Ex-1:拡張ルール:使役型祭具

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このTRPGのルールは、フィリップ・N・モーゼズ氏がメインルールデザイナーを務め、ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズによって提供された「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」を採用しています。
「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」の著作権は、メインルールデザイナーであるフィリップ・N・モーゼズ氏と、ダイハードテイルズ・ゲームズが有しています。

はじめに
本項では、拡張的な祭具である「使役型祭具」についてのルール・データを掲載する。
マップ上の駒の数が増え、ゲームマスターの処理もやや煩雑になるため、ゲームマスターは本記事に掲載のルール・データの使用を制限しても良い。


Ex-1-1:使役祭具とは

 「使役祭具」とは、使役物ユニットを収納・制御するための祭具である。その実態は制御装置コントローラとドローンであったり、護符と式神であったり、巻物や鏡やその他の媒体と縁起であったりする。
 「使役祭具」はその使役対象である「使役物」によって「汎用使役祭具」と「縁起使役祭具」に二分される。
 どちらの場合においても、本システムにおいては「キャラクターとは別のユニットを盤上に設置する」効果を持つアイテムとして表現される。

 使役物ユニットは、大きく分けて「式神」と「縁起」に大別される。
 「ドローン・式神」科学技術や霊学技術によって構築されたものを指し、運用する人間を問わず一定の性能を発揮する。
 これらは「汎用使役祭具」によって使役され、祓魔師は一度のミッションに幾つかの数を持ち込むことができる。

 「縁起」とは儀式技術によって調伏された界異を指し、使役者とは契約によって結び付いている。
 これらは「縁起使役祭具」によって使役され、一度のミッションに一体しか持ち込むことができない。
 「縁起」はPCとは別個の「界異」キャラクターとして扱われる。

 いずれの場合であっても、これら使役物ユニットの起動・使役には「使役祭具」と呼ばれる祭具を装備する必要がある。

Ex-1-2:使役祭具の仕様

 「使役祭具」に分類される祭具は「近接祭具」や「遠隔祭具」と同様に「:片手」「:両手」の区分を持っており、「装備状態」にして使用する。

 ただし、「使役祭具」そのものでは攻撃を行うことができない。
 「使役祭具」を装備しているキャラクターは、攻撃を行うタイミングで「使役物の手番」を行うことができる。この処理は「2-3:手番と判定、行動について」に記載される「攻撃またはその他の行動」に準じる。

 「使役祭具」を使用して使役物による攻撃を行うためには、予め使役物ユニットの起動」を宣言しておく必要がある。

使役物の起動
まだマップに自分の使役物が配置されておらず、且つ自分が使役祭具を装備している場合、手番中に宣言できる。
自分を中心とした3*3マスの範囲のうち1マスを選び、使役物を設置する。

戦闘が終了した場合、使役物は再び「使役物の起動」を宣言するまでマップから取り除かれる。
(減少した【体力】や【霊力】は回復しない)

 「使役祭具」の使用者の手番を詳細に記述すると下記の通りとなる。
 ※使役祭具を装備したキャラクターを「使役者」、使役されるドローンや式神、縁起といった対象を「使役物」と記載する。

◆使役祭具使用者の手番解説◆
1)  使役者が手番を迎える
2)  使役者が第一移動を迎える
   →移動を行う (移動を放棄して「攻撃集中」を宣言することも可能)
3)  使役者が「使役祭具」の使用を宣言する

4-1) 使役物が第一移動を迎える
   →移動を行う(移動を放棄して「攻撃集中」を宣言することも可能)
4-2) 使役物が攻撃を行う
  (攻撃能力は使役物によって異なる)
4-3) 使役物が第二移動を迎える
   →移動を行う

5) 使役者が第二移動を迎える
   →移動を行う

◆補足◆
 「装備状態」にする祭具の切り替えタイミングは第一移動の後、攻撃の直前である。
 したがって「使役祭具」を装備したり使用しようとするキャラクターであっても、第一移動を放棄して攻撃集中状態になることは可能である。
 ただし、「使役祭具」は攻撃を行うことがないため、使役者が攻撃集中状態に入ることには、特に意味がない。

Ex-1-3:使役物の仕様

 ドローンや式神、縁起といった使役物は、使役者とは独立したキャラクターとして表現され、【強度】や回避ダイスを持つ。
 使役物が手番を得て行動するタイミングは上述の通り、「使役者が攻撃タイミングで使役祭具を使用した時」に限られる。

 使役物の回避ダイス数は、使役物の最も高い能力値から算出される。
 また、【強度】が0以下になった使役物はマップから取り除かれ、セッション終了時までゲームから除外される

Ex-1-4:使役祭具総覧

Ex-1-3-1:汎用使役祭具

 汎用使役祭具とは、縁起界異を用いない、機械制御工学や霊力工学によって作成された使役物を操るための仕掛け」の総称である。
 比較的確立された技術を使って作られているため、所持を認められるハードルが低い(=申請に必要な【予算】が少ない)。

 また、汎用使役祭具によって使役される使役物は製造コストが低く、使役物の【強度】が0になった場合、新しい使役物を起動することができる
 新しい使役物の起動は2度まで行うことができる。
 従って、汎用使役祭具は合計3個の使役物を運用することができる。

 データ的には「Ⅰ型」「Ⅱ型」「Ⅲ型」の三種類に分けているが、演出的には「機械制御のドローン」や「祭具開発課の試作品」「神祇室製の式神」という具合で好きに表現して良い。

【汎用使役祭具・Ⅰ型】:片手
必要【予算】:5
→汎用的な使役物を収納・制御・操作する祭具一式。
 使役物「使役物Ⅰ型」を使役することができる。

【使役物Ⅰ型】
【体】2 【霊】- 【巧】5
【強度】2 【装甲】1 【機動力】3+2

・攻撃能力
【遠隔攻撃】:
7マス先までの相手を対象に【巧】の値を参照して攻撃を行い、
攻撃成功時に3点の物理ダメージを与える

【連射攻撃】:
7マス先までの相手を対象に【巧】の値を参照して『難易度:HARD』で攻撃を行い、
攻撃成功時に1d6点の物理ダメージを与える。
また、相手が回避判定に成功した場合はその時点での相手の回避ダイス数を-2個する

・特殊能力
【機動戦適性】:【機動力】+2  (【戦術機動】は修得なし)
【無魂式】:【霊】を参照する判定に自動的に失敗する

解説
機動力と遠隔攻撃に長けた使役物のデータ。
オーソドックスな攻撃性能を持つ一方、強度は低い。

【汎用使役祭具・Ⅱ型】:片手
必要【予算】:5
→汎用的な使役物を収納・制御・操作する祭具一式。
 使役物「使役物Ⅱ型」を使役することができる。

【使役物Ⅱ型】
【体】5 【霊】- 【巧】2
【強度】5 【装甲】3 【機動力】3

・攻撃能力
【近接攻撃】:隣接した相手を対象に【体】を参照して攻撃を行い、「1d6」点の物理ダメージを与える

【強攻撃】:
隣接した相手を対象に【体】を参照して『難易度:HARD』で攻撃を行い、
「2d6」点の物理ダメージを与える

・特殊能力
【突進】:
第一移動時、タテ・ヨコ・ナナメに直線移動する(移動の途中で移動方向を変えない)場合、
【機動力】に3を加えた値までの距離を移動できる。

【無魂式】:【霊】を参照する判定に自動的に失敗する

解説
防御能力と耐久性を重視した、近接戦闘用の使役物のデータ。
小回りは効きにくいが、勢いを乗せた痛烈な攻撃を繰り出すことが可能。

【汎用使役祭具・Ⅲ型】:片手
必要【予算】:5
→汎用的な使役物を収納・制御・操作する祭具一式。
 使役物「使役物Ⅲ型」を使役することができる。

【使役物Ⅲ型】
【体】2 【霊】5 【巧】1
【強度】2 【装甲】2 【機動力】3

・攻撃能力
【霊的近接攻撃】:
隣接した相手を対象に【霊】を参照して攻撃を行い、1d6点の霊的ダメージを与える

【霊的遠隔攻撃】:
7マス先までの相手を対象に【霊】の値を参照して攻撃を行い、
攻撃成功時に1d3点の霊的ダメージを与える

・特殊能力
【疑似魂式】:自身が行う、攻撃以外の【霊】を参照する判定の難易度が1段階上昇する

解説
疑似的な魂を組み込んだ、霊的戦闘用の使役物のデータ。
出力はやや低いが、相手の穢装を無視してダメージを与えることが可能。

Ex-1-3-2:縁起使役祭具

 縁起使役祭具とは、調伏された界異である「縁起」を使役・制御するための祭具である。
 縁起は契約によって使役者と結び付いた存在であり、その所持・運用は神祇部に厳しく管理・制限されている(=申請に必要な【予算】が多い)。

 また、縁起使役祭具によって使役される縁起は唯一無二の存在であり、縁起の【強度】が0になった場合、新しい使役物を起動することはできない
 (複数の「縁起使役型祭具」を持ち込んでいれば別であるが)
 【強度】が0になった縁起はマップから取り除かれ、セッション終了時まで使役することはできない。

 データ的には「甲」「乙」「丙」の三種類に分けているが、演出的には「小型の水弾を射出する水の界異」や「膂力に長けた獣人型界異」「霊火を発射する妖狐」という具合で好きに表現して良い。

【縁起使役祭具・甲】:両手
必要【予算】:10
必要能力値:【霊】4以上
→縁起を収納・制御する祭具一式。
 使役物「甲種縁起」を使役することができる。

【甲種縁起】
【体】3 【霊】3 【巧】6
【強度】4 【穢装】1 【機動力】3+2

・攻撃能力
【精密攻撃】:
自身の【巧】の値を参照し、「近接攻撃」を行う。
攻撃成功時、「1d6」点の物理ダメージを与える。
「近接攻撃」時の判定の出目に【6】が含まれていた場合、
その攻撃は追加で自身の【巧】点のダメージを与える。

【遠隔攻撃】:
7マス先までの相手を対象に自身の【巧】の値を参照し、
「遠隔攻撃」を行う。攻撃成功時に3点の物理ダメージを与える

・特殊能力
【戦術機動】:
第一移動時に宣言して使用する。
【巧】で『難易度:NORMAL』の判定を行い、
成功した場合は回避ダイスを直ちに2個得ると共に、
その移動では【機動力】の2倍の距離を移動する。
ただし、続く自身の手番で行う能動的な判定の難易度が1段階上昇する。

【機動戦適性】:
このスキルを修得しているキャラクターは、【機動力】が+2 され、
【戦術機動】の難易度が1段階低下(最低:『難易度:EASY』)する。
 
【連撃】:
近接攻撃に組み合わせて使用する。
ダイス数を+2し、攻撃を2回に分割し、任意の対象に振り分ける(同一対象に2回攻撃しても良い)。
その攻撃判定の難易度が1段階上昇する。

解説
機動力と遠隔攻撃に長けた縁起のデータ。
高い【機動力】と【戦術機動】でマップ内を動き回り、距離に応じた攻撃を繰り出す。

【縁起使役祭具・乙】:両手
必要【予算】:10
必要能力値:【霊】4以上
→縁起を収納・制御する祭具一式。
 使役物「乙種縁起」を使役することができる。

【乙種縁起】
【体】6 【霊】4 【巧】2
【強度】6 【穢装】3 【機動力】3

・攻撃能力
【近接攻撃】:【体】の値を参照して「近接攻撃」を行い、攻撃成功時に1d6点の物理ダメージを与える。

【強攻撃】:
【体】の値を参照して『難易度:HARD』で「近接攻撃」を行い、攻撃成功時に2d6点の物理ダメージを与える。

・特殊能力
【戦術機動】:第一移動時に宣言して使用する。
【巧】で『難易度:NORMAL』の判定を行い、成功した場合は回避ダイスを直ちに2個得ると共に、
その移動では【機動力】の2倍の距離を移動する。
ただし、続く自身の手番で行う能動的な判定の難易度が1段階上昇する。

【白兵戦適性】:「近接攻撃」判定における判定ダイス総数が+2個される

【連撃】:
近接攻撃に組み合わせて使用する。
ダイス数を+2し、攻撃を2回に分割し、任意の対象に振り分ける(同一対象に2回攻撃しても良い)。
その攻撃判定の難易度が1段階上昇する。

解説
物理攻撃力に長けた縁起のデータ。
【強攻撃】と【連撃】を組み合わせて攻撃することで、高い威力の二連撃を放つことができる。
また、高い強度とそれなりの【穢装】を併せ持つため盾役としての運用にも期待できる。
反面、細かな足運びは苦手で機動力にムラがある。

【縁起使役祭具・丙】:両手
必要【予算】:10
必要能力値:【霊】4以上
→縁起を収納・制御する祭具一式。
 使役物「丙種縁起」を使役することができる。

【丙種縁起】
【体】2 【霊】4 【巧】2 【術】2
【強度】4 【穢装】2 【機動力】2

・攻撃能力
【霊的遠隔攻撃】:
7マス先までの相手を対象に【霊】の値を参照して攻撃を行い、
攻撃成功時に1d3点の霊的ダメージを与える

・特殊能力
【祓魔術】:
使役者は【縁起使役祭具・丙】を取得したタイミングで、
【霊力放出】【霊弾発射】【呪祝詛詞】のいずれか一つの祓魔術を選ぶ。
その使役祭具によって使役される縁起は、使役者の選んだ祓魔術を修得する。
【術】の値は2となる。

祓魔術の発動に際し、コストとなる【霊力】は使役者が支払う。

【回避体術】:
このスキルを修得しているキャラクターは、手番開始時に補充される「回避ダイス」の数が+2される。

解説
霊的攻撃能力と祓魔術を備えた、霊的戦闘特化型縁起のデータ。
マップを動き回っての戦いは得意ではないが、霊的ダメージによる攻撃支援を行う砲台のような使い方が可能。


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