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「宇宙生成の記憶」 

一万三千年前の遥か宇宙
無限遠点の向こう側
ぼくときみは出会った。
北極星の
柱の周りを
ぐるぐる周り
きみは未来へ
ぼくは過去へと
旅立った。
宇宙生成の記憶を携えて。

今ぼくが見ている景色は
その生成の記憶。
花の匂い
奏でられる音
柔らかな木綿の手触り
全て懐かしい記憶。

北極星の向こうにいるきみを
時々思い出す。
北斗七星がぐるぐる周り
ペテルギウスがキラリと光る。

ぼくは意識の一本の線になって
くるくる回る。
そこにトキとトコロの糸が紡ぎ出る。
きみが見ていてくれるとわかるから
ぼくは一生懸命くるくる回る

一万三千年分の
記憶の糸を巻き取って
また旅に出る準備の時。

記憶の糸で紡がれた
繭みたいな乗り物で
柱の入口を見つけ
細い道を進んでいく。

またきみと出会う。
柱を周り
記憶の交換が始まり
交わり
織り上げる
ぼくはきみの未来へ
きみはぼくの過去へと
旅立っていく

一万三千年のトキ トコロ
紡ぎ出し巻き取るまで
北極星はキラキラ光り
北斗七星はくるくると



私は懐かしい氣持ちで
川の向こうにいた
あなたのところに
小舟を漕いだ。
河原はとても静かだ。
やんわりと霧がかかり
薄っすらとあなたが見える。

ここはあなたの記憶の中なのか?
それとも私の記憶の中なのか?
ここはあなたと私の記憶
記憶のカケラ
星ボシのカケラ


そしてまた旅が終わったら
美しい川の
ほとりで逢おう


              おしまい


ご一読ありがとうございました🌟
最後の一文は諏訪之瀬島の詩人、長沢哲夫さんの詩より引用させて頂きました💫


「そして旅が終わったら」
やわらかな太陽のこめかみから
世界のひもが湧き出てくる
水が築くわらぶき小屋
その戸目に一匹の魚が泳ぐ
その奥の暗がりにも
二匹の魚は果てしなく旅をつづけている
小屋の前には花々が咲き乱れ
と思う間にコンクリートの巨大な
ゴミがそそり立つ
かねてあった時の流れ
今はうっそうと霧がたちこめている
ふとたちよる小舟には
ガラス張りの海と
ガラス張りの記憶の海が積まれている
そのはずれにはいつも 
こわれかけの高速道路が
行くあてもない車の列を
乗せころがっている
地図には“生きながらえて”とあっても
実際にはただのむきだしの
喉のふるえがあるだけだ
さらには“しあわせ”などという地点は
実際には水色の顔の傷口に行き来する
一匹の華麗なやもりの鳴き声なのだ
“仕事とか食うとか飲むとか楽しむとか”
みごとに力強く記されてはいるが
実際には 
真夏の陽盛りに
投げ出された飛べない蛾の羽ばたきだ
おろおろすることはない 
世界はもぬけのからだ
ふり返らなくともいい
心はつぎつぎに水に溶けていってしまう
出かけよう
そして 
旅が終わったら 
美しい川のほとりで会おう

長沢哲夫、作


ナマステ✨✨🐉
💫𓆡💫



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