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〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (November 2023)

2023年もあっという間に終わりを迎えています。
年間ベスト記事も作っているのでお楽しみに….!

さて、今月もプレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉から国籍 / ジャンルを問わずに特にお気に入りのニューカマーを厳選し紹介していこうと思います!

Cardinals (Cork / Ireland)

アイルランドはコルク出身の6人組バンド、Cardinalsは〈So Young Records〉とサインした注目のニューカマーバンド。ダブリンに次いでアイルランドで2番目に大きな都市で活動中の彼らはフォークとシューゲイズという交わらなそうにも聞こえる2つのジャンルから多くの影響を受け、実際のその影響を組み込んだ楽曲を制作している。まだオフィシャルには3曲しかリリースしていないが、最新曲である「Roseland」はアイルランドの伝統的なアイリッシュフォークとオルタナ〜シューゲイズのヘヴィーなギターサウンドをミックスさせ、その上にエモーショナルかつキャッチーなメロディーを乗せており本当にアイルランドだから出てきたバンドって感じで超最高。

HEAL (Barcelona / Spain)

スペインはバルセロナを拠点に活動中のインディーロック・バンド、HEAL。彼らがリリースしたデビューEP『BCN Breakdowns』はBig Thief辺りから影響を感じさせるインディーロック / フォークを中心に少しダウナーでスロウコアテイストも感じさせる楽曲、更にはヴォーカルのLaia Vehíが元々ポップ系統の音楽をソロでやっていたことを活かした少しキャッチーな00年代後半を感じさせるオルタナポップまでを詰め込んだ4曲が収録されている。スパニッシュの響きもちょうど良い具合に馴染んでいてあまり癖を感じさせないのは恐らくヴォーカルが元々ポップシーンでやっていたことも影響していそうだし、それでいて時にノイズを作り出したりシンプルなところにスパイスを加えていくギターも良い味を出している。

くゆる (Japan / Tokyo)

東京を拠点に活動中の5人組オルタナティブロック・バンド、くゆる。ギター3本から鳴り続けるノイジーなギターサウンドはヘヴィーなシューゲイズ系統のアプローチである一方でノイズパンクやシンプルなオルタナっぽさもあるし、最新曲の「こもれび」という曲では初期のきのこ帝国とかにも通じるエモーショナルなものを感じる。この「こもれび」という曲のヴォーカルのメロディーが優しく哀愁漂う海外シューゲイズに近いメロディーと、日本らしい狂気を感じさせるメロディーが交互に入ってくるのが面白いし、MIXのバランスとかも独特で中毒性が高いバンド。まだ3曲しか出ていないけどフルアルバムで聞きたい。

Lexie Carroll (London / UK)

ロンドンを拠点に活動中のSSW、Lexie Carroll。彼女は7歳から作曲活動をスタートし、〈Song Academy〉が主催する「Young Songwriter Competition」という世界中の18歳までの作曲家によるコンテストで3年連続でトップ10入するなど、ソングライターとしての実力を既に証明しているアーティスト。そして彼女自身の透き通った歌声も完璧で、インディーポップからフォークまでポップシーンにも片足突っ込めそうなキャッチーで切ない楽曲を軸に既に様々なタイプの楽曲をリリースしている。インディーフォーク的なシンプルなソングライティングはもちろん、シンセ一つのフレーズをとっても素晴らしい超注目のニューカマーでしょう。

Niiiya (Fukuoka / Japan)

福岡を拠点に活動中の2人組ギターロック・バンド、Niiiya。最新曲「0107」という曲で初めて知ったバンドで、この曲に関しては羊文学とかを彷彿させるようなシンプルなギターバンドな楽曲。この手の楽曲はたくさんリリースされているけど、その中でも生々しさのあるヴォーカルと10代〜20代前半のリアルなモヤモヤをそのまま描写したかのような、映像がそのまま見えてくるようなリリックに魅力を感じたし、他の曲もタイプの違う方向性の曲がたくさんあったので、今後どのようなバンドになっていくのか楽しみだ。

Pocket Sun (Bristol / UK)

マルチインストゥルメンタリスト、SSW、アニメーション・クリエイターなど様々な分野で活躍するGina Trattを中心にブリストルで結成されたバンド、Pocket Sun。Moon Pandaとかを彷彿させるようなドリームポップ〜サイケポップを中心にしたチルサウンドバンドだが、UKらしくソウルやジャズのエッセンスをそのドリーミーなサウンドの中から感じるのがPocket Sunの特徴だ。〈Maison Kitsuné〉で特集されていたのも頷けるサウンド。月夜の光をイメージさせるようなナイトタイムにピッタリなドリームポップで、CrumbNight Tapesといったバンドが好きな人にもオススメです。

srwks. (Chiang Mai / Thailand)

YONLAPAなどを輩出したタイはチェンマイから出てきたドリームポップ / シューゲイズ・バンド、srwks.はSlowdiveBeach Houseといった幻想的で浮遊感のあるサウンドを鳴らすニューカマー。srwks. = Sorrow Weekという意味らしくそのバンド名通り哀愁漂う新曲「Hydrangea」はまさに上記で挙げた2バンドが好きな人には間違いなく刺さるであろうし、香港のLucid Expressとかが好きな人にもオススメできる。もう一つ公開されている「Q&A」ではよりDIIV辺りから影響を受けているのを感じさせるシューゲイズよりのインディーポップでこちらもまた素晴らしい!

Teeth Machine (London / UK)

ロンドンを拠点に活動中のオルタナティブロック・バンド、Teeth MachineはWu-LuThe Goa Expressといったバンドをリリースしている〈Ra-Ra Rok Records〉が送り出したニューカマー。少しアメリカのインディーロックっぽさも感じさせるメロディーの作り方とノイジーなオルタナティブとセンス抜群のアートロックテイストのサウンドをミックスしている。そういう意味ではあんまりロンドンっぽくないバンドで、シンプルなシューゲイズ風味のサウンドを混ぜ込んでいるのも最高だ。

veronicavon (Los Angeles / USA)

LAを拠点に活動中のChris HackmanとXuan Nguyenによるデュオ、veronicavonが鳴らすベッドルームなインディーポップは少しレトロなサウンドを上手く使いこなしていてとにかく人懐っこいし、時には80sっぽさを出したり、Crumb辺りを彷彿させるのようなチルサウドを鳴らしたりと”ベッドルーム・ポップ”という中で色んなインディーポップをキャッチーに心地良く演奏しているのが素晴らしい。元々はソロ活動をしていたというヴォーカルのXuanの声質もこの手のサウンドにピッタリだし、No VacationMen I Trustが好きな人にもチェックしてほしい。

Wishy (Indianapolis / USA)

Hoopsでの活動やソロでも知られるKevin KrauterがManaというバンドを新しく始めたという噂があったが、気づいたらWishyというバンド名に変更されリリースされた2nd デビューEP『Paradise』。このバンドはNina PitchkitesとKevin Krauterを中心に組まれた5人組バンドで、ヴォーカルも2人がそれぞれ担当している。男女ヴォーカルのバリエーションがあるのはバンドにとっては強い武器だし、その中で安定したシューゲイズ&インディーポップを鳴らしている。Nina Pitchkitesがヴォーカルを務めている楽曲はSlow Pulp辺りに近しいものを感じるし、これはこれで最高なのだけど、Kevin KrauterがEPの中で唯一1人でメインヴォーカルを務めている「Too True」という曲がちょっと異次元。このメロディーを書けるのは世界中でKevin Krauterだけだし、彼のソロで「Surprise」という超名曲があるのだけど、その曲に匹敵する。泣ける。

上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!

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