見出し画像

帰り道は信号の色が気になる

この三連休、彼が私の住む町まで泊まりに来てくれた。
一緒にコメダ珈琲で好きな本を読んだり、モンハンの実況を見ながらご飯食べたり、夜に散歩しながらマイナーソングイントロクイズをしたり。
特別なことは何もしていないけれど、格別に楽しい。
彼と居る世界にピントを合わせれば、こんなにも幸福なんだって改めて思う。
この時間が日常になればいいのに。

という訳にもいかず、それぞれの家に帰る時間。
「また三日後ね。」
と言いながら彼がドアの前に立つ。
長い、長い。あと三日か。
そんな寂しさを押さえ込んで、笑顔で「うん、またね。」と言う。
外に出て彼を見送る。
徐々に遠ざかる彼の車を見つめながら、
『赤になれ。』
って祈った。
願いが通じたのか信号が赤になった。
車が止まる。
『どうか赤のままで。』
少しでも近くに居られるから。
しかし、非情にも信号の色は変わり、彼の車は去っていった。
あーあ。
しょげながら一人の家に帰る。
簡単に会えない距離が恨めしい。
いつまでこうやって会えない日を数えて肩を落とさないといけないのだろう。
帰っていく貴方を見ながら胸を痛めなければいけないのだろう。
貴方がいない平日は、心の一部をぽっかり失ってしまったようで虚しいです。
遠距離、もう嫌。

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?