１、はじめに

天皇賞（春）は、日本の中央競馬の重賞競走（GI）の一つであり、長い歴史と伝統を誇るレースです。1938年に「帝室御賞典」として創設され、その後1948年に「天皇賞」と改称されました。現在の距離である3200mに定着したのは1939年からで、スタミナと持久力が要求される過酷な長距離レースとして知られています。

天皇賞（春）は、古くから多くの名馬たちを輩出してきました。1957年の第35回大会で優勝したキタノオーをはじめ、シンボリルドルフ、メジロマックイーン、ディープインパクトなど、数々の名馬たちがこのレースで勝利を収めています。特に、2006年の第133回大会でディープインパクトが樹立したレースレコードの3:13.4は、今なお破られていない記録として残っています。

今年の天皇賞（春）は、昨年の菊花賞覇者テーオーロイヤルや、前走の阪神大賞典で圧勝したドゥレッツァなど、実力馬が揃っています。また、昨年の牝馬三冠馬サリエラや、ディープインパクト産駒のディープボンドなども出走予定で、例年以上の豪華なメンバーとなっています。

特に注目したいのは、テーオーロイヤルとドゥレッツァの一騎打ちです。テーオーロイヤルは昨年の菊花賞を制するなど、すでに長距離での実績十分。一方、ドゥレッツァは前走で古馬相手に圧勝しており、勢いに乗っている印象です。世代の新旧対決という構図も見どころの一つと言えるでしょう。

他にも、シルヴァーソニックやブローザホーンなどの実力馬たちが伏兵として存在感を示しており、波乱の可能性も十分にあります。3200mという歴史と伝統のコースで、果たしてどの馬が栄光をつかむのか。スタミナと持久力が試される熱戦に期待が高まります。