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屋号「シン・金蝶堂」について

屋号と商標

「金蝶饅頭、金蝶及び金蝶堂」はもともと倒産前に私がご先祖から受けついだ登録商標でした。
それほど広くない地域に暖簾分けや他家含め、金蝶とつくお店が多く、うちのお店は先々代の頃、暖簾分けを多く出したため、「金蝶堂總本店」を屋号としていました。
商標については、倒産の際、鈴木栄光堂様に預かって(買い取って)もらい、喪失を免れました。

「シン・」について

シン・=新、真、心、信、親、芯、深、辛、神、慎、清、伸、進、sin、、、たなる門出を迎え、真心を信じ、しみの中にもをもってく向き合うことは、時にいことですが、のお示しくださるらかな道を、んでびやかにんで行くという決意と、倒産というを背負って尚、復活の好機に恵まれるこの不可思議な現在。これまでの金蝶堂(当家)を再定義するという想いを込めています。もちろん、庵野監督のシン・シリーズからインスパイアされたものです。

園?堂?本家?総本家?総本店?

前述のように狭い地域の中で、金蝶堂、金蝶園、二つの系統があること。総本店、総本家、本家、元祖とか、またご認知頂くうえで、皆が正統性を主張するがあまり、分かりにくくなってきた経緯。
金蝶堂總本店の復活といっても、あまりピンとこない方も多い事と存じます。
お客様や知人の言い間違えを聞くたびに、(随分慣れましたが)モヤモヤした気持ちになるのも(親はいちいち訂正していましたが)、悪気のない人にご配慮を求める忍びなさもあり、これを機に、和菓子屋の店名としては、少し異質なシン・を付けることで、ある人には親しみを、ある人には引っ掛かりをもっていただけることを意図しています。

新しいマーク

栄光堂HDのブランド戦略チームの協力を得て、金蝶のマークもカッコよくシンプルになりました。

不易流行

上記の理由に加え、当店の屋号は、商品との直感性の薄さと流通量の少なさも相まって、現代の商圏に対しそれほどの認知はないと思っています。
印象に残る事が大事と思いますので、あえて、老舗和菓子店としては違和感のひっかかりとしてギリギリの品性と音感。THE FIRST 金蝶堂、金蝶堂リターンズでも、金蝶堂リザレクションでも、Re.金蝶堂でも、金蝶Doでも、金蝶童でもなく、概念としての「シン・」は、一過性と考えるには、その長さ、広さに於いて、現代の日本文化の象徴足る方便になるかもしれないという親和性を持ち、言うなれば、芭蕉俳諧で言う「不易流行」を表しているとも捉えられます。
そして、当然のことながら復活に於いて投げられる賛否両論を受けとめる決意でもあります。

インスピレーションと無為自然

そして私の背景と照らし合わせて、自然な流れであることがとても重要なことなのです。

印象に残る価値の理解

当店の金蝶饅頭は、他店とは明らかに違う温かな雰囲気(ぬくもり)を持っているのが特徴です。
昔からの当店のお客様だけでなく、おかげさまで今回は初めましてのお客様にもお越しいただく機会も増えるであろうこと。そこで、その価値を感じてくださった人の印象に強く残り、おおまかな「金蝶ほにゃらら」というより、「シン・の方」と呼ばれるその時に、その意味を想像する楽しみも含めて、その価値をご理解いただけるような仕事をしていきたいと思います。

背負うという事

この店舗事業は、栄光堂HDのバックアップを賜るとはいえ、個人事業主として独立し、私にとってはとても大きな挑戦です。
社内ではかなり物議を醸しだした新屋号ですが、本気の議論の末、私のアイデンティティとのリンクと、テンションを上げる意図も重要視して、あえて挑戦することになった「シン・金蝶堂」

屋号は変でも、本人は大真面目です。
何卒ご贔屓のほど、よろしくお願い申し上げます。


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