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神世七代【古事記の全文解説004】



⭐現代語訳

① 次に成った神の名は、国之常立神と言いました。その次に成ったのは豊雲野神でした。この二柱の神も、獨神として成って、その身を隠しています。

② 次に成った神の名は、宇比地邇神と言いました。その次に成ったのは女神である須比智邇神でした。その次に成ったのは角杙神でした。その次に成ったのは女神である活杙神でした。その次に成ったのは意富斗能地神でした。その次に成ったのは女神である大斗乃辨神でした。その次に成ったのは於母蛇流神でした。その次に成ったのは女神である阿夜詞志古泥神でした。その次に成ったのは伊邪那岐神でした。その次に成ったのは女神である伊邪那美神でした。

③ 以上の、国之常立神から伊邪那美神までを、合わせて神世七代と言います。

『古事記』上つ巻 現代語訳


左が伊邪那岐神、右が伊邪那美神。
イラストは「ラノベ古事記」様からお借りしています。


段落①の解説

 前回#1では、全部で5柱の神様が登場しました。所謂、別天津神(ことあまつかみ)でしたね。

 今回は全部で12柱の神々が登場しますが、ほとんどの神は重要じゃありません。なので、気楽に流し読みしていってください。


御岩神社(茨城県)。国之常立神を主祭神とする。
縄文時代の祭祀遺跡が発掘されており、古代より信仰の地であった。


 別天津神の次に登場した神様は、国之常立神です。
「クニノ・トコタチ・の神」と読みます。
国土を保ち続ける神様です。前回出て来た天之常立神と似てますね。


 次に登場する神様は豊雲野神です。「トヨ・クモノ・の神」と読みます。
豊かな雲の神様です。よく分からないですね。


天之常立神と豊雲野神もオンリーワンな獨神(ひとりがみ)で、尚且つ姿が見えない魂状態になっています。


荒橿神社(栃木県)。国之常立神と豊雲野神を主祭神とする。
2018年にauのCM「三太郎シリーズ」のロケ地となった。


段落②の解説

 ここからは神様たちが一気に登場しますので、先に全員並べてみます。

  宇比地邇神  「ウヒヂニ・の神」(男神)
  須比智邇神  「スヒヂニ・の神」(女神)

    角杙神  「ツヌグイ・の神」(男神)
    活杙神  「イクグイ・の神」(女神)

 意富斗能地神  「オオトノヂ・の神」(男神)
  大斗乃辨神  「オオトノベ・の神」(女神)

  於母蛇流神  「オモダル・の神」  (男神)
阿夜詞志古泥神  「アヤカシコネ・の神」(女神)

  伊邪那岐神  「イザナギ・の神」(男神)
  伊邪那美神  「イザナミ・の神」(女神)

 このように、ここからは獨神ではなく男女ペアの神々になっています。
それぞれの神様の名前の意味については、大地が出来る過程説、男女が生まれる過程説など諸説あるので今回はスルーします。
(そこスルーしたら解説になってないのでは?)

 特に重要じゃないから別にいいんです!

第六天榊神社(東京都)。淤母陀琉神・阿夜訶志古泥神を主祭神とする。
ヤマトタケルが東夷征伐の際に祀ったことが始まりとされる。


 ただし、一番最後の男女ペアだけは超絶重要です。
そうです。あの有名なイザナギイザナミです。

 伊邪那岐神伊邪那美神は今後の主役なので、この2柱だけでも覚えておきましょう。



段落③の解説

さて、国之常立神から伊邪那美神までの12柱を神世七代と呼びます。

1代目:国之常立神 (獨神)
2代目:豊雲野神 (獨神)
3代目:宇比地邇神須比智邇神 (男女)
4代目:角杙神活杙神 (男女)
5代目:意富斗能地神大斗乃辨神 (男女)
6代目:於母蛇流神阿夜詞志古泥神 (男女)
7代目:伊邪那岐神伊邪那美神 (男女)

国之常立神豊雲野神は1柱で1代、それ以降はペアで1代として数えます。


十二柱神社(奈良県)。神世七代を主祭神とする。
相撲発祥の地の1つとされる。


 次回はいよいよイザナギとイザナミのエピソードに入ります。
ここからどんどん面白くなっていきますよ~


 それでは今回はここまでです。
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