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現場から、 ~TBS NEWS~

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TBSテレビ報道局が運営するnoteです。記者個人noteやNEWS23スタッフnoteなどをまとめています。公式WEBサイトはこちら→http://news.tbs.co.jp
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#子ども

どうなる?12歳未満の新型コロナワクチン接種…🇺🇸9歳治験者に聞いた

アメリカ中西部ミズーリ州に暮らすハナ・リッピーさん(9)は8月に1度目、9月に2度目のモデルナ製の新型コロナワクチンの接種を受けました。まだ12歳未満は接種の対象になっておらず、臨床試験に参加しての接種でした。なぜ治験者になったのか?不安は?そして副反応は?ハナさんに聞きました(2度目接種1週間後の9月22日にZOOMで取材)。 (ZOOM取材に応じるハナさんと母・カレンさん) ワクチン臨床試験に参加の経緯ハナ・リッピーさん(9歳、以下ハナさん): 友達のお母さんが看護師

夏休み明けがつらい子どもたちへ TikToker 聖秋流さんからメッセージ

夏休みが終わり2学期が始まるこの時期「学校に行くのがつらい・・・」というみなさんへ― 自身も“生きづらさ”を感じ「学校にほぼ行っていなかった」と語る、TikTokの人気クリエイター・聖秋流さんからのメッセージです。 また、“居場所がない”とつらい思いをしている人たちにはLINEなどSNS上でも相談できる場所があります。 TikTokerが発するメッセージ TikTokクリエイターの聖秋流(せしる)さん、20歳。 性別を超えて「なりたい自分になる」動画を投稿し、10代を中

第8回「“いじめゼロ”って本当? 認知件数の多さは子どもを守るために向き合った証」

<近くの学校が“いじめゼロ”なら・・・>文科省「いじめ防止対策協議会」座長を2014年から亡くなるまで務めた、いじめ研究の泰斗・森田洋司(1941-2019)は、「いじめの認知件数は確かに増えてきたが、まだまだ少ない」と嘆いていた。 全国の児童生徒数は、小中高校で約1300万人いるが、いじめ認知は61万件(2019(R1)年度調査)。全体の児童生徒数からすると5%にも満たない。 これだけ国も “いじめ認知を!”と積極的に呼びかけているのに、未だに6校に1校(16.3%)は、「

第7回「いじめ法を知らずに教壇に立つのは、道交法を知らずして運転するようなものだ!」

<急逝4カ月前・気迫の講演> いじめ認知における先生間・学校間・地域間の“格差”や“バラつき”問題を紐解くには「いじめの定義」の話を避けることができない。何をいじめとし、何をいじめとしないか。その境目を、いじめ研究の泰斗、故・森田洋司は、どう語っていたのか。 2019年の大晦日に亡くなった森田は、死のわずか4か月前にも講演をしていた。場所は、兵庫県多可町。この町では2017年5月、当時小学5年生の女児が自ら命を絶つ重大事態が発生した。女児は4年生のころから仲間外れにされたり

第6回「『いじめ認知件数・過去最多』の発表と共に改めて浮かび上がった“認知力の格差・23倍”という課題」

<全体の“認知力”は向上中だが> 2020年10月22日、令和元年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果が文部科学省から発表された。 令和元年度 文部科学省 「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」 文科省初等中等教育局児童生徒課 江口有隣課長(左) 文科省初等中等教育局児童生徒課生徒指導室 鈴木慰人室長(右) いじめ認知件数の増加は止まらず、過去最多を更新。特に小学校では5年前と比べて約4倍になった。 連載3

第5回「加害者と被害者が入り乱れる”流動化”が進行中」

〈2つ目のキーワード〉いじめ研究の泰斗、故・森田洋司(鳴門教育大特任教授、大阪樟蔭女子大元学長、大阪市立大名誉教授)は晩年の講演会で、いじめの現状について2つのキーワードで解説した。 一つ目は、「いじめの一般化」。第3回と第4回noteで詳述した通り、学校生活で、いじめがいかに身近にあるかを表す。そして、二つ目は「いじめの流動化」だ。被害者も加害者もぐちゃぐちゃに入り乱れているという。 その事例を、今、急増中の“ネットいじめ”で見よう。 〈ネットいじめ〉今や高校生のほぼ全員

第4回「コロナで心配ないじめの増加」

<コロナ禍でいじめ増加?>前回はいじめが増加している現状や、子どもたちの学校生活でいかにいじめが身近になっているか=「いじめの一般化」について触れた。 そして今、この増加傾向に拍車をかけるのではと心配されているのが、新型コロナに起因するいじめだ。背景には、コロナ休校やコロナ対応での様々なストレスがある。学校全体をストレスが覆い、子どもたちだけでなく、保護者や教職員のイライラも静かに募っている。 <9割の教職員「いじめ増える」>教職員の悩み共有サイトを運営するNPO法人「教育

第3回「いじめの増加と一般化」

いじめ予防を語る前に・・・いじめ予防のアイデアを皆さんと一緒に見いだし、考え出していく前に、いくつかおさえておきたいことがある。「いじめの現状」と「いじめ防止対策の現状と課題」だ。できるだけその共通認識を持っておきたい。 というのも、いじめに関しては世代を超えて多くの人が直接的に間接的に何かしらの経験を持っている。だから、いじめ防止対策について話し合おうとすると、ついその強烈な個人的経験をもとに誰もが語りがちになる。議論がバラバラになり、収拾がつかなくなる。 (2018年

第2回「いじめ研究の泰斗・森田洋司」

ショックだった訃報電話で夫人から聞いて「えっ」と思わず大きな声が出た。「そうでしたか・・・。それは残念です。お悔やみ申し上げます」。それ以上、何も言えずに電話を切った。しばらく茫然としていた。 いじめ研究の泰斗・森田洋司が亡くなったことを私が知ったのは、今年(2020年)の2月だった。 森田洋司(1941-2019) 写真提供:鳴門教育大学 いじめ研究の泰斗・森田洋司森田洋司は、1941年(S16)愛知県名古屋市に生まれ、1970年 大阪市立大学大学院博士課程を終えると、

連載スタート 第1回「はじめに」

深刻ないじめいじめは深刻な被害をもたらす。子どものときに同級生から受けたいじめは、大人から受けた虐待よりも深刻な精神的影響を残すという研究もある。また虐待と同じように、いじめによっても、子どもたちの苦しみは長くつづく恐れがある。心の傷から大人になるまで立ち直れず、公的機関など誰かのサポートがずっと必要になるかもしれない。命を失ってしまった子、自ら命を絶ってしまった子どもたちもいる。そしていじめは、被害を受けた子どもの両親など、家族に与える苦しみも相当なものだ。 (いじめを苦

「出生前診断」受診者が自ら決断できるようなサポートを

赤ちゃんの遺伝子に異常がないかなどを妊娠中に調べる「出生前診断」をめぐって、24日、大学教授らが、厚生労働省に慎重な判断を求める申し入れを行いました。私たちは、「出生前診断」で予期せぬ結果を突きつけられ、様々な葛藤に直面した夫婦を取材しました。 土肥医師 「赤ちゃんの心臓ね、ここ動いていますね・・・」 この日、ある大学病院で妊娠12週の妊婦に検査が行われていました。胎児の臓器などに異常があるかどうかを調べる出生前(しゅっしょうまえ)診断です。 土肥医師「これ、首の後ろの

新型コロナの影で・・・付き添い制限で子どもと会えない家族の苦悩(2020年5月11日Nスタ)

新型コロナウイルスの感染拡大は、難病などの治療のために入院している子どもたちにも影響を与えています。治療中の子どもたちの多くは免疫力の低下など細心の注意が必要です。このため、病院側は感染防止策として、家族との面会や付き添いを制限せざるをえないのです。わが子と会えない家族たち、それぞれの苦悩とは? 難病と闘う少年と家族 小学6年生の岸部蹴くん。 小さい頃から地元のサッカーチームに入り、運動が大好きです。 元気に見える蹴くんですが、実は小学1年生の頃から難病と闘っています。

「保育園があるから社会が回っている、未来が力強く育っているという自負もあります」。休園すべきか・・・世田谷区の保育園・園長の葛藤。

「私の悩みは、行政からの要請を受けて閉園となった際にお困りになるご家庭が出ることです。その一方で開園している現状は常に感染リスクにさらされています。閉園か開園か、そのジレンマにさいなまれています」 新型コロナウイルス感染拡大を受け、7日、政府により東京など7都府県に緊急事態宣言が発表されました。小学校・中学校・高校の一斉休校が進むなか、保育の現場においては「規模を縮小して実施する」「保育等を確保しつつ臨時休園する」といった方針が政府より示されています。 休園か開園か・・・。

「ヤングケアラー」報道特集より

ヤングケアラーとは、病気の家族の世話や介護を日常的に担う18歳未満の子供を指す言葉で、 日本では高校生の20人に1人とも 言われています。 深刻でありながら、 社会の中で潜在化するヤングケアラーの問題、 支援が進むイギリスの取材も交えて考えます。 精神障害を持つ母と生きて横浜市内に住む坂本拓さん(さかもと たく 28)は、長年、精神疾患をもつ母親とともに暮らしてきた。 母親がうつ病と診断されたのは中学生のとき。中学、高校を通して、精神的に不安定な母親のケアを担ってきた