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子の年齢によって出現する「壁」と、特徴的な天体の配置

7月の心理占星術子育て研究会(第5回)にて、「子育てでぶつかる時期の壁」についてお話を伺った。
「子供の年齢によって出現する壁」と「毎年一定の時期に出現する壁」とがあるということで、実際にあったエピソードも交えて話してくださった。
今回はまず「子供の年齢によって出現する壁」について、それぞれの時期に概ね一致して現れる特徴的な天体の配置と、その象徴の意味を考えてみたいと思う。

「子供の年齢によって出現する壁」として紹介されたものは、次の四つ。
(1)2~3歳ぐらいの壁
(2)7歳・6歳の壁
(3)9歳・10歳の壁
(4)中学生ぐらいの壁
まずはこのうちの、 (1)イヤイヤ期とも呼ばれる反抗期と、(2)は小学校に入る時期の二つから書いてみよう。
(3)と(4)も内容がまとまり次第、この記事に追記していく。

(1) 2~3歳ぐらいの壁

だいたい1歳台半ば以降に、初めてのマーズリターンが起こる。
出生時の火星が逆行であった場合や、出生後に出生時の火星の度数に至る逆行が起きた場合には、生後早い段階でトランジットの火星がネイタルの火星にコンジャンクションするが、ここでは初めての12サイン360度の旅を終えた火星の回帰を「初めてのマーズリターン」とする。
そして、次のマーズリターンは3歳台半ば以降だ。
つまり、この「壁」は、初めてのマーズリターンが起きたあとの、火星の二度目の12サインの旅の時期と一致している。
一度目の火星のサイクルが自我を目覚めさせていく旅だとすれば、二度目のサイクルは、幼いながらも「自分の人生を生きている」という意識や「自分でこんなことをしたい」という意欲を、自分自身で確認していく旅だろう。
「自分」という感覚を持たない赤ちゃんだった頃のように他人の力でコントロールされるがままだなんて我慢できない、そんな時期なのだと思う。

この「壁」の時期と一致する象徴はもう一つある。トランジットの木星とネイタルの木星のスクエアだ。これはだいたい2歳台の半ばから3歳台の初期に起こる。
ネイタルチャートの木星を新月とみなすならば、このスクエアは上弦のフェーズということになるだろう。周囲からの期待・周囲が指し示す「これがいい」という指針に対して、「その指針に私はコミットしていけるか?」という自分のICによる監査が入るイメージだ。コミットするとなれば、指針を目指す理由が自分の深いところに芽生えるということ。これは木星が蟹座でイグザルテーションとなる所以の一つだろう。
もちろん、木星をどうこうするには幼過ぎる年頃だ。だからこそ、反抗に動じて信念を歪める態度を見せたりしない、という自律と自戒が親側にこそ必要だと思う。

(2)7歳・6歳の壁

トランジットの土星とネイタルの土星のスクエアが、だいたい7歳になる前後に起こる。
もう一つ、早い場合は5歳になる前に起きてしまうこともあるのだが、木星のハーフリターンもこの頃に起こる象徴だ。
トランジット木星の体験を経て、間もなくトランジット土星を体験する。これはごく小さな規模での「9ハウスからMCに到達する経験」にもなるのではないだろうか。「荷物は自分で用意して、自分で選んだ色のランドセルに入れて、自分で運びます」という小さなプロフェスを経て、「私は小学生です」という小さなプロフェッショナルに到達するのだ。

また、この時期は「(もともとの)月の年齢域の終わり」にもあたる。ただ、現代の少なくとも日本社会において、7歳近くまでを「月の年齢域=同属のなかにのみ生きる」ということは現実的ではなくなっており、幼児教育や保育を受ける現場からすでに水星期が始まっていると考えるため、「もともとの」と付け加えている。
月の世界で同属だけを相手に過ごしていれば、同じものに喜び、同じものに悲しみ、真面目にならない時やふざけても許される時だって、なんの注釈も説明も必要とせずに通じ合っていた。けれど、同じ態度が通用しない相手に出会う。例えば、笑ってごまかそうとしているのに「なんで笑っているの?」と学校の先生から追及を受けたり。これがきっと初めてのトランジット土星の体験だ。
本来なら、最初の土星のスクエアを体験することが、月から水星へと年齢域が移行するきっかけとなっていたのではないかと思う。現代では水星期は、場合によっては生後間もなくから始まっていく。すると、水星は月の影響と分離することが難しくなっている可能性が考えられる。だから現代においては、初めてのトランジット土星の体験を、水星を改めて月と分離していくタイミングとして使う必要があるのではないだろうか。
マイナーアスペクトだが、この頃に天王星のセミセクスタイル(セクスタイルの半分=30度=ハーモニクス12)も起こる。自分とは異質なものを拒むのではなく、見方を変えて知性で理解するという態度で、異質で未知な外の世界に触れていこう。

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