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組織に合わせたUXリサーチ浸透の取り組み 〜デザイナー編〜

ChatworkでUXリサーチをしている仁科です。
ここ最近は夏野菜のベランダ菜園の収穫を楽しみにする日々を過ごしています。

この記事は、RESEARCH Conference 2023」においてのChatwork株式会社のスポンサーセッションの内容をご紹介します。
盛り込みきれなかった部分を過去記事で補いつつ、セッション内容をご紹介していきたいと思います。

ChatworkのUXリサーチチームについて

まずはChatworkのUXリサーチチームについて簡単にご紹介します。

ChatworkのUXリサーチチームは、今からおよそ1年前の2022年7月、UX/UIデザイナーが所属する「プロダクトデザイン部」の中のチームとして誕生しました。
メンバーのユーザー理解を支援し、意思決定のスピードアップに貢献する」ということをミッションの1つに掲げているため、まずは身近な存在であるデザイナー向けに、UXリサーチの支援や浸透活動に取り組んでいます。

\補足①/
チーム誕生についてはこちらの記事で詳しく触れていますので、よかったら併せてご覧ください。

デザイナー向けUXリサーチ浸透活動

UXリサーチチーム立ち上げ1年で実施した、デザイナー向けUXリサーチ浸透活動のポイントは下記の4点です。

1. ターゲットとなるデザイナーを理解する
2. デザイナーの立場に立って仕組みを考える
3. 結果を考察する
4. 改善する

次の章で一つずつご紹介していきます。

1. ターゲットとなるデザイナーを理解する

UXリサーチ浸透活動のターゲットとなるデザイナーへ、普段のデザインプロセスにおける課題感をヒアリングしました。結果としてはこちらの2点です。

  • UXリサーチの実施タイミングがわからない

  • その結果、リサーチのタイミングを逃し、ユーザー理解に自信がないままUIの決定をしている場合がある

この結果を踏まえて、デザイナーの立場に立って、どうしたら必要なタイミングでUXリサーチの実施判断ができるか、どうしたらその結果をUI決定に繋げていけるかを考えていきました。

2. デザイナーの立場に立って仕組みを考える

「UXリサーチの実施タイミングがわからない」という点について考えていくと、「UXリサーチに慣れていないと、どのタイミングでどんな調査を行うと効果があるかわからないのではないか」という点に辿り着きました。

そこで、既存のデザインフローに、はじめやすいUXリサーチのタイミングを明記することにしました。
今回明記したのは、「ワイヤフレームが固まり、UIの詳細設計を固めていく段階で、ユーザビリティテストなどを検討する」というものです。
すべての施策で必ずしもリサーチが必要とは限らないので、「UXリサーチを検討し、実施可否を決める」という形で組み込んでいます。

デザインフローの「ワイヤフレームが固まり、UIの詳細設計を固めていく」段階に、UXリサーチ検討タイミングを明記

またUXリサーチを通じて「どのようなことが分かるか」を知らないと実施イメージがつかないと考えたため、この段階で使える「調査手法と分かることの一覧」を作成し、合わせて参照できるようにしました。

「ワイヤフレームが固まり、UIの詳細設計を固めていく」段階で使える調査手法とわかることの一覧のイメージ図


このような形で、「どこで・どんなリサーチの検討をするかを考えるタイミング」を明確にしました。

\補足②/
Chatworkのデザインフロー、通称「MONDRIAN」はこちらの記事で詳しく触れていますので、よかったら併せてご覧ください。

3. 結果を考察する

上記の運用を開始し、数ヶ月の結果としては以下でした。

良かったこと🙆‍♀️
・UXリサーチの実施タイミングが明確になることで、リサーチの検討機会が増えてきた
・いくつかの施策でリサーチが実施がされ、UI決定への活用に繋がった

難しかったこと🙅‍♂️
・スピード感が重要な施策では"遅れのリスク"と捉えられてしまい
、UI設計の段階でUXリサーチを実施しづらい

フローに組み込まれていれば検討や実施のタイミングがわかり、実施を検討してもらえることが分かりました。

ですが、スピード感が重要な施策では「なるべく早く効果検証に進みたい」と考えている場合が多く、リサーチの検討をしても「リサーチ結果を待つことが難しく見送りになりやすい」ということがわかりました。

\補足③/
UI設計時にUXリサーチを検討・実施できた事例はこちらの記事で詳しく触れていますので、よかったらご覧ください。

4. 改善する

上記の考察を踏まえて、ネクストアクションを考えました。

Chatworkの開発チームは、以前は施策をリリースしたらチームが解散してしまうことが多く、施策のリリース後にUXリサーチをしても、生かす機会が作りづらいという課題がありました。
しかしここ最近では、固定のメンバーで効果検証をおこないながら施策を回すチームが増えてきています。

そこで、「ユーザー体験をリアルに理解して、わかったことを次の施策に活かせれば、施策リリース後のリサーチも十分に活用機会があるのではないか」と考えを切り替えて、施策リリース後のUXリサーチの実施と活用支援も積極的におこなっていくことにしました。

施策リリース後にUXリサーチを実施し、次の施策に繋げるイメージ図


この取り組みについてはまだ始めたばかりで、ここで結果をお伝えすることはできないのですが、今後も現場を観察しながらPDCAを回し、あらゆるシーンで、よりスムーズなUXリサーチの実施と活用支援を模索していく予定です。

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当日の登壇資料はこちらになります。

主催・運営の皆様、この度は素敵な機会をいただきありがとうございました!

また最後になりますが、UXリサーチチームのメンバーをはじめ、プロダクトデザイン部のマネージャー、デザイナー、顧問や外部パートナーの皆様の日頃の多大なご協力に感謝します。
この5月からUXリサーチチームに新メンバーも増えたので、取り組みの幅をより広げていけるのではないかと思っています!🎉

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Chatworkでは様々な職種で仲間を募集していますので、ご興味を持っていただけたらぜひ下記もチェックしてみてください!

\プロダクトデザイン部採用情報/

\Chatwork株式会社 採用情報/


最後までお読みいただきありがとうございました!🙌