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忖度なき真の報道の役目は果たせているか?

どうして新聞記者になったのですかー。若いころ、よく聞かれた。おそらく記者っぽくなかったからだろう。馬齢を重ねたいまは、逆に自問することが多くなった。なぜ自分は記者をしているのか。もしやり直すなら、どんな職業を選ぶだろうかと。

1位はケーキ屋・パン屋、2位は警察官、3位がスポーツ選手・・・。この春、小学校に入った新1年生の「将来就きたい職業」だという。ランドセルの素材で知られるクラレの毎年恒例の調査である。先週、発表された。

へえと驚いたのは、ユーチューバーがトップ10から姿を消したこと。早くも流行りに陰りか。男女別では、女の子で芸能人や歌手への憧れが再燃しているという。男の子は、研究者やゲームクリエイターの順位が上がった。

人気の職は浮世に流れ、変化する。キャリア官僚を目指す東大生が、大幅に減っているとのニュースもあった。代わっての花形はコンサル会社やIT企業らしい。「霞が関の地盤沈下」との声も聞こえる。世襲の二世賛成がまるで家業を継ぐように国会を跋扈する。地方議員のなり手不足も深刻だ。ここ数年で、全国の34%の町村議選が無投票になるという推計もある。この国の民主主義はどうなってしまうのか。

冒頭の問いに戻れば、私の場合、世の中をよくしたいとの青臭い理由で就職した。それはいまだ、うまく果たせていない。だから、たとえ生まれ変わっても、もう一度やりたいと思う。新聞記者を。

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