現在我が国には16ヶ所に原発が置かれている。北海道に「泊(とまり)」(中略)先ずは一番単純な事実は、原発は全て「海辺」に設置されていることである(中略)ここに挙げるのは「外洋」という大きな海に面していて、山を背景にした立地に設置された原発である。山によって集落とは隔てられているので、安心感があるように感じているが、実際はかなり危険であると言ってよい(中略)泊発電所(北海道古宇郡泊村大字堀株(ほりかっぷ)村、北海道電力、一九八九年運転開始)海抜 一〇メートル 海岸距離 非公表 北海道にある唯一の原発である。渡島半島西海岸部奥内(おこない)に続く海岸段丘と泊川の流域から成り、由来はアイヌ語で入り江の意味で「トマリ」だとされている(中略)「天災は忘れたころにやってくる」とはよく言ったものだが、現に三代目(つまり孫の世代)になると伝達が難しくなってくる(中略)「崎」地名の場所に原発が置かれたのは、仮に事故が起きた場合でも、被害を最小限に食い止められるという「安心」感があるのだろう。「安全」感ではない。地形からいうと「敦賀」「大飯」「玄海」の三つが「崎」地名に属するのだが、「敦賀」は若狭にある四つの原発の代表格なので、「敦賀」に関しては他の「美浜」「大飯」「高浜」を含めて若狭全体の歴史を述べておきたい。現在の福井県はもともと越前国と若狭国の二つの国から成り立っている。越前国は今の福井市を中心とした北部、若狭国は敦賀市を中心とした南部であり、四つの原発は全て旧若狭国エリアに設けられている