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たまのは、あるいは極短詩逍遥。

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山頭火や放哉風の発句集……のはずが、人さまの言葉を勝手に切り取ったコメントやら何やらの収集になってます。
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2015年11月の記事一覧

メタファ

メタファ

橙から赤、紅へのグラデーションに光が透けて過ぎるモミジをみている。
ただ光と物語を感じとればいい。
なのに、感じを表したく言葉を思い浮かべてしまう性。
どの言葉にしよう?
キレイ、可憐、淡い、
言葉にしよう、、、このときすでに、
感じそのものの8割が理性のかなたに行ってしまった。
言葉は理性?
言葉のそのさきは理路整然。それとも妄想?
仕方ないな、こんな感じなのだから・・・

それにしても、あの可

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ねぇ、先生。

ねぇ、先生。

 キッチンの流しに透明なコップを1つだけ置いて、蛇口から細くひねり出した水がゆっくりと淵に近づいていくのを眺めるのが好きだった。

  水がコップの淵にジリジリと迫ってゆく、あの息の詰まるほどに静かな緊迫感がたまらない。表面張力でコップに一瞬だけしがみついて、ほんの少しの間を置いて重力に逆らえなかった水が溢れ出す。わたしは両肘をついて、その光景を眺めている時が一番幸福だった。

 終業のチャイムが

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