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人と関わる

考えてみると、もう長くおせわになっている方が増えている。

美容院だったり、服だったり、装飾品だったり、体のメンテナンスだってり。本当にお世話になっている。


パールのネックレスの糸が切れた、という話しを以前したけれど、それが手元に戻ってきた。

一年半ほど、リビングの小物入れに頬りっぱなしになっていた。きっと埃もかぶっていたにちがいない。

気にはなっていて、チラチラと視界に入ってはいた。

けれど、それはただの丸い粒で、時間が経過していくと、段々ともういいかな、なんて思いはじめていた。

でも、重い腰を上げてよかった。こうして糸を通して丸くなって帰ってくると、それは実に奇麗だ。

お世話になっている担当の方は、デパートに店を構える大きなお店にお勤めの男性だ。

買う機会はほとんどない。

わたしが毎度お願いしているのはお直し。

申し訳ないけれど、それでも実に気持ちよくお直しして頂いている。

今回も、粒の数と、ネックレスの長さを測った上で、紛失した粒は無かったはずですと言われて手渡された。

綺麗に磨かれていた。

もう30年以上前に買ってもらったネックレスだ。

随分と色々な場に一緒に出掛けた。


その方には、結婚指輪に始まり、婚約指輪も直していただいた。考えてみるとほとんど使っていない婚約指輪だった。それを日常使いにしてもらった。これは良かった。ほとんど使ったことのなかった品だ。

と言っても、わたしは普段指輪は付けない。お直しした指輪が登場するのは、少しだけ気張ったホテルに泊まる時ぐらい。

先日そのパールのネックレスを受け取った際、余りに奇麗になって帰ってきたのが嬉しくて、後日もう一度その方の処へ出かけて行った。

入らなくなった指輪のお直しを頼んだ。それは自分の身を守るためにと買ってもらった指輪だった。けれど、やがてわたしは、わたしが守ってあげるほどたくましくなり、もうそうした指輪はつける必要もなくなり、すっかり忘れていた笑。

けれど、取り出してみると、なんだかしっかり身を守ってくれそうな気もする。ということで、今その品もサイズ直しをお願いしている。

コロナでは大変でしたよね、とお話しをしていたら、お店の方に、

「そんなに古いおつきあいだったんですか?」

と驚かれた。

「いえいえ、もっとずっと以前からですよね」

とお互いに顔を見合わせて笑った。

その方から新しく何かを買ったのはほんの僅かだ。持っていく品は別なお店で買ったものが多い。

それでも、その方は、嫌な顔一つせずにゆったりと迎えて下さる。


美容師さんとももう20年以上のお付き合い。

やっぱり店ではなく、その人なんだと思う。

訪ねるとホッとする場所が幾つかある。

わたしは人に会いに行っているのだと思う。

いつか記念に何かを買ってもらえることがあったなら、彼にお願いしようと思う。


※最後までお読みいただきありがとうございました。


※5月26日(日)に大阪で講演会をします。女性の働き方に疑問をお持ちの方お話ししませんか?お待ちしています。

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