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ウクライナ戦争に関する私見 烏賀陽弘道

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2022年2月24日の開戦以来、ウクライナ戦争について分析した論考を書き続けいています。無料で読めます。価値があると思われたらカンパ・サポートしてください。
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2022年4月の記事一覧

ガス輸出で「戦争経済」が回転     ロシアに経済制裁効かず       戦争は「月」「年」単位に長期化     ウクライナ戦争に関する私見9    2022年4月21日段階 

前回の投稿から約20日が過ぎた。本稿では、その間に起きた出来事と流れを概観してみようと思う。 2022年3月29日にイスタンブールで開かれたロシアとウクライナ代表による対面の第4回停戦協議で、両者が合意の道筋に乗ったかと私は思った。開戦後約1ヶ月を経て、ウクライナ戦争が終結する光明が差したかと思いきや、戦闘はかえって激化した。 ロシアは懸念された国債デフォルトに陥らなかった。ドイツ、イタリアなど欧州は天然ガスをロシアから買い続け、代金を払い続けている。つまり欧米日の経済制

自国の歴史すら調べない日本マスコミは  戦争のようなクライシスに対処できない 報道貧困国ニッポンで         戦争を読むためのメディアリテラシー      ウクライナ戦争に関する私見8    2022年4月1日時点

2022年2月24日のウクライナ戦争開戦以来、新聞・テレビといった日本の「マスコミ」(主に記者クラブにつながるマスメディア企業を指す)が流す 「ニュース」を私はじっと観察している。 CNNやBBC、ロイターやフィナンシャル・タイムズといった欧米の報道も見る。ウクライナ政府や同国内発のSNS、ロシアからの政府系・独立系メディアのニュースも両方見る。私はそれを頭の中で比較する。 私はかつて17年間朝日新聞社の社員記者だった。「ニュースを取材し、発信する企業」のインサイダーだっ