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生活保護ケースワーカーになってよかったこと

私はかつて、県職員として「郡部福祉事務所」に勤務し、そこで生活保護ケースワーカーをしていました。
生活保護と行ったら、身近な市役所がやっているイメージですが、福祉事務所が必置性ではない町や村では、県が生活保護を実施できる福祉事務所を設置しています。
(※福祉事務所を設置している町や村もあります。これらの場合は、市役所同様に役場が生活保護を実施しています。)

生活保護のケースワーカーをしていて、気が滅入った!?ことが多いのですが、その反対に、やってよかった!みたいなことを挙げます。


1.福祉制度全般に詳しくなれる。

生活保護は「他法優先」という原則があります。
他の法律で援助ができる場合は、その法律が生活保護に優先する。という原則です。

他の法律の活用について(他法優先の原則)
他の法律による援助を受けることができる場合には、生活保護より優先します(各種年金法・健康保険法・身体障害者福祉法・児童福祉法・老人福祉法など)。
また、扶養義務者からの援助も生活保護より優先しますので、仕送りや養育費、慰謝料などをもらえる可能性について確認する場合があります。

生活保護について - 十勝総合振興局保健環境部社会福祉課

生活保護を行うにあたっては、この「他法優先」をうまく使えないといけません。
上記にあるように、年金、健保、障害福祉、児童福祉、老人福祉に精通していないとなりません。
配属当初は、ここまで覚えないとならないのか!?と戸惑いました。ただでさえ生活保護制度が複雑なのに、他でできることは、他でやるのか。全体像が掴みきれませんでした。
ただ、餅は餅屋。私は自分で調べるより、その道のエキスパートに聞きまくりました。
年金なら年金事務所。健保なら健保に照会。障害福祉・児童福祉なら役場でもやっています。老人福祉もです。児童福祉であれば、同じ事務所に児童相談所があったので、そこにも聞きまくりました。
こうすることで、いつしか福祉制度全般に、広く・薄く知ることができました。少しでも知識があれば、あとは紐解くことがとても早くなります。

2.人との関わりを広く持つことができる。

上記1.と連動しますが、生活保護行政に関わると、様々な機関の方々と広く関わりを持つことができます。
年金事務所職員、役場職員、包括支援センター職員、社協職員、介護施設職員、病院職員、地域の方々、それに就労先の雇用主、住んでいる借家の大家さん、頼みの綱の親類、支援者とか・・・と例を挙げるとキリがありません。
その人の生活に関わる業務なので、関係する人はとても多くなります。
これらの人たちを広く関わりを持てると、業務で煮詰まっても、相談をすることで、解決に近づくことがあります。
困り事があって、出会う人に相談し、物事が進むことは、例えはよくないですが、まるでRPG(ロールプレイングゲーム)です。
自分も、業務が大変で嫌だったので、もうRPGをしているんだ!攻略法を探しているんだ!次は誰に話せばヒントが出るんだ!という感覚で、業務を楽しんだ?経験があります。
物事が解決したり、知識が増えるとなると、自分の「経験値」が上がることを肌で感じ取れました。

3.職場には頼りになる仲間ができる。

生活保護関係に配属になると、同じような業務をするケースワーカーが多数います。担当する地区は違えど、やっていることはだいたい同じです。
自分では困っているケースがあっても、他のケースワーカーに相談すると、「そのような時は、ああしたよ。」、「こうもやれるよ。なんなら、◯◯病院の相談員さんに言っておこうか。」、「生活保護手帳にこう書いてあるよ。」とか、具体的なアドバイスや解決法をすぐに共有できます。
業務が属人化しやすい行政の職場ですが、生活保護は、少し別と思います。


また、同じような業務をしているので、つらさや大変さをとても共有しやすいです。
上司も、大変な業務をしている!ということで、面倒も手厚い?ような気がしました。

これらが主に「生活保護ケースワーカーになってよかったこと」ですかね。
意識低い。とか言っているのに、キラキラした記事になってしまいました。

たまには明るい話をしないとね。じゃあ、また生活保護ケースワーカーやる?って言われたら、今の自分なら、全力で拒否しそうですが。

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