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Vision Pro「低迷で生産減?」 真偽に疑問の声も

Apple Vision Proの今年の出荷は、市場予想の半分ほどーーー?

こうした内容の報道が、米国や日本のメディアで相次いでいます。

根拠となっているのは今月23日、著名アナリストMing-Chi Kuo氏がブログに投稿した報告です。

その中で最新の調査結果として、このように伝えています。

・Appleは、2024年のVision Proの出荷数を40〜45万台に削減した。市場予想(コンセンサス)は70〜80万台以上だった。

・Appleは、米国以外の市場でVision Proを発売する前に計画を削減した。それはつまり、米国での需要が予想以上に激減したため、米国以外での需要を保守的に見るようになったことを意味している。

ただ、この報告には異論も出ています。専門メディアUploadVRは「Appleが需要低迷によりVision Proの生産を半減させたという主張は、ほぼ間違いなく誤り」と書いています。

というのも、2024年の出荷が40〜50万台程度にとどまるという見通しは、約1年前から色々なメディアが報じてきたためです。つまり今年2月の発売前からですので、その理由は売れ行きではありません。

例えば英フィナンシャル・タイムズは昨年7月、デザインの複雑さと生産の難しさが理由と伝えています。需要ではなく、作れる数の限界がそのくらい、ということですね。

こうした経緯を知っている人からは「市場予想が70〜80万台なんて、いつの話?」「以前から40〜50万台と報じられているよ」との声が。Appleの内部情報に詳しいBloombergのマーク・ガーマン記者も、そうしたSNS投稿をリツイートしています。

ただ「売れ行き低迷を受けて生産減」にはツッコミどころがあるとしても、足元のVision Proの売れ行きは、発売直後の盛り上がりからは失速しているもよう。

マーク・ガーマン記者はApple Storeから聞いた話として、次のように伝えています。

(Vision Pro購入のための)デモの需要は大きく減っている。予約した人が来ないことも多い。少なくとも一部の店舗では、1日に数台売れていたのが、1週間でほんの一握りしか売れなくなった。

ガーマン記者はVision Proの課題として、どうしても手に取りたくなるキラーアプリが現れていないことや、OSの使用体験が大きくは改善されていない点などを挙げています。

▼この記事は動画版もあります(内容はほぼ同じです)

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