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簿記3級を受験してみようかなと思ったらみるnote

チャーリーです。

とつぜんだけど、簿記3級うけてきて、合格しました!3級なので入門編とは思いつつ、独学で1,2週間ほどで合格できたので、この記事では、備忘録を兼ねて、簿記3級に合格するためにやったことや、簿記を受験しようと思ったときに考えておくとよさそうなまとめを公開します。

※なお、僕が受けたのは日本商工会議所が主催する「日商簿記検定」になります。

以下に、簿記3級を受験する前にみてほしいフェーズを3つの流れで整理してみました。ひとつずつ説明していきたいと思います。

簿記3級を受験する前にみてほしい3つのフェーズ

  1. 簿記に興味を持つフェーズ

  2. 簿記の試験について知るフェーズ

  3. 簿記の理解を深めるフェーズ

1.簿記に興味を持つフェーズ

まずは興味を持つフェーズ。ここが一番重要で、難しい部分です。そしていきなり手前味噌ですが、結論から言います。とにかくまずはこの本を読んでください。

2021年3月に出版したこの本、書くのに3年かかりました。会計や簿記で出てくる単語を、ぜんぶ同じ図で説明したらわかりやすいんじゃないか?という試みです。

発売開始からいまに至るまで、ずっと全文無料公開しています。正気ですかと言われますが、本当に全て公開してます。なので、以下の記事からすべて閲覧できます。ぜひみてみてください。

そもそも、簿記を勉強する上での一番のハードルは、「つまらない」と感じてしまうことだと思うんです。なんか数字がいっぱいあっていやだなとか、固有名詞たくさん出てきて暗記するのいやだなとか、そういうネガティブな気持ちが、学習意欲を削いでいきます。「学ばなきゃ」よりも「学びたい」と思えるかどうかが、大事な気がします。そのためには、自分をポジティブな気持ちに転換することが必要です。

簿記の資格は、合格すると就職に有利といわれるなど、資格をとることそのもののメリットもうたわれます。しかし資格を取得することだけをゴールとして、興味を持つことをおろそかにしてしまうと、学びが定着しにくく、せっかく学んでもあとで忘れてしまう、みたいなことが起こりかねません。

簿記検定のなかでは一番受験者数が多い日商簿記の受験者数は1〜3級合計で毎年50〜60万人もいるようです。それだけ多くの人が受験しているので僕の周りでも、学生時代に簿記を取得しましたという人は結構いますが、聞いても内容を忘れてしまっている人も多いように感じます(あくまで僕の肌感覚ですが…)。

2021年3月に出版した「会計の地図」という本は、会計の全体像を最低限、シンプルに紹介した、入門の前の入門書としてつくった本です。今回、簿記検定を受けてみて、手前味噌ながらあらためて自分が書いたこの本の存在が大きいことに気づいてしまいました。簿記は、帳"簿"に"記"録するための概念ですが、会計はその簿記を一部とし、多くの概念が登場します。

会社とは何か、どんな存在なのか、会計は何の、誰の役に立つのか、何のために存在するのか、といった根源的な話をまず理解していくと、その後の学習がとてもしやすくなります。

実際に、会計の地図を執筆したことで、簿記のテキストに書いてあることはほぼ意味が理解できました。もちろん細かい話までは会計の地図には書いていないので、すべてに対応するわけではありませんが、全体像を知っていることで、細かい話が出てきたとしても対応しやすい、といった感じです。

なので騙されたと思って、会計の地図を読んでみてください。簿記の資格試験用の参考書がたくさん売っていて、いきなりそうした参考書やテキストを買いがちですが、まず会計の地図を"先に"読むことをおすすめします。

2.簿記の試験について知るフェーズ

次に、簿記の試験について知るフェーズです。

会計の地図を読んで、会計や簿記の世界がなんだかおもしろいのかも、と思えたら、もう半分は合格(?)したようなものだと個人的には思います。

そして、いきなり簿記の勉強に本格的にとりかかる前に、どんな試験なのかを理解しておくと学習効率も上がりやすいと思います。そんな試験の話を2つにわけて説明します。

A. どんな試験か?
B. どうやって試験を受けるか?

のふたつです。

A. どんな試験か?

日商簿記の検定では毎回、三つの大問があります。この試験の構造を理解しておくといいと思います。

第1問(45点):仕訳
第2問(20点):補助簿・勘定記入・伝票記入
第3問(35点):精算表・決算・貸借対照表と損益計算書

と書かれても、受けようと思った今のタイミングではよくわからないかもしれません。それでいいです。

ここでは配点がけっこう重要とされています。第1問が45点、第3問が35点で、あわせて80点です。合格基準は70点以上なので、究極このふたつができていれば合格できることになります。

そういった理由で、試験の解く順番として、

第1問→第3問→第2問

として、最後に第2問を解くようにするといいよ、と受験した方が言っていました。僕も実際そうしました。第2問も大事ではあるので、忘れずにしっかりおさえておきましょう。

ちなみに、受験時間は、60分です。2級では90分。3級の方が短くて案外時間が足らないと言われていたりもするようです。

B. どうやって試験を受けるか?

受験をする際には、ネット試験が便利です。昔は紙での筆記試験だったようですが、さいきんはネット試験があります。しかもこのネット試験、いつでも受験できるのです。近くの会場(テストセンター)を探して、サイトから予約するだけ。僕も家から歩いて10分ほどの場所で受験できました。

ネット試験といいつつ、家で受けるわけではなく、予約をしたテストセンターに時間通りに行って、スマホをふくむすべての持ち物を預けて、指定のパソコンに座り、ぽちぽちすることになります。

ネット試験の問題は、受験者ごとに違うものが出題されるようです。なので同じ会場にいても違う問題を解いています。

必要な持ち物は、電卓のみです。計算をしたりするための紙とペンは与えられます。スマホが使えないこともあり、電卓だけは自分での持ち込みになります。ないと計算がきついので、電卓は持っていくことをおすすめします。

複雑な計算ができるもの(関数機能のある電卓など)は持ち込み不可なので、僕は無印のシンプルな電卓を買いました。↓これです。でもすでに持っていたら買う必要はありません。

60分間の試験が終わったら、ネット試験の場合、その場で自動的に採点され、合格不合格が表示されます。すぐに結果がわかるのもいいですね。

試験については詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

テストセンターの空席照会・予約はこちらから。

ネット試験でも、紙の試験でも、合格した時の効力は変わらないようです。なのでネット試験で受けるのがおすすめです。

3. 簿記の理解を深めるフェーズ

ようやく、簿記の理解を深めるフェーズです。
ここまではある意味下準備です。会計の地図を読み、興味も湧いたし、試験のやり方もわかったけど、実際どう勉強したらいいのよ、という話です。

おすすめ1:Youtube動画

僕がまずおすすめしたいのは、Youtubeの動画です。簿記のテキストや問題集から学びはじめる方も多いと思います。ただ、本よりも圧倒的に学習効率が高いと思ったのは、動画でした。

昔はなかったのだと思いますが、いまは公認会計士の方や、簿記1級まで取得した方などが、Youtubeでわかりやすく簿記について教えてくれています。

ここから、おすすめの動画をいくつか貼っておきます。

まずはたぬきちさんのyoutubeチャンネルです。こういった仕訳問題30問、のような動画がおすすめです。特に、受験直前はこういった動画を2倍速にして見続けて復習してました。

とにかく問題→回答のセットを何度もみていくと、だんだん仕訳が自然と頭に入ってきて、感覚的に解けるようになっていきます。第一問である仕訳問題は前述したとおり、配点が45点で大きいので、よく出るような頻出の問題を何度も見るのをおすすめします。

ただ、前知識なく上の動画をいきなり見ても、もちろんわからないところも多いと思います。もしそのように難しいなと感じ、もっと基礎的なところから学びたいよという人は、以下のような動画で、問題ではなく概念を説明してくれています。
(僕の場合は、このあたりの動画は省いて、最初から仕訳問題をやりながら学習していきました。)

ちなみに、最初に貼った動画には続きの動画があって、より厳選されたちょっとむずかしい問題20問もあります。これもやっておいてよかったと思いました。

たぬ吉さんのチャンネルです。

ほかにも、ふくしままさゆきさんという方のチャンネルでは、全24回の動画で解説されていたり、

ほかにもさまざまな方が動画をあげています。正直このあたりは好みもあると思うので、自分で「簿記3級」と検索してみて、いくつかみて相性良さそうな人の動画をみるのがいいと思います。

おすすめ2:アプリ

2つめはアプリです。簿記に関するアプリもたくさんあるので、自分の好みのものをインストールするといいと思います。iPhoneを使っているので、iPhoneのみのアプリ紹介ですみません。少し調べた限りAndroidの方も同様にアプリがあるので、検索してみてください。

僕がメインで使ったのは、こちらです。

このアプリは、基本無料で、広告を消そうとすると課金が必要になります。僕は無課金でつかわせていただきました。

こんな感じで、どこまでの問題を解いたかが視覚的にわかりやすいです。この画面の仕訳練習というところをタップすると、

このように、さらに分野別にわかれて表示されます。正解できると数字が足されていくようになってます。なので正解できていない問題だけをあとからまとめて解くこともできます。

実際の問題の画面はこんな感じ。

プルダウンの部分をタップすると、このように選択肢が出てきます。金額も選択肢の中から選びます。そして「採点」ボタンを押すと、◯か×が表示されて、解説が出てきます。

最初はひたすらこの問題を解くのが面白くてひたすらやってました。そうするとだんだん、問題の傾向とか、どんな考え方なのかがわかってきて、さらに面白くなりました。

ほかにも、このあたりとか、

このあたりはインストールしていました。あまりできてませんが。

おすすめ3:本

わかりやすい動画やアプリがある今の時代では、本がちょっと見劣りしてしまいますが、それでも、体系的にまなんだり、本として手元にあることの安心感はあるので、1冊は買っておいてもいいかなと思います。

ちなみに僕が買ったのは以下です。Amazonで簿記3級と検索して、レビューがよかったものを選びました。とはいえ、どの本を選んだとしても、そこまで大差はないかなとは思うので、相性あいそうなものを選ぶでいいかなと思います。

僕はKindleで買ったんですが、紙で買っておいてもよかったかなとあとから思いました。紙の方がぺらぺらめくりながらできて、あの話どこに買いてあったけなと振り返りやすい気がします。

動画やアプリ、本を紹介してきましたが、勉強方法は人によってお好きなもので良いかと思います。個人的には動画とアプリをメインにしつ、本を1冊添えておくとカバーしやすいかなと思います。

おそらく正攻法のやり方は、本を1冊最初から最後まで読み切ってから、問題集などで問題をひたすら解いていく、ということだとは思うんですが、そうすると本を読み切るまでに結構時間がかかってしまうので、動画やアプリから入って、どうしても理解が進まないところを本で補う、方が結果的に効率いいかなと、個人的には思います。

・・・

ここまでで、簿記検定を受験するための3つのフェーズ、にそれぞれ分けて説明してきました。

あくまで僕の場合ですが、この簿記の検定を受験するところから先に学んでたら、すぐに挫折してたな…と思います。聞きなれない固有名詞が多く出てきて、暗記しないといけないのかなと思いやすいことも要因にあると思います。

ただ、冒頭にも書いたとおり、会計の地図を執筆したことで、全体像をさきに把握することができたので、簿記の細かい仕訳も面白く取り組み続けることができました。

簿記(というか仕訳)って本当に会社の活動を構成する最小単位だなあと思いました。会社で起こっているさまざまな活動を、スマホでピンチアウトするように寄って見てみると、ひとつひとつの仕訳が表れてくるというようなイメージです。会社や仕事に対する解像度があがって面白いなと。

簿記を理解することで、ビジネスの最小単位がわかる

と思います。この最小単位の組み合わせによってビジネスは成り立っているので、どんなビジネスでも簿記が理解できれば分解して説明できるということです。すごくないですか。

よく言われる「就職に有利」という言説も本来は、

簿記検定に合格する

就職に有利

ではなく、

簿記検定に合格する

会社や仕事に対する解像度が上がる

ビジネスを自分の言葉で語れるようになっていく

就職に有利

みたいな流れが本質的なのではないかと思います。
こうした本質的な流れを獲得していくためには、やはり「やらされ」「学ばなきゃ」による学習から抜け出して、「学びたい」と思えるモチベーションを獲得する必要があります。

とはいえ、仕事をしていて、いま目の前にある事象が会計的にどう理解できるのか、知りたい人もいると思うので、日々目の前で起こる活動を理解したい人は簿記から、マクロな全体像から会計を学びたい人は #会計の地図 をぜひ、手にとっていただけると嬉しいです。

会計の本書いてるくせに簿記もとってなかったのかと言われそうですが、僕はこれまでは全く簿記検定を通らずに生きてきました。なので、会計の地図は会計のど素人である僕が、素人目線で書いた本なのです(とはいえ公認会計士の先生に監修いただいてます。)

基本的に、毎年多く出版される会計や簿記をテーマとした本は、会計の専門家が書いたものが多く、専門用語がどうしても多くなってしまいがちです。それも必要なことなのですが、入門書の前に読む入門書を書けないかと思って書いた本が、会計の地図です。

今回、お正月に、ひまで簿記のアプリをたまたまやったらめちゃめちゃ面白くてハマってしまって、簿記検定というのはこういう問題がたくさん出てくるのか、と興味が湧いてきて、試しに受けてみることにしたことがきっかけです。資格そのものへの興味は薄いんですが、腕試しみたいな気持ちで受けてきました。次は簿記二級も受けてみようかなと今のところは思ってます。

この記事には、僕が3級を受ける前に知りたかった情報をある程度まとめたつもりです。簿記3級を受けてみようかな..と思う人のためになると嬉しいです。

以上です。


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