会社を辞めたいと思ったら
column vol.1202
「5月病」ということもあるせいか、最近は「退職」についてのニュースが多いと感じます。
今のご時世、「石の上にも三年」という考えは通用しません…
ちなみに、株式会社NEXERが運営する転職・働き方・キャリア構築などの知識を発信するWebメディア『キャリアバイブル』が、「新卒入社した会社に在籍した期間」に関する調査を実施したところ
8割強の人が新卒で入った会社を「退職、もしくは転職している」ことが分かりました。
〈まいどなニュース / 2024年5月7日〉
また、厚生労働省が昨年10月に発表したデータによると、2020年3月に卒業した新規学卒就職者の入社3年以内の離職率は32.3%。
若者の離職が目立っています。
退職理由の1つに「配属ガチャ」があると聞きます。
配属ガチャとは、新入社員や異動者がどの部署やチームに配属されるかが運任せのように決まることを指す言葉。
…確かに、必ずしも希望した部署にいけるわけではないので…、期待通りにならず、落ち込む気持ちも分かります…
一方、経営学者で、東京大学大学院経済学研究科講師の舟津昌平先生は、「ガチャ」の考え方に「待った」をかけていらっしゃいます。
〈東洋経済オンライン / 2024年5月8日〉
上記記事は、ガチャの概念を変えるだけではなく、「モノは考え方だ」と思わせてくれる内容。
〜というわけで、本日は「会社を辞める」その前に。
ぜひ読んでいただきたいお話をさせていただきます😊
1位は未来の1位ではない
「ガチャ」というからには「アタリ」と「ハズレ」があるわけです。
配属ガチャでいえば、「希望の部署」。
しかし、舟津先生は、「そのアタリは、本当にアタリなのか?」と問いかけていらっしゃいます。
先生は、「婚活パーティー」を例に挙げて、アタリへの問題提起をされています。
…なるほど…
…私もモテない男として生きてきたので…、この絶望感のある光景は目に浮かびます…
一方で、先生はこのように仰っています。
…確かに、イケメンが幸せにしてくれる保証はありませんし、その方が20年後も、30年後もイケメンである保証もない…
逆に、最初はそんなでもなかった人と、「なんか気が合うから」ぐらいの気持ちで付き合って、結婚してみたら、予想以上に性格イケメン&愛妻家で、しかも仕事でも大出世するかもしれません。
つまり、アタリかハズレかは、未来になってみないと分からないというわけです。
ちなみに、私の知り合いに、優秀な営業マンだった方が上司と衝突して、マネジメント部署に異動させられたという話があるのですが
その部署でも一生懸命がんばったことで、その後、子会社の社長に抜擢されたという成功談もあります。
ちなみに、抜擢の決め手が、営業経験だけではなくマネジメント経験もあったことだったのです。
つまり、どんなところでもクサらず、一生懸命にやれば、アタリに変わることもある。
また、希望していなかった仕事が、実は自分に合っていた、な〜んてことも往々にしてあるのです。
「止める」と「見える」
つまり、冒頭の「モノは考えよう」という話なのですが、自分がそれまで信じて疑わなかったことも、1つの気づきでガラリと180度見方が変わる。
配属ガチャ以外でも、人間関係のストレスにも当てはまるでしょう。
例えば、
という思いです。
こんな時は自分だけ損している気分になる方は多いのではないでしょうか?
そして、積もり積もって、「こんな会社辞めてやる〜〜」となってしまう…
しかし、『細分化して片付ける30分仕事術 』の著者で、時短コンサルタントの滝川徹さんは、そんな想いに「待った」をかけます。
よく、明確に担当が決まっていない仕事があると思います。
そういう時、「誰もその仕事を拾わないから、私がやらないと」と、できる限り拾ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
滝川さんもそうだったらしいのですが、思い切って止めてみると
…ということに気付かされたとのこと…
…つまり、同僚の方々から「積極的に拾いたい人」と思われていたわけです。
遠慮されていたとも言えます…😅
…実は私も若い頃、まさにそういう人でした…(汗)
でも、カフカの『変身』を読んで、そんな自分に気付かされました。
主人公のグレゴール・ザムザの収入に依存していた家族が、彼が虫に変身してしまったことで、父親は仕事に復帰し、母親と妹も働くようになる。
そして、家族は以前よりも自立心を持ち、活力を取り戻すという皮肉な様子が描かれています。
最近は、周りを頼ることも才能だと思いますし
競争心を捨てた「心の成熟」がなせる技だとも感じます。
と思った時、少し角度を変えると見えてくる景色があることは、常に心に留めておきたいところです😊
「大人の職業体験」に注目
〜と、ここまで精神論的な話が続きましたが、「モノは考えよう」と思えるには、心の成熟が必要です。
自分自身も、若い頃には、こんな風には考えられませんでした。
というわけで、企業側の努力も必要となります。
今の仕事の良さや面白さ、その価値に気づくきっかけを提供する。
そこで、注目しているのが、仕事旅行社の「大人の職業体験」です。
こちらは、参加者が自分の仕事そのものを改めて見つめ直し、新しい価値観や向き合い方を発見してもらうことを目的にした研修旅行となっております。
〈JBpress / 2024年5月17日〉
普段の職場環境から離れ、全く異なる職種の仕事に従事してもらう。
例えば、ネイチャーガイドの職業体験に参加すれば、彼らの自然への深い愛着と情熱に心を打たれるわけです。
確かに、こうした職業は「仕事」を超えた人生そのもの。
「好きを精一杯楽しむ」ということの本当の意味に気づかされることになるでしょう。
実際、大人の職業体験に参加した方々からは
などといった声が挙がるそうです。
当社でも、離職した社員から「辞めて、その良さが分かった」と言われることが多いですし、実際に出戻り社員もいる。
今は、選択肢も多い世の中ですし、一社でずっとやっていくという時代でもありません。
そして、何といっても少子高齢化という課題もあります。
最近はアルムナイ制度を採用している企業が増えましたが、いかに出戻りしやすい環境を整えるかも考えていかないといけないでしょうね。
企業側の柔軟な姿勢も求められますね。
〜というわけで、本日は「退職」をテーマに語って参りました。
別に辞めるまで思っていなくても、「ハズレ」と思っている場合は、ハズレの中にアタリを見つけてみると良いかもしれません。
もちろん、そのアタリが大したことなければ辞めましょう(笑)
本日も最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
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