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【2022劇場鑑賞作品総まとめ・後篇】

一昨日出したこれの続きです。↓

個人の感想で意見をつらつらと述べてるので悪しからず。今回は今年劇場で鑑賞した新作映画の23〜1位を紹介しようと思います。もちろん全ての作品に何らかの賞も添えて。




第23位 「ドント・ウォーリー・ダーリン」
🏆【最優秀プレイリスト賞】

“ユートピアスリラー”という謳い文句に釣られて鑑賞。ここはどこ?あの人たちは一体何をしてるの?わたしはだれ、、?的な設定が個人的に大好きなのでかなり楽しめました。言うなれば「悪夢版レディ・プレイヤー1」と言ったところか。ミッドサマーに引き続きまたしてもおかしな地域に連れてこられたフローレンス・ピューが不憫でなりません。
この映画はオリヴィア・ワイルド監督の音楽のセンスがピカイチ。レイ・チャールズをはじめとする60〜70年代の音楽がイカしてました。



第22位 「紙は見返りを求める」
🏆【最優秀胸糞映画賞】

胸糞の定義って人それぞれあるけど、集団系のワイワイYouTuberが大の苦手な私にとってこの映画は紛れもなく胸糞映画でした。作中でここまでYouTuberを薄っっっぺらく不快に描く吉田監督とは気が合いそうだと感じました。私にとって集団系のYouTuberはみんなこう見えてます。
登場人物には誰一人共感できなかったけどここまで引き込まれる話の構成は見事でした。
再生回数に取り憑かれておかしくなっている!警察に捕まり始めている!!(M-1チャンピオンより引用)



第21位 「ハッチング 孵化」
🏆【最優秀キモ映画賞】

こんなのが観たかった!!こんなに目を背けたいくらいのキモさがオレは欲しかったんだ!!
って映画館で叫びたくなるほど清々しい程のキモ描写の連続で終始興奮でした。人間の気持ち悪さ、クリーチャーの気持ち悪さ、胸糞、ホラーともうてんこ盛り、地獄のような90分間をありがとうございます。
終わり方までしっかり嫌〜な感じでこの監督は人を不快にさせる天才だと思います。



第20位 「スペンサー ダイアナの決意」
🏆【最優秀冷気賞】

寒々しいロンドンの気候に見ただけでも冷たそうだと分かる空気、そしてダイアナ妃の皇室との冷え切った関係、張り詰めた食事の雰囲気、こんなに冷たく凍える冷気を感じる映画は今年これ以外ありませんでした。
味方もほとんどおらず、息もできないような空間に苦しみ続けるダイアナと対照的に、一つ一つのシーンの絵画のような美しさが印象的。
序盤から食べては吐き、食べては吐きを延々と繰り返していただけに、ラストのケンタッキーのシーンはあまりにも綺麗すぎる。




第19位 「LAMB ラム」
🏆【最優秀ホームドラマ賞】

初めて予告を見た時から2年近く公開を心待ちにしていた作品です。予告の不穏さからどんな邪悪なものを見せられるのかとウキウキしてたら、予想に反して劇中の8割がホームドラマでほっこり気分を味わえました。観た人誰もがアダちゃんに夢中になったこと間違いなしでしょう。
ちっちゃいアダちゃんと歌って踊り、一緒にご飯食べて一緒に風呂入って可愛い服着せて、夫婦にとっては束の間の幸せでしたがアダちゃんも心無しか嬉しそうでした。ただ、それまでのほっこりムードを破壊する圧巻のラストには唖然としました。



第18位 「ハウス・オブ・グッチ」
🏆【最優秀特殊メイク&なりきり賞】

かの有名なグッチ一族の華麗なる崩壊を描いたリドリー・スコット監督渾身のドラマ。一族の壮大ないざこざが展開されるゴッドファーザー的な面白さもあり、全く飽きない159分でした。
ガガさんもアダム・ドライバーもめちゃくちゃ良かったけど、一番びっくりしたのは主人公の従兄弟パオロ役を演じたジャレッド・レト。全く彼だと分からない見た目と喋り方で共演のアル・パチーノも「サインを貰いに来た変なイタリア人」と勘違いしたくらい。俳優の可能性は無限大である。



第17位 「X エックス」
🏆【最優秀ハッスル老人賞】

若者たちの田舎でのポルノ映画撮影というワクワクするような展開から最高にスカッとするスプラッターホラーへ。
お婆ちゃんの行き場の無い性欲がちょいと暴走気味になってしまう映画なんですけど、それを文字通り命がけで受け止めるお爺ちゃんの愛には感動すら覚えました。本編のエンドロール後にまさかの続編のトレーラーが流れ、3部作構成が発表されるという異例の展開に今後の期待が膨らみまくりです。



第16位 「シン・ウルトラマン」
🏆【特別賞〜あの頃、夢中になった僕等に愛を込めて〜】

幼少期の私が夢中になったのは、仮面ライダーでもポケモンでもアンパンマンでもなくウルトラマン。そんなウルトラマンが令和のこの混沌とした時代に帰ってきました。かつてウルトラマンを愛し、憧れた全てのガキたちへの賛歌でした。
あの頃のあの音楽に怪獣にスペシウム光線、そして若干スタイリッシュになりすぎたウルトラマン。
細かいことは気にせずに、子供心を思い出して久しぶりのウルトラマンを楽しみました。



第15位 「ブレット・トレイン」
🏆【最優秀ヘンテコジャパン賞】

何これ!?これが日本!?ソンナワケナイ!!でも、、超面白い!
私が使っていた東京駅や品川駅は全く見覚えのないものに変わってしまってましたが、私が見たかった痛快ド派手アクションとお茶目なブラピは確実にこれでした。
B級作品っぽい馬鹿馬鹿しさもありつつ、伏線とかも割としっかりしてて、あまり期待はしてなかっただけに面白過ぎてびっくりでした。あと、IMAXで拝むブラピは良いぞォ。



第14位 「愛なのに」
🏆【最優秀女優賞(河合優実)】

去年観に行った「サマーフィルムにのって」でビビビっと来た河合優実さんを心の底から好きになった傑作恋愛劇。古本屋に河合優実さんがいるだけであんなに雰囲気が良くなるのずるすぎる。あんなの誰でも夢中になっちゃう。
今泉力哉監督と城定秀夫監督が互いの脚本を交換し合う企画で、城定監督味のある撮り方も多いけど今泉監督らしい会話の面白さもあって絶妙なハーモニーでした。「群を抜いて下手です」がツボでした。
今泉監督×城定脚本の「猫は逃げた」を観に行けなかったのは2022年最大の後悔だ...。



第13位 「さがす」
🏆【最優秀じっとり映画賞】

前作「岬の兄妹」で確かに邦画史にその名を刻んだ片山慎三監督の新作。人間の醜さや弱さが詰め込まれた、目を背けたくなるくらいのじっとりとした濃厚な人間ドラマから目が離せませんでした。
これ、内容もかなりきついし終わった後はしばらく席が立てなくなったくらいだけど、観てよかったー!これは最高に幸せで最高に嫌な疲れ方だ!と不思議な気分になりました。
これはもう皆絶賛の嵐だと思うけど、ラストの親子の卓球のラリーのシーンは今年ベスト級に素晴らしいラストシーンだったのではないか。



第12位 「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」
🏆【最優秀こだわり賞】

私の愛してやまないウェス・アンダーソン監督の待ちに待った新作!ですが、実はスクリーンでウェス作品を観るのはこれが初めてでした。
なんというかこれまでにも増してより細部までウェスのこだわりが強くなってる気がして、この世界にいつまでも浸っていたかったです。
今回も仲良し超豪華キャストを集めての布陣で、全パートしっかり面白かったけど、皆大好き裸のシモーヌと変態画家のパート、ここはやっぱ群を抜いて面白かった。レア・セドゥの美しさに全人類がひれ伏すこと間違い無しです。



第11位 「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」
🏆【特別体験賞〜チャドウィック・ボーズマンに感謝を込めて〜】

無音で流れるMARVELのお馴染みのタイトルの鑑賞客の花を啜る音が鳴り止まぬオープニングから始まり、劇場の鑑賞客全員で先代のブラックパンサー、チャドウィック・ボーズマンを追悼するという唯一無二の特別な映画体験をすることができました。こんなに静かな映画館は初めてで、エンタメ映画と言えども体に力が入ってしまいました。
壮大な映像美に私たちの心は癒されていくのかと思いきや、お茶目な現代っ子だった少女が全てを失い復讐の鬼と化すなかなかベビーな展開。最後はなんとか上手くまとまったけど、シュリには色んなもの背負わせずに自分の道を生きてほしいなと心から思うばかりです。



第10位 「コーダ あいのうた」
🏆【最優秀“良い映画”賞】

2022年、これ程までに「良い映画を観た〜!!」と観客全員が心から言える映画が他にあっただろうか。映画好きな人もそうじゃ無い人も、誰にでも好きなジャンルってあると思うけど、その全員の感情に無条件にぶっ刺さる超絶良い映画だったと思います。
実際にろう者であるトロイ・コッツァーがアカデミー助演男優賞を受賞したこともあって、歴史的にも意味のある作品になりましたね。彼以外にも実際にろう者の俳優陣を起用してて驚くほど完成度の高い仕上がりの映画でしたが、主演エミリア・ジョーンズの完璧な手話と透き通る歌声には脱帽です。あと、これはもう皆語り尽くしてると思うけど、発表会の無音のシーンは今年1、2を争う名シーン。



第9位 「偶然と想像」
🏆【最優秀監督&脚本賞(濱口竜介)】

2021年公開の映画だけど、年が明けてから観たのでランクインさせていただきます。「ドライブ・マイ・カー」で世界に才能がバレてしまった濱口監督ですが、この作品でもまた持ち前の言葉のセンスが巧みでした。
3作からなるオムニバスですが、どの話も会話がむちゃくちゃ面白い。日本語って良いなぁ、日本語って面白いなぁと心から思える作品。独特な会話のテンポがクセになり、この日常的でありつつ摩訶不思議な世界に吸い込まれていきます。あの教授、幸せになってほしいなぁ。



第8位 「女神の継承」
🏆【最優秀地獄絵図賞】

衝撃を受けました。今まで観たホラーの中でも1、2を争う怖さでとんでもない恐怖体験でした。
前半から不気味な雰囲気で進んでいきましたが、後半の畳み掛け方は地獄絵図なんてもんじゃない。ものすごい勢いで邪悪が押し寄せてきます。
凶悪な悪霊の前では我々人間はひれ伏すことしかできず、救いなど1ミリも無いことが身に染みて分かりました。常識を軽々と破壊し、間違いなくホラー映画史にその名を刻んだタイ産「継承」ホラー。



第7位 「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」
🏆【最優秀美術賞】

13年ぶりのアバター続編。何と言うかもうキャメロンの映像の技術がカンストしてますね。パンドラの質感を感じ、美しい水の中に吸い込まれる夢のような3時間12分でした。
まずナヴィ族の肌の質感が凄すぎる。前作とは比べものにはならないくらいのリアル感。もうあっちの世界が現実としか思えず、ここまでやられると流石にパンドラは実在すると思います。
伏線が回収されないまま終わる部分もあり、キャメロン監督は本当にアバター5?(8という説もあり)まで作るおつもりだ、、、と狂気を感じました。



第6位 「トップガン マーヴェリック」
🏆【最優秀男優賞(トム・クルーズ)】

ヤバすぎる...ヤバすぎる...ヤバすぎる....!!
しか言えなくなるほどの考えうる全ての胸熱展開が詰まってました。
かつてこれ程までに完璧すぎる続編があっただろうか。多くを語る必要のない作品ですが、自身の全てを捧げたトム・クルーズの覚悟には感動せざるを得ませんでした。カッコ良すぎるぜ、、、。
「だが、今日じゃない」には世界中の映画ファンの心が熱く燃え上がったことでしょう。



第5位 「窓辺にて」
🏆【最優秀純喫茶賞】

今泉監督最新作。たまらなく好きな映画だった。
まず配役が完璧すぎました。俳優陣全員が持ち前の個性を発揮しており、ここまで俳優を活かせる今泉監督に惚れ直しました。稲垣さん、玉城さん、若葉さん、志田さん、穂志さん、etc...全員の魅力が爆発して、パーフェクトじゃない人間たちが織りなすとってもパフェな映画です。
純喫茶と稲垣吾郎と玉城ティナ。この空間がとにかく素敵すぎて、ロケ地の喫茶店「珈琲亭ルアン」にも実際に足を運んで珈琲を飲んできました。パフェは食べてないけど。



第4位 「MEN 同じ顔の男たち」
🏆【最優秀ビジュアル賞】

今度は何を見せてくれるんだというワクワクと、アイツらが襲って来るゾクゾク、そしてアレックス・ガーランド監督による魔法のような映像と不気味な音の妙。清々しいほどに打ちのめされた映画でした。
「同じ顔の男たちが襲って来る」というのは二次的な要素でしかなく、もっと恐ろしいのは無責任に綿毛を撒き散らす男、女性に全てを背負わせるメンヘラ男でした。ラストにかけてのヤツらのビジュアルは強烈すぎました。こんなぶっ飛んだストーリー、どう生きてきたら思いつくんだ。



第3位 「ちょっと思い出しただけ」
🏆【最優秀恋愛映画&圧倒的最優秀邦画賞】

最高の恋愛映画に出会ってしまった。別れた恋人との記憶をひょんなことからちょっと思い出す1日。嫌いになった訳でも無いし、ヨリを戻したかった訳でも無いけど、二人の何でも無い日常のやり取りをしみじみと思い出す。何て素敵で愛おしい映画なんだろう。
主演二人の自然な演技に脇を固める渋い俳優陣、ジャームッシュリスペクトの演出に我らがクリープハイプの贅沢すぎる選曲。全てが完璧な映画でした。ex.ダーリンが流れる中で二人がダンスを踊るあのシャッター街、高円寺を歩いてたらたまたま見つけて大興奮しました。



第2位 「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」
🏆【“俺の青春”賞】

私は幼い頃からスパイダーマンが好きだった。小学生の時からトビー版をDVDで何度も何度も観てたし、中学生の頃はアンドリュー版を映画館で観て大興奮してた。そんな私にとって今作はまさに夢の中にいるような体験で、スパイダーマンを好きになって良かった、映画を好きになって良かったと心から思える最高のエンターテイメントでした。
大いなる力に、ちょっと大いなる責任伴いすぎやろ、、とも思ったけど、もう細かいこと言うのは無しよ。ピーター1、ピーター2、ピーター3、皆大好きだ!!



第1位 「THE BATMAN ザ・バットマン」
🏆【最優秀作品賞】

あんまり知られてないミニシアター系の映画とかを1位にして映画通ぶりたかったけど、1位と2位がヒーロー映画というガキっぷり。でも自分に嘘はつけません。文句無しにこれが一番面白かった。ヒーロー映画とは言えども、「男とはどうあるべきか」を示してくれた若きロバートバットマン、最高にカッコ良かったです。
「ダークナイト ライジング」以降、私の中でバットマンは死んでしまっていましたが、待ちに待った本物のバットマンが帰って来てくれたようです。こんなに闇が深くて厨二なバットマンが私は観たかったんだ。男心をくすぐる厨二演出の数々が刺さりまくりました。燃え盛る炎の中からバットモービル飛んで来て、逆さになった視界からゆっくりと歩いて来るバットマン、、くぅぅ、痺れるぜ...!






以上。これが私が2022年に鑑賞した新作映画全46本です。書いてたらめっちゃくちゃ長くなってしまったけど、もしここまで読んでくれた人がいたら凄くありがとうございます。
2023年もいろんな良い映画に出会えることを期待して、皆さん頑張って生きていきましょうね。それでは、また会う日まで。

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