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Shady Business ~ シンガポール入国の申請に1万円払った話 ~

世の中には人の弱みに漬け込んだ怪しいビジネスが蔓延してしている。


シンガポール入国準備


2023年2月、シンガポール入国管理局は新型コロナウイルス水際対策の緩和措置を発表し、国は観光客で賑やかさを取り戻した。

そんな中、私も家族と一緒にシンガポール旅行を計画した。

現在私はベトナムのハノイに住んでおり、家族は日本にいる。

水際対策が各国で緩和されていく流れを受け、必要な申請も日々更新されていく。両親はネットでの申請等の操作に疎いため、私が色々調べて代わりにやってあげなくては。という妙な気が入っていた。

調べていくうちに、シンガポール入国の際は「電子入国カード・健康申告書(SG Arrival Card with Electronic Health Declaration)」の提出が必要ということがわかった。

申請方法や情報を調べてくうちに、申請フォームがついたWebページを発見した。そのURLを保存し、旅の栞として作成したPDFファイルに貼り付けておいた。

申請自体はシンガポール入国の3日前に行う。

SG Arrival Card申請

旅行3日前になり、両親とSkypeを繋ぎ、一緒に申請をした。

両親は代理店から航空券を取っていたため、旅行会社からシンガポール入国についての案内をもらっていて、そこに必要な申請の情報及びQRコードがついていた。

しかし、面倒だからと、私が独自で調べて保存しておいたWebページから申請を一緒にすることに。これが逆に1番面倒を引き起こすとは知らずに・・・。

名前や旅券番号など、一緒に各項目を埋めていった。そこでクレジット/デビットカード情報の入力も求められた。

いろんな情報を見ていたせいか、申請に5ドルくらいかかると勝手に勘違いしており、カードの番号とセキュリティコードを入力し、両親にも入力するよう求めた。

簡単なフォーム入力すら手こずった両親にイライラしながらも申請は完了。
その後、「申請を受け付けました。現在内容を精査・申請中です。」との案内がすぐ届いた。

両親にも同じメールが届いたか確認したところ、父親は受け取ったと。母親はまだ。その後、母親はメールアドレスを間違って記入していたと発覚した。

呆れながらも申請をしたWebサイトの問い合わせチャットフォームから現情報告。なぜかTransaction IDを求められた。そんなものは届いていないし、よくわからないと伝えると、チャットではサポートできないからメールして。とのこと。

時間もないし、申請がうまくいかず焦っていたため、言われるがまま、すぐさまメールを送る。その際、現状報告と母が登録した旅行番号、正しいメールアドレスも送り、無駄なやりとりが起きないよう注意した。

カスタマーサポートからの返答を待っている間、私と父親はシンガポール入国に必要なSG Arrival Cardが添付されたメールを受け取った。

問題なく申請が通ったようだ。

しかし、そのファイルを見て違和感が。
ファイルの右上に「ICA」のロゴがある。ICAとはImmigration and Checkpoints Authorityのことで、シンガポール入国管理局のこと。

そういえば、申請もこのICAのホームページからするんだよな?と思った後、自分達が申請したWebページを見てみると、ICAとは異なるページだった。

その後、不安になり入力したカードの取引を銀行アプリで確認すると、
取引履歴:出金 VISIT SG ARRIVAL CARD 9,729円(70USD)

え、こんな取られたの?そもそもカード入力した時、請求されるなんて文言は一言も書いてなかったが?公式ページじゃないところで申請してしまった!

すぐさまそのサイトに連絡をした。

私:
「なんだか請求がされたみたいですが、このページは公式のものですか?」
オペレーター:
「いえ、このサイトは申請のサポートをする非公式サイトです。24時間365日サポートや入力情報の不備確認などのサービスを提供しており、そのサポート料をいただいております。」
私:
「そうですか。わかりました。」〜チャット終了

そうこうしていると、母親のメールアドレスに申請が完了した旨とICAのSG Arrival CardのPDFファイルが届いた。

どうやらサポート自体は迅速な対応をしてくれたみたいだ。

しかし、もうはやそんなことはどうでもいい。
今は現状を把握しなくては。

返金依頼

ICAのページを見てみると、Arrival Cardの申請は無料とのこと。さらに、偽サイトに注意というページを設けてくれてた(涙

Public Advisory On Fake Sg Arrival Card Website

ICA

上記ページにも書かれているように、SG Arrival Cardの申請にはカード情報を求めることはない。

血の気が引いた。自分は何てバカなことをしたんだ。
しかも両親を巻き込んで、まんまとShady Businessに引っかかってしまった。

幸い?偽サイトであっても、送られてきたSG Arrival Cardは本物で、オペレーターがいった通り申請のサポートをしている様子ではある。

これはもう高い勉強代として泣き寝入りするしかないのか・・・。と諦めかけたが、その偽サイトに「Refund policy(返金ポリシー)」の項目を発見。

すぐさまそのフォームに行き、今回の経緯を書いた。

「私はシンガポール入国情報を求めてこのサイトをたまたま見つけました。申請すると70USD請求されたことに驚きました。なぜなら、このような費用がかかるとサイトには一切記載がないからです。これは詐欺であり断じて許し難いものですので、全額返金を強く要求します。」

それから間も無く、サイトから「あなたの返金要求を確認しました。弊社のRefund Policyに則り、全額同じ手段で返金いたしました。返金には1〜10営業日かかります。また、返金がされても送られているSG Arrival Cardは有効です。」

え、こんなあっさり返金してくれるの?
いや、でもこんなビジネスをしている相手だ。本当にお金が戻るまでは油断できない。と思いつつも少しホッとしている自分もいた。

そんなこんなでシンガポール入国日、問題なく入国し、久しぶりの家族との時間を楽しく過ごした。

滞在中、両親の返金申請もすると、同じように「返金しました。」と連絡が。

そして無事、私の銀行に入金がされたのを確認した。
取引履歴:入金 VISIT SG ARRIVAL CARD 9,551円(70USD)

為替レートのせいで200円弱マイナスになったが、大きな被害にならなくて本当によかった。
ちなみに、私の場合はデビットカードで払ったので出金入金は即適用。
クレジットカードで払ったのならば取引の取り消しになるかと思う。

その後、両親も返金を確認した。

Shady Businessに騙されないで

実はシンガポールの滞在先でもShady Businessとやりとりをした。
その体験談は以下記事で紹介している。
Shady Business〜Airbnbでホテル予約をしたらチェックインなしで入れた話〜

旅慣れていたつもりだけれど、ちょっとした気の緩みや情報不足で足元見られると実感した。

今回はすぐに気がついたから対応できたものの、勝手に請求される場合は、普段カードや銀行口座の取引を見ていないと気がつきにくい。

時間が経てば返金も難しくなるため、そういったケアレスな消費者からお金をとっていているのだろう。

旅行代理店を使ったのならば、そこからもらった情報で申請するのが1番。わからなければ確かな情報網(旅行代理店とか)から聞くというのが大切だと改めて思った。

こんな凡ミスするなんて愚かだな。と思ってくれていい。
でも誰でもこのようなShady Businessに引っかかる可能性はある。反面教師にしてください。

これにて一件落着。

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