THE DAYな日常 DAY29 最終回

村ガチャ作業

昨日に続き、ガチャ詰やお土産村ガチャの組み立てを行った。作業をしながら、としさんからの1ヶ月の学びの整理ができ、最後のメッセージもたくさんいただいた。

優れるよりも、大きく異なる

異なる=ユニークであること。アインシュタインの言葉で、「馬鹿げたように見えないアイデアに見込みはない」とある。優れたものは見飽きてるし、それで目立つのはかなり難しい。としさんが宮坂さんやアソビューの社長など色んな人に面白がってもらえるのは、村ガチャのようなスケールしない馬鹿げたものに全力で取り組んでるのが面白いから。佳一郎は東大卒という、すでに優れた要素あるから反対に馬鹿げたことをしていると目立ちやすい。

ユニークさとは

ユニークさにはこの3つの要素があるととしさんは言う。

・自称世界初

自称でいい。自称でも世界初って思えることは大体世界初だし、そこを厳密に調べるのは不可能。

・遊び心

ちょっと笑える、笑われるくらいのアイデアがいい。その方がやっててワクワクする。原動力はおもしろさ、お金じゃない。原動力がないと確実に続かない。

・やりながら考える

とりあえずで動かすことが大事。とにかくまず手を動かす。やりながら考えたらいい。日本人はしっかり計画して利益が出るとわかってから動き始める性格の人が多い。海外で英語話したいって人が、単語帳買って英会話スクールに通っているが、海外には行ったことがないって言う。まず一回海外で生活してみたらいい。じっくり考えてから出るアイデアは大体誰かが既に考えていることが多いし、初動で遅れてしまう。

このユニークさの考えは、世界で初めて株式会社ができた国、オランダの企業文化からきてる。日本だと例えば牛丼屋は吉野家、すき家、松屋など同じものを扱う会社がいくつかあるが、オランダだと、それぞれ一つずつしかない。日本人は真面目に足し算し始めるので、同じようなものが出来上がる。

白馬で飲食店を始めるなら何をやる?

白馬は今インバウンドが多くて、お客さんが集まりそうだから寿司屋、と考えてしまうが、逆で、誰も来ない店を考えることが重要。

としさんだったら、カメムシ料理屋をやる。誰も来ないだろうが、そこからどうすれば上手く行くか、やりながら考える余地がある。そうじゃないと何したら儲かる?だと初めから完成してしまってるので、やりながら考えれない。

場所非公開の山奥にあり、入り口は汚い、料金は1人8000円で前払い制、メニューは1つ、完全紹介制のレストランを投稿したところ、来たいという人が多く現れた。飲食店としてのタブーを11個詰め込んだそう。普通に考えれば、誰も来ないはずの条件ばかりのレストランなはずなのに、来たい人がいる。こんな発想のしかたが重要。

事業にするとは

TDHを事業にしたい。今の400本では事業とは言えない。1000本になったらギリギリ事業と言える。そこの線引きは、利益がいくらかではなく、組織になっているか。1000本なら、検品や梱包はスタッフが必要になってくるので、個人事業主ではなく、組織になる。

個人事業主ではなく組織にすることが大事。自分が動かなくても事業として進むことが大事。働きたくないとかではなく、その時間で次の新しいことできる。

メインの仕事で保険をかけつつ、副業で新しいやりたいことやる。今はリモートでそれがやりやすい。島ガチャを始めた方は、コンサルの仕事しながら、定住せずにアドレスホッパーで全国を転々とし、各地で人脈を作り、地方のまちづくりの取り組みをしている。

ビッグになるとは

としさんは、自分に、「佳一郎にはビッグになって欲しい」と言う。このビッグとは、ただ年収が高いということではないだろうことはわかったが、具体的に言語化できず、としさんにどういう意味か聞いてみた。すると、「輪の中心にいること」と返ってきた。

ピラミッドで上に上がるのではなく、自分が中心にある同心円上に人が増えていくイメージ。出世するのはその結果であって本質ではない。

としさんが営業部長をしてた時の話をしてくれた。普通の営業部長は下にも降りて来ず、中間管理職に支持するだけ。一方としさんは1日40分必ず自らテレアポとって、ガチャギリされることもあった。後輩にカッコ悪いところも見せる。先輩ガチャ切りされてるじゃないですかーって突っ込まれるようになる。そのような姿勢でいると、輪の中心にとしさんがいる状態になった。部ごとの営業成績発表をとしさんがするので、としさんのために頑張ろうになる。

マネジメントorプレイヤー

佳一郎にはマネジメントする人になって欲しい。出世してマネジメント役職になるわけではなく、あくまでも話の中心として。マネジメントとプレイヤーどっちがいいというわけではないし、優秀だからマネジメントという話でもない。マネジメント側になって、他の人をまとめて仕事することで、より大きなことを実現できる。

なぜ自分がマネジメントに向いてそうなのか聞いてみた。それは素直さがあるからだそう。わからないことはわからないと言える。そして、誰でも受け入れられる姿勢があるのも向いていると感じた理由だそう。

マネジメントにおいて、何歳なっても素直でプライドなくいれるかが重要。別に恥ずかしくねえってスタンスでプライドをいかに下げれるか。人の好き嫌いなく、誰でも受け入れる姿勢も重要。優秀でも好き嫌いはっきりしてる人はいる。

村ガチャ集金巡り

毎月末はガチャに入ってくれている村民の方から、そのお店で使用されたチケットをいただき、代金を支払うという仕事がある。この仕組みのおかげで、毎月一回は必ず村民の方と話す機会が生まれる。しかも営業トークのようないやらしさも全くない。これは村ガチャを始めた時には想定していなかった良さで、まさに「やりながら考える」といえる。

また村ガチャ感謝祭では、村民の方同士の繋がりを作ることができ、今までそのようなつながりがなかったこともわかった。さらに村ガチャの重要な点として、持続可能性がある。基本的に1回500円のガチャのうち、300円をお店に支払っていて、それは原価割れがなく、入れる個数もお店の方へのヒアリングや毎月末に話す際の温度感で負担のないよう調整している。レアチケットはお店からの協賛としていただいている。お店としても、ガチャに入ることで、新規の集客に繋がっていると言う。ガチャを置く側としても、利益率4割はガチャ業界では破格だそう。通常はOEMでは場所代抜いても利益率10%とかになる。自分で金型作っても金型代がかなりかかる。村ガチャは場所代すらそもそもかかっていない(スノーピークのみお支払いしている)。レンタル村ガチャという、ガチャ台ごと貸し出す取り組みも行ったが、これは、イベント主催者側から『レンタルしたいんですけど、いくらで借りられます?」と聞かれるそう。そのレンタル村ガチャの収益が主催者に行くわけではないので、普通は場所代としてとしさん側が払うまである。それでも、村ガチャがイベントのための集客になると言うことで、レンタルしてくれる人はいる。また、ガチャ台を置く場所にもこだわりがある。ただ回れば良いというわけではない。そもそもガチャの原点は、駄菓子屋にある。駄菓子屋にガチャ台が置いてあり、そこから駄菓子屋のおばちゃんと、「お!あたり出たね!」など会話が生まれる。ガチャ台は人に結びついていることが重要。リフト券のデポジット返金機の横に置いたら回るのでは?と自分は思ったが、それは村ガチャとしては大間違いだった。村ガチャはガチャの原点回帰が根底にある。

村内の回遊だけでなく、このような仕組みができている村ガチャだが、初めは飲みの席で、「証明写真ガチャってのがあるらしい。DJ駅長がバズったように、人が旅の目的地になったら面白いよね。じゃあ証明写真の代わりに村民を入れてみるか」という会話がスタート。そこから仕組みをすべて考えるのではなく、まずガチャ台を用意し、入ってくれる村民を集めてとりあえず始めてみた。そこから「やりながら考える」ことで今の村ガチャにまでなった。とりあえず、2年は本気で考える。寝る時以外は常に考えているくらい本気で。それまでは儲からなくてもいい。2年やって、儲かるかもってなって初めて、どう事業にするかを考える。2年と言う期間は、集中力的な限界から決めているそう。それくらい全力で取り組んでる時に、巡ってくる運もある。自分の場合、先日の東大ストリートはその例かもしれない。

今の村ガチャは、まさに「街づくり」と言える。「良い街づくりは建物を建てる事ではなく、人と人を繋ぐこと」と話していた。今回の集金巡りで色々な村内の方とお会いすることができた。やまなみさんやほがらかさんのように、自分がユーザー側でガチャを回して会った方にもう一度会えたのは嬉しかった。

最後のお別れ

昨日も最終日と言っていたが、結局レンタカーを1日延長し、今日が本当の最終日としてギリギリまでとしさんといることができた。「佳一郎これで最後だね」と何度言われたか。モンクリインターン生として、最後の最後まで学ばせてくれたとしさんには本当に感謝しかない。最後にお土産村ガチャを貰い、車を追いかけられながらお別れをした。

この1ヶ月間、一瞬に感じるほど、濃密な時間だった。一生できないだろうし、一生記憶に刻まれる体験をさせていただいた。これを学生の最後に、社会人になる直前に経験できたのも自分の人生において大きいと思う。そして2年後テストライドのために、またとしさんに会いに行く。2年後というタイミングも社会の波に揉まれ、色々経験して、自分の頭を整理するいいタイミングかもしれない。このタイミング含め神がかっている。社会人で辛くなったらこの村ガチャを見て、としさんとの生活を思い出そうと思う。また白馬で帰る場所ができて本当に嬉しい。

としさん、本当に1ヶ月ありがとうございました!!そして避難小屋同居人のかもめさん、ももちゃん、THE DAY CREWのみなさん、TG PARKSのみなさん、そして白馬村の村民の方々、この1ヶ月間ありがとうございました!

2024.02.29
建道佳一郎
THE DAYな日常 完


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?