら、一時間だけ時間が止められるんだよ」
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