見出し画像

コエンザイムQ10驚異の予防効果とお薦めサプリ【前編】

今回のテーマはコエンザイムQ10。
コエンザイムQ10はさまざまな化粧品に美容成分として使われているため、栄養素としての認知度は今一つかもしれませんが、人が活動する上で、そして予防にも絶対になくてはならない成分です。

予防のためには、栄養素の消化、効率よく利用する代謝、病気に負けない免疫を強化することが重要です。
これら消化、代謝、免疫のすべてはエネルギーなしには全く機能しません。

よって、何はともあれエネルギーの産生を高いレベルで維持する必要があります。

そのカギを握るのがミトコンドリア。
細胞の中でエネルギーを作り出すのがミトコンドリアという小器官だからです。

そのミトコンドリアを動かすのがコエンザイムQ10です。
ですからコエンザイムQ10が不足欠乏すると、日常的に疲れやだるさを感じやすく、パフォーマンスが下がります。

それだけではなく代謝、免疫のレベルが低下するので、病気しやすくなります。
この記事では、コエンザイムQ10の役割、効果から、必要量、サプリまで、コエンザイムQ10のすべてを解説します。

記事の内容は、
①コエンザイムQ10とエネルギー
②コエンザイムQ10の予防効果
③コエンザイムQ10の抗酸化作用
④コエンザイムQ10を含む食べ物
⑤コエンザイムQ10サプリを選ぶポイント
⑥コエンザイムQ10サプリの効率的な摂取方法

【前編】では、①〜③をお伝えします。
(記事の文末に動画を貼付しています)

①コエンザイムQ10とエネルギー

最初に、ミトコンドリアでエネルギーをつくる仕組みをシンプルに説明します。今回は、糖質、つまりブドウ糖がエネルギーに変わるまでのプロセスを説明します。

上の図にあるグルコースがブドウ糖のことです。
グルコースはまず解糖系と呼ばれる代謝システムで化学反応を繰り返し、その中で2つのATP(エネルギーのこと)を生産します。

正確には4つですが、解糖系の中で2つのATPを消費してしまいますので、差し引き2つのATPになります。

グルコースは解糖系で最終的にピルビン酸という物質に変換し、ピルビン酸は次のクエン酸回路(TCA回路)という代謝経路に入っていきます。

クエン酸回路を少し細かく表したのが下の図です。

これを見ると、物質と物質の間に栄養素の表記があります。これらを補酵素といいます。

じつは、コエンザイムとは補酵素という意味です。
コエンザイムQ10はクエン酸回路で2箇所に顔を出しています。

クエン酸回路でも2つのATP   が作られます。
(最初の図)
最初の解糖系が差し引き2つなので、ここまでで合計4つです。

クエン酸回路では大量の水素が生まれます。
この水素を利用して、最終段階である電子伝達系という代謝システムが動き出します。

電子伝達系では34個のATP  が生まれます。
つまり解糖系とクエン酸回路を合わせて4つ、電子伝達系では34個なので、
ATPエネルギーのほとんどは電子伝達系で産生されていることになります。

コエンザイムQ10は、電子伝達系で電子の受け渡しに必要とされます。

コエンザイムQ10が不足すと、電子が経路中に滞り、ATP  の産生不足つまりエネルギー不足になります。
このように、コエンザイムQ10は細胞内のミトコンドリアでATP を生み出す際のキープレーヤーです。

②コエンザイムQ10の予防効果

次に、コエンザイムQ10の体内分布を見ていきます。

エネルギー消費量が多い6つの臓器のコエンザイムQ10の貯蔵量を示したものです。

もっとも多いのは心臓。
心臓に続き、腎臓。
肝臓と膵臓が同量で3位
5位が肺で6位が脳。 

1位の心臓は他を引き離して断トツです。
心臓は、毎分平均60~80回(安静時)、その強力なポンプ機能で全身に血液を送り出すので、圧倒的なエネルギー量つまりATPが必要です。

心臓はコエンザイムQ10を最も必要とする臓器です。
コエンザイムQ10を大量に摂ることで心機能の改善が期待できます。

じつはコエンザイムQ10は、元々うっ血性心不全の治療薬として使われていて、化粧品やサプリでの使用が認められたのは随分あとになってからです。

コエンザイムQ10が発見されたのが、1950年代。
1970年代になって医薬品として販売され始め、その後多くの心疾患患者の治療に使われています。

一般食品、つまりサプリとして販売され始めたのは2000年以降です。
ある意味で、エビデンス(科学的根拠)がしっかりしている成分と言えるかもしれません。

コエンザイムQ10は、心不全をはじめ、不整脈や狭心症など心臓疾患の予防に期待できますが、それ以外にも、
・肝臓疾患の予防
・消化機能の改善や糖尿病予防(膵臓)
・腎毒症の緩和
・パーキンソン病およびアルツハイマー病の緩和改善(脳)

など主要臓器の疾患予防に働きます。

③コエンザイムQ10の抗酸化作用

コエンザイムQ10は、エネルギーを生み出す役割以外に、抗酸化作用があります。
コエンザイムQ10の抗酸化作用が働く場所は、自身が存在するミトコンドリア内です。

人は、強いストレスを受けると体内に大量の活性酸素が発生します。
ここでのストレスとは、よく知られる精神的なストレス以外に、身体的なストレスも含みます。

身体的ストレスとは、コリや痛み、疲れや不眠、不調、厳しい暑さや寒さ、昨今著しい激しい寒暖差によるストレスも挙げられます。

活性酸素の影響は、細胞内のミトコンドリアにまで及びます。
その時、コエンザイムQ10がミトコンドリアの活性酸素を退治します。

が、その仕事でコエンザイムQ10の多くを消費してしまうと、本来の仕事であるエネルギーをつくり出す分が少なくなります。
結果的にコエンザイムQ10不足の状態になります。

このことから、ストレスはコエンザイムQ10の大敵であると言えます。
コエンザイムQ10は摂取することも大切ですが、浪費しないことも同じくらい大切です。

コエンザイムQ10を含む食べ物、
コエンザイムQ10サプリについては
【後編】で取り上げます。


【前編・まとめ】

①コエンザイムQ10とエネルギー

コエンザイムQ10は、エネルギー代謝の最終段階、電子伝達系で電子の受け渡しに働きます。
それにより、細胞で生み出すエネルギーのほとんどを産生します。

コエンザイムQ10が不足すると、電子が経路中に滞りエネルギー不足になります。

②コエンザイムQ10の予防効果   

コエンザイムQ10は、心不全や不整脈、狭心症など、心臓疾患の予防に働きます。
が、それ以外にも、
・肝臓疾患の予防
・消化機能の改善や糖尿病予防(膵臓)
・腎毒症の緩和
・パーキンソン病、アルツハイマー病の緩和改善(脳)
など主要臓器の疾患予防に働きます。

③コエンザイムQ10の抗酸化作用   

コエンザイムQ10の抗酸化作用が働く場所は、自身が存在するミトコンドリア。 
活性酸素の影響は、ミトコンドリアにまで及びます。 

そこでコエンザイムQ10を浪費しないよう、
(ストレスマネジメントなど、)活性酸素対策も大切です。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?