プロに騙されるな!(笑)第2弾!

ブログ「プロに騙されるな!(笑)」(リンク)ではコルギという韓国発祥だったかの「美顔術(マッサージ)」が摘発されたというのを紹介しました。その時のブログでは鍼灸業界のほとんどがエビデンスに乏しい事を患者さんに行っていたり、言っていたりするということを指摘しました。(もっと詳しくいろいろな鍼灸業界、整体業界内のインチキを本家ブログのほうで紹介しています。)

先日、「美容常識の9割はウソ」(落合博子著)を読んでいて、我々鍼灸マッサージ業界にとても深い関わりあいのある事柄が紹介されていたので、ここに紹介します。

その箇所を要約すると


顔マッサージが肌のたるみや黒ずみをつくる。肌のハリを保つためには皮膚の下の線維組織をできるだけ壊さず、たくさん温存したほうがいい。顔の肌を手でひっぱったり持ち上げたりしたところで、せっかく皮膚を支えてくれている線維細胞を壊すだけで肌へのメリットはないのです。マッサージをおすすめできないもう一つの理由は、肌はこすると黒くなるから。(以下説明は省略)肌は「触らないほうがいい。皮膚を再生するターンオーバーは約6週間。そのターンオーバーを助けるもっとも簡単な方法が「触らないこと」。

ツイッターで私がフォローしている某美容外科の先生も常に「顔のマッサージは勧めない。たるみや黒ずみの原因になるから」とツイートしておられます。


では、顔に鍼を打つ通称「美容鍼」はどうでしょうか?美容鍼については過去のブログ(リンク)でも詳しく取り上げました。美容鍼を提唱している人たちに共通する根拠が、「顔の皮下の組織の線維芽細胞を鍼で刺激することによってコラーゲン再生を促す」です。鍼の太さ、刺す深さ、そして刺す本数を考えると何をどう考えてもコラーゲン再生を促し、「皮膚を若返らせる」には刺激が足りません。そのツイッターの某美容外科の先生も「コラーゲン再生させるのには、たとえ鍼100本刺そうが、それでは刺激が足りない」とおっしゃっていました。その美容外科の先生はレーザーや水光注射のほうが効果的ともおっしゃっています(私も同意見です。)

と書くと出てくるであろう反論が、

「じゃあなぜ巷で美容鍼や美顔整体を行うところがまかり通るのか?」

でしょう。それはズバリ

「効果はないけど、一時的に効果があったような気がする

からです(笑)。誰でも1時間程度ベッドで横になっていたら重力の関係で皮膚が下に落ち、肌が一時的に突っ張ったような感じになります(笑)。ためしに1時間程度何もしないで仰向けに寝てみて、その後スマホのアプリで顔の写真をとって何歳かを推定してくれるのを試してみるといいでしょう(笑)。それもよりも美容鍼の一番の副作用というか危惧しなければならない点が、内出血と感染です。これについても上にあげた過去のブログで指摘しています。美顔(小顔)整体は肌を余計にたるませることもありえるし、動きもしない顔面骨を動かそうとすると下手すりゃ骨折するかもしれません(笑)。まあそこまでむちゃくちゃする施術師はいないでしょうが、日本の知人治療師達はよくコルギでおかしくなったっていう人から問い合わせがあるそうです(笑)

あとこれが一番いけないところ。それは「(効果も期待できないことに)クライアントに無駄にお金と時間を使わす」です。

このブログはロンドンの患者さん向けに書いているのを前提に書きますが、どうかロンドン在住の方々はこっちでも流行ってきたの美容鍼や顔面(小顔)整体の被害に遭わないようにお気をつけください。(顔面(小顔)整体とは、顔をマッサージしたり、顔の骨を”矯正”したりして、小顔にしたり、シワを取ることを謳っているやつですが、大嘘だし、根拠もゼロだし、何より顔面骨は動きません。動くと宣うバカにひっかからないようにしてください。)


プロであってもこの業界、ちゃんと勉強してしっかりとした技術があるのはごくごくわずかです。どうか騙されないように。

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