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ネタ映画レビュー1「ブレインデッド」

ネタ本レビューがしたくて始めたnoteですが、素晴らしい映画に出会えたので紹介します。

★★★★★
5/5点満点


ニュージーランドで公開されたスプラッタホラー作品です。
監督は何と、あのロードオブザリングのピータージャクソン!
作風が全く違うので恐らく言われなきゃ分からない…いや言われても特に共通点とかないかもしれません。

※以下ネタバレを含みます


あらすじ
スマトラ島西方にある秘境、スカル島である2人組の男が珍しい猿を捕獲します。
(実は2人組の片方は監督のピータージャクソン)
そのまま本国に帰ろうとしますが、島の原住民に「その猿を島の外に持ち出す者は、悪魔に取り憑かれる」と止められます。
何とか追っ手を振り切り待たせていた車に乗り込む男たちですが、捕獲した猿に2人組の内の1人(監督のピータージャクソン)が腕と額を噛まれてしまいます。
それを見たもう1人の男と車で待っていた男は、躊躇なく噛み付かれた男(監督)の腕を切り落とし、首を跳ねました…。

ところ変わってニュージーランド。
主人公のライオネルは、過干渉な母親ベラと暮らす気弱でマザコンな青年です。
ある日買い物に行きますが、そこで店の従業員、パキータと出会います。
パキータは祖母の占いの影響でライオネルを運命の相手だと思い込み、猛アタックします。
その甲斐あって、2人は動物園へデートへ行くことになりました。
そこへ子離れ出来てない母親からが2人の後をこっそり付けて来ます。
その動物園には珍しい猿が展示されています。
そう、冒頭に出て来たあの凶暴な猿です。
隣の猿を食い殺すようなお元気なその猿は、たまたま檻の近くにいたライオネルの母親に噛み付いてしまいます。

その一件以来、母親の具合が悪くなっていきました。
メイクをすれば皮膚がべろんと剥がれ、耳が腐り食べてるスープに落ちるなど、「具合が悪い」では片付けられない様子です。
そんな母親をライオネルは懸命に看病しますが、その甲斐なく彼女は亡くなってしまいました…。
ところが母親は突然蘇り、看病に来ていた看護婦を殺して、その看護婦までも蘇りました。
仕方なくライオネルは蘇った2人を一旦地下室に閉じ込め、怪しい医者から買った鎮静剤を注射します。

その後何やかんやあって母親は埋葬されるのですが、ライオネルが墓に訪れるとたむろしているDQN達に絡まれます。
そんな息子のピンチを察したのか、母親が墓から蘇り、DQN達に噛み付いてゾンビ化させます。
死してなお息子を守る母の愛。いやぁ、大変美しいですね。
私の母がこんな人じゃなくて良かったと心から思います。
そこへ母の葬儀にも来ていた神父がやって来て、墓を荒らす不届き者どもに「神の裁きを受けてみよ!」とどこでマスターしたのかカンフーでDQN達を一網打尽にします。
なるほど、聖職者って体術も出来なきゃなれないんですね。
恐らく劇中で1番人気のキャラな彼ですが、蹴り飛ばした首に噛みつかれて敢えなくゾンビ化してしまいます。アーメン。

このまま放っておくわけにもいかないので、家で蘇った母とカンフー神父を匿う事にしました。
彼らの世話に奔走するライオネルですが、何とカンフー神父が看護婦に欲情して絡み合ったあげく、めでたく赤ちゃんが誕生します!
ゾンビの。
「何で死んでるのに生殖能力があるんだよ」なんて野暮なツッコミを入れる気も失せます。
愛があれば死など大した事ではないのです。

もちろんほっとくわけにはいかないので、ライオネルがしっかり面倒をみます。
やんちゃな赤ん坊を袋詰めにしてボコボコに叩きまくるシーンはどう見ても虐待なんですが、何と微笑ましい光景でしょうか。

そんな充実した日々を送っていると、叔父のレスがライオネルの元にやってきます。
彼は妹のベラの遺産目当てに嗅ぎつけて来たのでした。
運の悪い事に、ゾンビ達を地下室で匿っている事を叔父に知られてしまいます。
何故か叔父はライオネルを死体収集家と勘違いし、「警察にバレされたくなかったら遺産をよこせ」と脅迫。
ライオネルは渋々条件を飲みます。

調子に乗った叔父は豪華絢爛なホームパーティーを開き、大勢の友人を招きました。
そこへあのパキータもやって来ます。
あの動物園の一件以来微妙な雰囲気の2人でしたが、事態は急変。
何と、パーティ客の1人がゾンビ化してしまい、次々とゾンビが増えてしまったのです!


感想
B級スプラッタホラーの皮を被ったおバカ映画です。
グロ耐性があって不謹慎な笑いが好きな方には是非見て頂きたいです。
特に終盤は人間の尊厳をミキサーにかけて中身を全部ぶん投げたような大変悪趣味なシーンがばかりで、もはや笑って良いのか気持ち悪くなって良いのか分かりません。

オススメのシーンが2つあります。
まず、前述した墓場でのカンフー神父。
グロが苦手な方は、この12連続キックをお見舞いするシーンだけでも見て下さい。

2つ目は、終盤のホームパーティでライオネルが庭から死ばかり機…間違えた、芝刈り機でゾンビ達を一網打尽にするシーン。
視界を覆い尽くさんばかりの血飛沫には圧巻の一言です。
何とこのシーンで使った血糊(メープルシロップ)は300リットルで、映画史上最多と言われてるとか!

悪趣味でお下劣なシーンのオンパレードですが、マザコンな主人公が親離れしてヒロインと結ばれる…という案外王道を行く純粋な物語でもあります。意外と感動する…かもしれません。

DVDが約4万円ととんでもないことになってますが、YouTubeで全編無料で見れます。
食欲が減退する描写がてんこもりなので、食前に見てダイエットの手助けにしましょう!

なお、この映画はニュージーランド政府公認で作られており、冒頭に出て来る馬に乗った美女はニュージーランドの王女です。
この映画が王女及びニュージーランド政府の黒歴史になっていない事を切に願います。

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