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みらいのメンタルヘルス

明日を切り開く最新の研究に触れれば、未来が見えてきます。ここでは、世界最先端のメンタルヘルス、精神医学の研究を紹介します。一緒に、メンタルヘルスの未来をのぞいてみましょう! 毎週… もっと読む
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記事一覧

うつ病の再発を防ぐ

うつ病は治療し治った後も、再発する可能性がある病気です。

一生のうちに何度も再発するような人もいます。

このように再発を繰り返す人は、どうやったら再発を防ぐかという課題を抱えています。

うつ病が良くなった後も抗うつ薬を飲み続けると、再発の可能性を減らすことができます。

うつ病のガイドラインでは、抗うつ薬を数ヶ月飲み続けることが勧められていますので、日本でも、一般的なメンタルクリニックでは、

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病院で自殺を予防できるか?

日本は世界的に見ても自殺率が高く、これをどう防ぐかが課題です。

しかし、一言に自殺予防といっても、その方法は様々です。

自殺で亡くなる人の理由も様々ですから、これを防ぐ方法もたくさんあるのは当然な気もします。

そんな中で、病院としてできることはないかと模索している人たちがいます。

自殺を試みた人の中には、途中で発見されて救急車で病院に運ばれる人たちがたくさんいます。

しかし、運ばれた先の

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タバコとうつ症状

タバコとうつ症状

最近は、分煙か全面禁煙かといった議論や、新しい電子タバコの登場など、なにかとタバコについての話題が多いですね。

タバコには肺癌や前立腺癌などさまざまな癌の発生率を上げたり、肺を悪くしたり、動脈硬化の原因になったりと多くの有害作用があります。

まあ、タバコを吸っている人も健康に悪いことは分かっていると思います。

ただ、タバコには気分を落ち着かせる効果もあり、依存性もあるので、健康に悪いと分かっ

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笑いの脳科学

笑いの脳科学

みなさんは、日々の生活で笑っていますか?

人間には感情があり、楽しい、おかしいときなどに笑います。

笑いのない生活というのも、味気ないものです。

他にも、相手に自分は楽しいと意思表示するときにも笑います。

話し相手が冗談を言ったときに、「面白い」と言う代わりに笑ったりもします。

また、自分が冗談を言ったときに、それが冗談だと分かってもらうために、あえて笑うこともあるでしょう。

笑いはコ

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嫌われても気にしない

嫌われても気にしない

あなたは、他人の批判や怒り、悪口などの負の感情にどれだけ耐えられますか?

人によってもかなり差があると思います。

他人に少し嫌な顔をされるだけでも、とても耐えられない人もいるでしょうし、逆に何を言われても気にならない人もいると思います。

ただ、やはり多少なりとも他人の反応を気にしてしまう人が多いのではないでしょうか。

こうした他人の反応をうかがうのは、ある意味では必要なことです。

人間は

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妊娠中に抗精神病薬を使っても大丈夫?

妊娠中に抗精神病薬を使っても大丈夫?

薬にはメリットとデメリットがあります。

どんな薬も副作用がありますが、使う意味もあるわけです。

ここが悩ましいところですね。

この薬のメリットとデメリットの関係が、とても複雑になるのが、妊娠している女性に薬を使う場合です。

お腹の中にいる赤ちゃんへの影響を考えなければなりません。

安全性を考えると、できれば薬は使わない方が良いのですが、そうはできない病気もあります。

精神疾患の中でも、

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精神疾患と暴力

精神疾患と暴力

精神疾患といっても色々なものがありますが、まれに、精神疾患によって興奮したり、攻撃的になったりすることがあります。

こうした症状のため、人を攻撃したり、暴力を振るったりすることがあり、時に社会問題にもなります。

ただ、もちろん精神疾患になれば全員が暴力的になるということではありません。

中にはそういう人もいるというだけの話ですから、一括りに精神疾患の全員が危険だと思うのは偏見でしかありません

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精神症状とアルツハイマー

精神症状とアルツハイマー

認知症という病気は色々ありますが、共通の定義がありまして、生活に支障が出るほどの記憶力低下や判断力の障害があると認知症と診断されます。

なので、脳に異常が出ても、記憶力や判断力なんかが問題なければ認知症とは言わないことになります。

認知症で一番多いものは、アルツハイマー型認知症というもので皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれません。

脳にアミロイドやタウといったタンパク質(ペプチド)がたま

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バーチャルリアリティが精神科の治療になりそうです

バーチャルリアリティが精神科の治療になりそうです

バーチャルリアリティ、略してVRが徐々に普及してきていますね。

VRのゲーム機が発売されて話題になったりもしました。

このVRですが、遊ぶ、楽しむという目的だけで使われるわけではありません。

現実の空間を再現できるので、シミュレーションとして使うこともできますし、トレーニングとして使うこともできます。

そして、メンタルの治療にも役立つことが分かってきています。

そもそも、人間は周りの空間

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軍人さんの心のサポート

軍人さんの心のサポート

日本でも軍隊や戦争についての議論が時々ありますが、海外では、あちこちで戦争が今も起きています。

戦地に派遣される軍人さんたちのストレスは大きく、心を病んでしまう方も多くいらっしゃいます。

そうした軍人さんに対し、精神疾患じゃないか検査するシステムがあるそうです。

戦地のストレスに関係する精神疾患ですと、トラウマが関係するPTSDや、うつ病、不安障害やアルコール依存症などがあります。

そこで

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麻薬で麻薬をやめる

麻薬で麻薬をやめる

ヘロインという麻薬をご存知でしょうか?

日本ではあまり話題になりませんが、依存性の強い薬物の一つで、アヘン、モルヒネなどの仲間で、オピオイドという種類の薬物になります。

海外ではヘロイン依存症の方も多いようですが、このヘロイン依存症の治療として、ヘロインから他のオピオイドにすり替えていくといった治療があります。

例えば、メサドンやブプレノルフィンといった、同じオピオイドの中でも毒性の少ないも

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上手に眠る方法

上手に眠る方法

今回は研究論文ではなく、うまく眠るための方法について、アメリカの睡眠学会のホームページを元に解説したいと思います。

こうしたものを、睡眠衛生と言いますが、ようは、しっかり眠るための準備のようなものです。

例えば不眠症の人は、睡眠薬を飲まないと眠れないことがあります。

しかし、医師は不眠症の方に、安易に睡眠薬を使う前に、まずは適切に睡眠の準備をしているかを確認し、うまく眠る方法を指導することに

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LSDが精神科の治療になるかも?

LSDが精神科の治療になるかも?

日本では様々な薬物が禁止されています。

その中の一つにLSD(リゼルグ酸ジエチルアミド)というものがあります。

これは脳のセロトニンという物質を受け取る装置である、セロトニン受容体に作用して、幻覚を起こす薬物です。

セロトニンとは、うつ病や不安障害などの精神疾患にも関係する物質です。

こうした作用を持つLSDですが、依存性は比較的低く、かつては精神科の治療として使えるのではないかと研究され

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脳トレの科学的な根拠

脳トレの科学的な根拠

認知機能とは、記憶したり、学習したりなどの脳が持つ知的な働きのことです。

注意力、集中力も認知機能に含まれます。

この認知機能が少しだけ低下した状態が、

軽度認知障害と呼ばれます。

これは、実生活にはまだ問題が出ない程度で、少し忘れっぽくなった程度の症状です。

認知症の一歩手前の状態で、グレーゾーンという言い方もできます。

さらに認知機能が低下すると生活が成り立たなくなり、ここまでいく

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