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You Tube「一月万冊」主宰者・清水有高 その出演者・佐藤章 佐藤が取締役を勤める出版社「五月書房新社」などを       言論・出版の妨害と信用・名誉毀損で  東京地裁に民事提訴しました。

(注)
・本文中では敬称を一切省略します。
・以下の内容はあくまで原告・烏賀陽の主張であり、被告側は被告側の主張を今後法廷で述べると思います。あくまでその前提での報道・発言をお願いします。
・扉写真は2023年12月26日、東京・霞が関の司法記者クラブで。

1.概略

本日2023年12月26日、私・烏賀陽弘道(うがや・ひろみち)は、私の著作3点の出版を妨害したことに加えて、ツイッター(現X)、YouTubeなどインターネット上での私の発言を妨害し、言論・出版の自由を侵害したことを理由に

A. YouTube番組「一月万冊」主催者の清水有高(しみず・ゆうこう。会社経営)
B. 法人としての出版社「五月書房新社」
同社取締役・編集委員長の佐藤章(さとう・あきら=元朝日新聞記者。『一月万冊』常連出演者)
自称同社オーナー・編集長の杉原修(すぎはら・おさむ)

の3人・1法人を被告に、2事件・計940万円の慰謝料(プラス清水には謝罪文の掲載)を求める民事訴訟を東京地方裁判所に提訴しました。そして同裁判所内の司法記者クラブで会見しました。

以下、詳細をお知らせします。

2.提訴した原告


烏賀陽弘道(うがや・ひろみち)
1963年1月8日、京都市生まれ。
フリーランスの報道記者・写真家。東京都内在住。

1986年、京都大学経済学部を卒業後、朝日新聞社入社。
1994年、米国コロンビア大学公共国際政策大学院(SIPA)修士課程を自費で終了。国際安全保障学専攻。
記者として名古屋本社社会部、ニュース週刊誌「AERA」編集部などを経て、2003年に40歳で早期定年退職し、フリーランスになる。
それ以降22冊の著作を上梓。

主な著作:「フェイクニュースの見分け方」(新潮新書)「原発難民」(PHP新書)「福島第一原発事故10年の現実」(悠人書院)
「世界標準の戦争と平和」(扶桑社・悠人書院)「Jポップとは何か」(岩波新書)「ALPS水海洋排水の12のウソ」(三和書籍)
「ウクライナ戦争 フェイクニュースを突破する」(ビジネス社)

【原告代理人】
新宿さきがけ法律事務所 弁護士 山下幸夫

〒160-0023
東京都新宿区西新宿6-2-3 新宿アイランドアネックス305
電話:03-6279-4438 ファクス:03-6279-4439


3.提訴した相手方・被告


訴訟A  「一月万冊」事件: 

原告は被告に440万円の支払いと謝罪文の掲載を求める。

被告:清水有高(しみず・ゆうこう)
36万6000の固定視聴者を持つ有名YouTube番組「一月万冊」主催者。まんが・アニメ・ゲーム業界での人材派遣会社「ビ・ハイア」社を経営する。ただし「一月万冊」は清水個人の活動によるYouTube番組。

2017年秋ごろから「新しい出版ビジネスモデルを作る」と称して、烏賀陽の著作「福島第一原発 メルトダウンまでの50年」と「世界標準の戦争と平和」の復刊する、と自身のブログやYou Tube番組「一月万冊」で公知し始めた。そして「良質の書き手を応援する」「出版ビジネスを作るのでカンパしてほしい」などと自身のYou Tube番組「一月万冊」で呼びかけた

「メルトダウンまでの50年」明石書店版。
「世界標準の戦争と平和」扶桑社版。

「福島第一原発 メルトダウンまでの50年」は販売予約を受け付け、代金と寄付金を集めた。その総額は2017〜18年の2年間だけで2300万円近くに上る。

にもかかわらず、理由なく3年(後者は1年)放置して出版しなかった。名前と書名を使われた烏賀陽の職業・社会的信用を毀損した。

また扶桑社からの原稿買い取りに際して、烏賀陽の筆跡と印鑑を偽造し、あたかも烏賀陽本人が同意しているかのように同社に信じさせた虚偽の覚書を同社との間で作成した。警視庁に通報済。

訴訟B  「五月書房新社」事件:

原告は被告に500万円の支払いを求める。

被告:
法人としての
五月書房新社(柴田理加子・代表取締役)
2017年4月3日設立。資本金2000万円。
〒104-0041 東京都中央区新富2-11-2 新富MTビル3F

個人として同社の
取締役・編集委員会委員長 佐藤章
自称オーナー・編集長 杉原修

同社は、2020年冬~2021年1月にかけて烏賀陽の著作「福島第一原発事故 10年の現実」の出版を約束し、杉原参加のうえ数回の編集会議ののち、烏賀陽はテキストと写真原稿を同社に渡し、同社はゲラを出した。杉原は「編集作業は90%終わった」としていた。

五月書房新社の妨害で出版ができなかった後
悠人書院から出版された「福島第一原発事故 10年の現実」。



一方2021年、A事件被告の清水は突然、烏賀陽との連絡を絶ち、同番組への出演も一方的にキャンセル、前述2著作の復刊も烏賀陽に無断でキャンセルした。

烏賀陽がそれまで週2回ほど出演していた同番組から突然姿を消したことから、読者からの問い合わせが烏賀陽に殺到した。清水が公に説明を一切しないことから、やむなく烏賀陽はTwitterなどでその事実の経過を公知し、読者に本が出ないことをわびた。

するとB事件被告の佐藤・杉原は予告なしに突然烏賀陽の自宅に押しかけて強引に上がり込み「一月万冊に関するネット上での発言を止め、過去の発言をすべて削除しろ」「削除しないと出版はしない」と怒声で恫喝した。

烏賀陽がそれを断ると、五月書房新社は「福島第一原発事故 10年の現実」の出版を一方的に破棄した。正当な理由なく同書の出版を妨害し、烏賀陽のインターネット上での発言を恫喝で妨害した。

言うまでもなく同社は「一月万冊」とは別の主体であり、同社取締役・佐藤章が「一月万冊」常連出演者である事実以外には、両者は無関係である。


4. 原告・烏賀陽の所感

<A・B事件共通して>

「一月万冊」は固定視聴者31万人を持つ有力You Tube番組です。五月書房新社は出版社です。どちらも「言論・出版の自由」という生態系の中で生きています。

特に、五月書房新社取締役・佐藤は元朝日新聞社記者であり、出版・言論の自由という権利については、職業人生の間ずっとその利益を享受し、誰よりもその重要性について知っているはずです。

31万以上の固定視聴者を抱える清水も、五月書房新社という出版社のオーナー・編集長を自称する杉原修も、マスメディア運営者という点では共通しています。

彼らは「言論・出版の自由」の利益を最も享受する立場にあります。そしてその自由を誰よりも尊重すべき立場にあります。

その三者が、私の出版を妨害し、ネット上の言論の自由を妨害し、侵害するとは、あってはならない悪質な事態です。マスメディア運営者・公的発言者としての資格を欠いていると言わざるを得ません。

しかも、それは私にとって我が子同然に重要な「拙著の出版」を材料に私の発言を封じようというものでした。これは「出版社・書き手」の力の差を背景に、意志に反した行為を強要する「ハラスメント」に他なりません。

<A 一月万冊事件について>


私は1986年に朝日新聞社の記者になって以降ずっと、報道記者として37年間以上働いてきました。2003年以降はフリーランス記者として「朝日新聞記者」の社会的信用を離れ、烏賀陽弘道個人として読者から寄せていただいた信用のみを職業の基盤としています。

そんな私にとって著作は、心血を注いで育てた「我が子」同然の大切な存在です。

ところが「一月万冊」清水は、その著作の出版を3年も放置し、読者に本が届かない状態にしました。書き手にとって、自分の取材の結晶である著作が読者に届かないことほどの苦しみはありません。そんな苦痛に満ちた状態が3年も続きました。

また読者からの「烏賀陽弘道」個人への信用だけを基盤に生計を立てる者として、私の名前と著作名を利用して寄付金や代金を集め、本を出さなかった清水の行為は、私が30年以上かけて地道にこつこつと築き上げた職業的信用を破壊するものです。

また、寄付金をいくら集め、何に使ったのか、納税はどうなっているのか、名前と書名を利用された私はもちろん、寄附者や予約購読者に、清水は公の説明を今日に至るまで一切していません。これは不誠実の極みです。善意の読者・寄附者への裏切り行為と私は考えます。

2017年から今日に至る寄付・カンパや予約代金の総額、その使い道、納税、残金など、善意の寄附者や書籍予約者はもちろん、名前を利用した私にも、清水は説明責任を負うと考えます。

本来、こうした読者や寄附者への公の說明は清水がするべきものです。しかし、清水はまったく沈黙してしまいました。

その読者への說明を、やむなく私がネット上ですると、出演者の佐藤章が杉原修を伴って予告なしに私の私宅にやってきて、断っているのに無理に上がり込みました。そのうえで「ネット上の一月万冊に関する発言をすべて削除しろ」と怒声を挙げて恫喝しました。

これはなぜなのでしょうか。
何か公にされると困ることでもあったのでしょうか。

こうした読者の善意を踏みにじる清水の行為に、私は強い憤りを覚えます。さらに、自分の名前と書名を、清水の私利私欲に利用された私の被害感情が非常に強いことは言うまでもありません。

しかも、驚いたことに、清水は2021年1月まで「福島第一原発事故 メルトダウンまでの50年」の原稿を原版元である明石書店から取得してすらいなかったことが、同書店への問い合わせで判明しました。

これには驚愕しました。つまり、2017年秋から2021年まで、清水は原稿すら持っていない「福島第一原発事故 メルトダウンまでの50年」を「復刻し売り出す」と「一月万冊」を通じて読者に告知し(2018年5月22日付放送で明言)予約を集め、代金を集めていたことになります。つまり清水が代金や予約を集めた「一月万冊復刻版・福島第一原発事故 メルトダウンまでの50年」は「存在しなかった」ことになります。

また、清水がその過程で

①2017~2018年に集めた寄付金約2200万円を税申告しなかったこと。

②税務調査に対して、自分が経営するアニメ・ゲーム・まんが業界の人材派遣会社「ビ・ハイア」の売上に付け替えて修正申告したこと。

③扶桑社からの原稿の取得に、私の筆跡と印鑑を偽造したこと。

の3点は、健全な企業経営者・メディア運営者としての社会常識を逸脱しています。特に③は有印私文書偽造という刑法に抵触する犯罪であり、警察にも通報してあります。

<B 五月書房新社事件について>

同社取締役・佐藤章は、私が朝日新聞社在籍時代「AERA」編集部で机を並べた先輩でした。「一月万冊」への出演者として清水に佐藤を「政治・経済の分野に強い記者」と推薦し紹介したのも私です。

そんな私の敬意と期待は完全に裏切られました。佐藤には幻滅したとしか言いようがありません。極めて落胆しています。

出版を約束し、テキスト・写真原稿の入稿も済ませ、ゲラの点検まで進んでいた拙著を、別の主体である「一月万冊」に関するネット上の発言をすべて削除することを条件に、一方的に破棄することは、どう考えても正当な理由に当たりません。

また、なぜ私と一月万冊・清水との紛争にわざわざ五月書房新社が介入し、出版の契約を破棄までしたのか、私にはまったく理解できません。

言うまでもないことですが、一月万冊と五月書房新社はまったく別の主体です。烏賀陽と一月万冊・清水の紛争に、五月書房新社が介入する正当な理由はまったくありません。

一月万冊と五月書房新社の唯一の接点は、五月書房新社取締役・編集委員会委員長の佐藤章が一月万冊の常連出演者であることだけです。

以上は
・著作の出版を出版社自ら妨害する
・烏賀陽のネット上での言論を妨害する

という二重の意味での権利侵害であります。さらに

・予告なしに烏賀陽のプライベートな自宅に押しかけ、無理やり上がり込んだうえに「出版を中止する」と長時間怒声で恫喝したり、その後も執拗に電話をしてくるなど、佐藤・杉原の行動は、私にきわめて強い恐怖と不快を植え付けました。

 また、本の出版を取引材料に、理不尽かつ自社に無関係な要求を強いる行為は、出版社と書き手の力の差を悪用したハラスメントとしか言いようがありません。

(2023年12月26日記す)

<追記>
この訴訟を私は自腹で戦っています。弁護士費用などとして、すでに60万円以上の支出が発生しています。裁判が終結すれば成功報酬を払わねばなりません。最終的には出費は100〜150万円に及ぶでしょう。みなさんのカンパをお待ちしています。

<カンパ送付先>
SMBC信託銀行 
銀座支店
普通 6200575
ウガヤヒロミチ

<クレジットカードによるカンパ先> https://checkout.square.site/merchant/ML7T3YB2SW3NK/checkout/7YUDL3THCNWZ6BXEOEMAURTV

<追記2>
「一月万冊に寄付をしたのに、清水が約束した品が届かなかった」
「本を予約注文して代金も払ったのに、本が届かない」
「寄付金や代金を返してほしいと連絡したのに返答がない」
などの例を聞き取り調査しています。
メール:hitotsukimansatsuhigaishaアットマークgmail.com
までご連絡ください。
なお、匿名の連絡は一切お断りします。
「A県に住むナントカ」とか書いてください。

(以上)

私は読者のみなさんの購入と寄付でフクシマ取材の旅費など経費をまかないます。サポートしてくだると取材にさらに出かけることができます。どうぞサポートしてください。