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たまのは、あるいは極短詩逍遥。

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山頭火や放哉風の発句集……のはずが、人さまの言葉を勝手に切り取ったコメントやら何やらの収集になってます。
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2016年2月の記事一覧

あの日 あのとき あの場所で(運命と必然と偶然の話)

あの日 あのとき あの場所で(運命と必然と偶然の話)

「あのときのあの出来事が、ここにきてこうなるのか!」
「あのひとは、このためにわたしの前にあらわれたのか!」

と、あとから伏線を一気に回収するような瞬間がだいすきで、それを「伊坂幸太郎メソッド」と呼び、人生におけるとても大きなお楽しみ要素だと思っている。

仕事でも、何年かたってから、全くジャンルのちがう場面で、思わぬ経験が役に立つことがある。

わたしが前職の某チョコレートショップで働いていた

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旅立つ若者よ教えておくれ
外にでる力がない老人に

柵の外から見る夕日は
違うのか

柵の外でもローキックは
通用するのか

旅立つ若者よ教えておくれ
これから見る外の世界を

いつか。老人が死ぬ前に
若者の帰りを待つ老人に

親愛なる若者の旅に
幸あることを祈る老人に

【コラボ作品】テレスコープの姫君

【コラボ作品】テレスコープの姫君



 とても小さな惑星だった。
 泉のほとり、姫君は黄昏に佇んでいた。靴を脱ぎ、艶やかなシルクドレスの裾を持ち上げて水の冷たさを感じている。クロッカス、スミレ、ツバキ、カーネーション。小さな泉の水面は色とりどりの花びらで覆いつくされていた。そして夕焼けの乱反射がすべてを黄金色に染める。吹く風が姫君のしなやかな黒髪を撫で、花びらを宙に舞い上がらせた。

「うつくしい」
 半島の突端にそびえ立つキング

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