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東京マンガレビュアーズ厳選おすすめ漫画レビュー

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東京マンガレビュアーズの三桁を超えるレビューの中でも、面白い!これは売れた!など、特徴的なレビューを編集部で厳選してまとめていきます。ぜひご覧ください。
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#SF・ファンタジー

悪役令嬢に転生したものの意地悪になりきれないおじさんが生まれた意外な理由『悪役令嬢転生おじさん』

【レビュアー/澤村晋作】 今回は、コミックスが発売されるやいなや売り切れと重版を繰り返している『悪役令嬢転生おじさん』をご紹介します。 悪役令嬢とは、意地悪い主人公のライバルのイメージの集合体である そもそも悪役令嬢とは何でしょうか? 一言でいえば、主に乙女ゲームの悪役である高飛車なお嬢様のことです。(乙女ゲームとは、主として女性向け恋愛シミュレーションゲームを指します) 意中のキャラクター(例えば王子など)を射止めるのをゴールとする作品群において、主人公のライバルと

あの国民的漫画「ドラえも○」のジャイア○とスネ○が令和の価値観にアップデートされたら多分こうなる『僕とロボコ』

【レビュアー/上原 梓】 寒さもすっかり厳しい毎日となりましたが、皆様はいかがお過ごしですか?アラフォー独身レビュアーの上原です。 突然ですが、皆さんにご報告があります。 私、好きな人ができました…!! 今日は、そんな彼をご紹介させてください。 ガチゴリラくん(11)です!! 『僕とロボコ』(宮崎周平/集英社)1巻より引用 彼は、週刊少年ジャンプに連載されている『僕とロボコ』の登場人物。主人公ですらありません。 ちょっと未来が舞台のこの作品。小学5年生の主人公

コロナ禍の今こそ語られるべき、寄生生物侵略下における主人公・シンイチの決断『寄生獣』

こんにちは。株式会社コルクの佐渡島です。 今回は、今まさにウイルスが世界を蔓延しているこの時代に、全世界の人に読んでほしいおすすめの漫画を紹介します。 僕の生涯ベストワンの作品でもある、岩明均さんの『寄生獣』です。 この『寄生獣』をもう何回読んだことでしょうか。僕は漫画を読み返すとしたら勢いよく全巻いっき読みしたいので、長い漫画はちょっと苦手なんです。100巻ぐらいの漫画は、さすがに1日で読み返すことができないじゃないですか。でも10巻くらいだと、「よし読むぞ」って決め

【月商1億円超え】ゲームファンタジー漫画の最高到達点を、「.hack」開発者が読み解いてみた『俺だけレベルアップな件』

【レビュアー/新里 裕人】 皆さんこんにちは!ゲーム制作会社「サイバーコネクトツー」の新里です。 私は2002年に発売されたPS2用のRPG、「.hack」の企画・開発を担当していました。「.hack」はオンラインゲーム世界を舞台にしたRPGです。 当時はまだオンラインゲームそのものが世間に認知されておらず、ちょうど同年に発売された「ファイナルファンタジーXI」をきっかけに、日本のゲーム業界でもようやく注目され始めた、というタイミングでした。 なので、このゲームの企画

ダサくて古臭くてウザくて今まで観る気にもなれなかった大嫌いなヤマトの印象を打ち砕いてくれた『宇宙戦艦ヤマト2199』

『宇宙戦艦ヤマト』が嫌いでした。 “苦手”ではなく“嫌い”。ハッキリとそう認識していました。あんな有名な作品を!?名作なのに!?と驚かれるかもしれませんが。あくまで個人の感覚・感想だと思ってください。 そもそもTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』が放映されたのは1974年。私は当時4歳でした。完全に“世代ではない”んですよ。私よりも“上の世代”の方々のモノという印象でした。 ただ、物心ついた頃にはすでにブームのあとの“すごい作品”という印象だけが付いて回っていて。観てないやつは