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骨折りゾンビのモンキーダンス 炎症と共存編

熱海です。生まれて初めて骨折しました。2月上旬に参戦したライブのダイバーの踵が手に接触してしまい、薬指と繋がる手の甲の骨を螺旋骨折してしまいました。

手の甲を骨折してしまうと、右手は人差し指と親指しか使えません。また、大きな力がかかるといけないのでペットボトルを開けるなどの動作にも右手は使えません。固定を外さなければ何してもいいよと言われたのですが、バレエで必要な強さで腕を張ると手の甲に悪い感じがするし、ギターも弾くと目眩がします。右手はバランスを取るために使うくらいがちょうどいいようです。右手を使わずにバレエをしたり、左手だけのジャグリング だけをしていても、右手が反応することがあります。左手を鍛えると、右手を一切使っていなくても10%は筋力増強効果がある「クロスエデュケーション」という現象があります。完全に使わないようにしているとこの効果を実感しますし、脚からも手に教育が為されているのを感じます。

食生活も骨癒合中心に構築することとなりました。骨を構成するカルシウムとコラーゲンを多めに摂っていく必要かあります。とはいえ、コラーゲンはそのまま摂ってもアミノ酸に分解されてしまうので、タンパク質とビタミンCを多めに摂取してたくさん眠って生合成を促すという方向になっていきます。骨折するとタンパク質が800g失われるという説があるようで、この欠損を計画的に埋めていく必要があります。治癒に4週間はかかるのも納得です。人体にとって大がかりな工事であると言えます。ビタミンDとビタミンKを摂るために鮭と納豆も欠かせません。旅館の朝食のようです。

毎日毎日ギリギリまで追い込んで、挙げ句の果てに骨を折るのだから、「はたらく細胞BLACK」のような世界が広がっているような気がします。練習で「自分を追い込む」ためには飲酒喫煙を最低限にする必要があります。油物も食べないようになります。そうするとやはり健康的というか、もう健康オタクになってくるので意外と「はたらく細胞(無印)」の世界に留まれているのかもしれません。

毎日病院で超音波療法を受けるうちに、痛みはだいぶひいてきました。手術も免れ、ギターとバレエは痛みのない範囲で許可が出ました。ギターは骨折前のように練習すると目眩がしてくるので加減しつつ、脱力したピッキングをこの機会に身につけようと思います。
バレエは右手のポール・ド・ブラを割愛し、右手でバーを持たないようにすればある程度できるので、youtubeのレッスンを無理のない動きに改変しつつ自習しています。
ジャグリングは左手と足の動きだけでアクトが作れそうな気がしています。というかもう、両手両足は選択肢が多すぎて、骨折前に少し疲れていました。可能性を広げるために技術を磨いたのですが、頭が追いつかないので整理していきたいものです。右手を使わないという縛りがあるくらいが、シーケンスの「間」やアクトの「構成」と見つめ合うにはちょうど良いのかもしれません。
迂回路だと思っていた道が実は最短ルートだったということが、人生ではよく起こりますね。

熱海でした。

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