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「史上最高の幸福」を我慢して、見えたこと。

“仕事終わりの一杯”

それは、神が人類に与えし、「史上最高の幸福」と言っても過言ではないだろう。(さすがに過言)

体力のギリギリまで働いて、喉がカラカラなのにも関わらず、一旦水を我慢して、キンキンに冷えた黄金の液体を、グビッと身体に流し込む。

この幸福感たるや……
あえて表現する必要もあるまい!! 

待機させし、サッポロ黒ラベル

わたしが、この幸福感を初めて味わったのは、24歳の時だった。

今となっては、居酒屋にいけばとりあえず「生!」と言うことにしているくらいに、「ビール愛」を爆発させているわたしだが、実は、昔はビールが飲めなかった。ちっとも、美味しいと思えなかったのです。

当時はバイトをしなくては食べていけず、220席もある大きなレストランで、朝から晩まで、力の限りに走り回っておりました。

そんなバイト時代、バックヤードで大号泣した、苦しくも大事な思い出は、過去のコラムに書いておりますので、ぜひ合わせてお読み下さい。

『閉店を待つレストランに、立てた誓い』
https://note.com/teradayuki/n/nd8bc05c74ef1

飲食店で働いたことがある人はわかると思いますが、ビールサーバーって毎日洗浄しなければいけないんです。そのため、廃棄になってしまうビールがある。それがもったいないと、バー担当がホールで走り回るわたしたちに、飲ませてくれることがあったんですよね。

その日も、1日中走り回って猛烈に喉が渇いていた。とにかく何かを飲みたくて仕方がなくって、美味しくないと知りながらも、目の前に差し出されたビールを、グイッと飲んだんです。すると……

なんだこれ!
めっちゃ、美味しいやないか!!

わたしが、仕事終わりのビールの美味しさを、知った瞬間でした。

あれから10年ほどの月日が流れ、先日、ハードな日がありました。
朝の6時に起きて、8時過ぎには現場に行き、夜の7時まで撮影を! そこでも喋りまくったのですが、さらに21時からは、コミュニティの生配信もあったのです。

撮影が終わり、帰宅を急ぐ帰り道。すでにビールが飲みたかった。居酒屋に駆け込みたかった。でもまだ、飲めない!

そこでわたしは、ビールを買って帰ることにしたんです。もう10年以上、仕事終わりのビールを楽しむ自分と付き合っているんだ。いつ飲むビールが美味しいのかは、熟知している。

無事、サッポロ黒ラベルを冷蔵庫に入れ、生配信をスタートさせたのでした。

そして、数時間後。
さあ! ついに仕事終わりの一杯を楽しめる!!

……が。
結局その日、黒ラベルをプシュッとすることはなかったんですよね。

未来のために、勝つ

その日にやっておきたい仕事が、生配信を終えてもなお、残っていたんです。

次の日に回すこともできたけど、1つでも進めることができたら、明日以降の自分が大喜びしてくれる。そうわかっていたわたしは、ビールを飲みたい欲を抑え、仕事を続ける道を選んだのでした。

「史上最高の幸福」に、わたしは勝ったのだ!(過言でもめげない)

もちろん、時にはご褒美も必要です。ご褒美のために仕事を頑張るということもまた、必要だと思う。

でも、未来の自分を創るのは、いつだって、自分だ。

ビールの美味しさを知ったように、「自分の人生は、自分のものだ」ということもまた、大人になって強く知ったから。

欲望に打ち勝ち、今日をもう少し頑張る。そんな日々の積み重ねで、未来はきっと、少し明るくなるよね。

「仕事終わりの一杯」を、楽しむ日と、我慢する日。
うまくバランスを取っていきたいものですね。

ほなまた、来週!


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