マガジンのカバー画像

月刊「ぶんぶくちゃいなノオト」

メルマガ「「§ 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな」(祭日を除く第1、2,4土曜日配信、なお第2,4土曜日が祝日の月は第3土曜日に追加配信/月ほぼ3回/年始年末は配信お… もっと読む
中華圏の現地でどのような注目の話題があるのか。必ずしも日本とは関係のない、また日本では話題にならな… もっと詳しく
¥800 / 月
運営しているクリエイター

#新型肺炎

【ぶんぶくちゃいな】コロナ3年、中国人の想いを代弁した流行語

2023年が開け、とうとう中国は3年ぶりに1月8日から新型コロナ対策の指針を「乙類乙管」へと引き下げる。

「乙類乙管」とは中国の疾病対応のレベルを意味する。新型コロナはこれまでずっと、最も厳格な対応を義務付けた「甲類伝染病」に次ぐ「乙類伝染病」とされてきたが、今回の指針変更で対応措置をトップレベルの「甲管理」から「乙管理」へとグレードダウンすることになった。

甲類伝染病には現時点でコレラやチフ

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】「解放しろ!」「自由を!」、各地で燃え上がった怒りの声

【ぶんぶくちゃいな】「解放しろ!」「自由を!」、各地で燃え上がった怒りの声

それはこんな内容だった。

「十問」と名付けられたこのSNSへの書き込みはあっという間に数十万の人に読まれ、シェアされ、そしてあカウントごと削除された。だが、とっくに削除を懸念していた人たちによって画面キャプチャされ、投稿が消された後もずっとシェアされ続けている。筆者が目にしたのもそんなキャプチャの一つだった。

本文に続くコメント欄には、「よくぞ言ってくれた」「そのとおりだ」「ぼくがいつも疑問に

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】ダブル11の惨状に見る、今後の中国人インバウンド動向

【ぶんぶくちゃいな】ダブル11の惨状に見る、今後の中国人インバウンド動向

中国の一大カーニバルといえる「双十一 W11」(以下、「ダブル11」)が終わった。「1」が4つ並ぶ11月11日が「単身者の日」から「ショッピングカーニバルの日」になってから今年で14回目、とうとうこの熱狂的な大騒ぎは曲がり角を迎えたようだ。

14年前、中国最大のECサイト「淘宝 Taobao」(以下、「タオバオ」)が始めた、11月11日限定の安売りキャンペーンは、この日のために値引きされた商品を

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】鄭州富士康「大脱走」事件が暗示する、中国政治の混乱

【ぶんぶくちゃいな】鄭州富士康「大脱走」事件が暗示する、中国政治の混乱

ここ数ヶ月、中国報道でネックになってきた共産党全体会議(党大会)が終わった。あれこれ論評は続いているが、「習近平続投」「李克強引退」「習体制確立」、さらには「さらなる体制強権化」という事前予想を裏切らない、それはそれであまり面白みのない結果となった。

もっとみる
221002 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】中国人が27人死亡のバス事故に怒り震えた理由、ゼロコロナ政策が新段階に

221002 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】中国人が27人死亡のバス事故に怒り震えた理由、ゼロコロナ政策が新段階に

10月に入りました。こちらは9月にかなり注目すべき動きがあった、中華圏のコロナ対応についての総括記事です。

中国国内では月初めの四川省の実質ロックダウン、そして貴州省での事故以降、民間の「いつまでこれを続けるんだ?」という思いが(口には直接出せないにせよ)強くなっているように感じていますが、実際には9月のうちにばらばらとさまざまな学術界専門家がそれぞれの立場から「コロナゼロ化は不可能」「今の措置

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】成都! 成都!! 成都!!!

【ぶんぶくちゃいな】成都! 成都!! 成都!!!

日本はやっとこさ、お盆を過ぎたくらいから気温が落ち着き始め、9月に入ると台風シーズンが始まり、いまのところほぼ直撃はないものの、気温はあの恐ろしく暑かった夏が嘘みたいに落ち着き始めた。

文字通りの「台風一過」という感じ。

同時に新型コロナ第七波に入り、8月末には過去最高の新規感染者数を記録したものの、全体的なムードとしてはここ2年半で最もコロナ前の日常に近づきつつある。筆者の友人もこの夏以降に

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】To Die or Not To Die? ジャンボの「命運」と香港新政府

【ぶんぶくちゃいな】To Die or Not To Die? ジャンボの「命運」と香港新政府

7月1日、香港は主権返還から25周年を迎える。

6月25日早朝には、習近平・国家主席が1日に香港の中心部にある香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで行われる返還記念式典に出席すると国営通信社「新華社」が伝えた。この日は返還記念式典に続いて、新行政長官らの就任式が行われ、その場で李家超・次期行政長官とその閣僚たちが国家主席に向かって就任宣誓をすることになっている。

習近平の公式な

もっとみる

【ぶんぶくちゃいな】ロックダウン続く上海の住民をつなぐ――グループ購入とは

上海の全面ロックダウンはすでに3週間を超えた。

上海市政府は11日から、市内全域をそれぞれ地域ごとにおける直近間の感染確定者数に基づいて「封控区」(封鎖コントロール地区)、「控管区」(コントロール管理地区)、「防範区」(警戒地区)の三つに分け、過去14日間に陽性者がいない警戒地区では制限範囲内での外出を許可するとした。

当初の発表では最も管理が厳しい「封鎖コントロール地区」が7600地区あまり

もっとみる

【ぶんぶくちゃいな】上海ロックダウン:「非コロナ」死者がコロナ死者を上回った

上海浦東に住むジャーナリスト、謝海涛さんの団地ではすでに封鎖1カ月を超えた。浦西に住む台湾人の友人は、旧暦正月の休みを台湾で過ごしてから上海に戻り、ホテル隔離2週間を終えた後借りているマンションに戻ろうとしたら「感染対策」で管理委員会に拒絶され、改めて自費でのホテル住まい1週間を求められ、ようやくマンションに戻った。預けていた愛犬たちを連れて帰ってしばしの上海の早春を楽しんだ後、4月1日から今度は

もっとみる
220408 「ダイヤモンド・オンライン」寄稿:上海ロックダウン、官僚システムの迷走を暴いた「勇気ある正直者」の電話

220408 「ダイヤモンド・オンライン」寄稿:上海ロックダウン、官僚システムの迷走を暴いた「勇気ある正直者」の電話

ウクライナ情勢ですっかり霞んでしまっていますが、4万8000人以上の日本人が暮らす上海が事実上のロックダウンにあり、人々は家からほぼ出ることができない生活を続けています。

恐ろしいことに、メディア記者たちも家から出れない状態を迫られており、メディアに流れるのはほぼ政府が発表する統計だったり、SNSに流れる情報を元に電話取材した程度のものばかり。事件や事故の現場にも記者たちはいません。

いったい

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな・無料全文公開】謝海涛「上海浦東ロックダウン日記」

【ぶんぶくちゃいな・無料全文公開】謝海涛「上海浦東ロックダウン日記」

3月28日から上海ではなんと約2600万人が住む街を2分して、時間差で半分ずつ封鎖して徹底的なPCR検査で新型コロナウイルス陽性者をあぶり出す作戦を開始した。

前々回の「上海オミクロン封鎖日記」の謝海涛さんの住む浦東地区は、3月中旬から続いてきた封鎖も解かれないうちにそのまま28日からの4日間の封鎖に入った。前回の日記でもじわりじわりと、封鎖の不便さが伝わってきたが、一挙に都市半分の封鎖となると

もっとみる
220403 「毎日新聞政治プレミア」寄稿:1日5万人!大パンデミックの脅威から見えた香港のいま

220403 「毎日新聞政治プレミア」寄稿:1日5万人!大パンデミックの脅威から見えた香港のいま

毎日新聞のオンラインページ「政治プレミア」に、香港の新型コロナ感染事情がなぜここにきてここまで悲惨な状況になったのかを分析、説明しています。

正直、この視点で理解するのはここ数年「しか」見ていない人には出来ないと思います。わたしも日々の流れに乗るばかりでうっかりしていたのですが、現地での政府の空回りを見ていて、わたしがかつて香港に暮らし始めて気がついた香港の制度を思い出し、「あ、原因はここや」と

もっとみる
220401 「現代ビジネス」寄稿:上海でもロックダウン…中国に広がる「強権的ロックダウンへの“疲労感”」

220401 「現代ビジネス」寄稿:上海でもロックダウン…中国に広がる「強権的ロックダウンへの“疲労感”」

3月28日から新たに始まった、上海市全体を対象にした「実質的ロックダウン」。上海の中を流れる黄浦江を挟んで分けられたこの街で、まず浦東地区での封鎖に続き、4月1日午前3時からは西側の浦西地区でのロックダウンが始まりました。

しかし、すでにさまざまな不満が噴き出しており、必要な緊急医療を受けられずに亡くなった人の情報なども流れています。どうみても2000万人以上が暮らす大都市の措置としては準備不足

もっとみる

【ぶんぶくちゃいな】コロナ厳戒態勢から行政長官戦入りする香港

3月21日、林鄭月娥・香港行政長官は、わずか一カ月前に自ら宣言した3月中の「全市民を対象にした強制PCR検査」(以下、「強制検査」)の実施を暫時見送り、4月から現在実施されている新型コロナ対策を緩和すると発表した。

連日5万人台の新規感染者が報告されていた月初めから約3週間弱たって、19日にやっとその数は2万人を切り、それ以降ずっと1万台が続いている。750万人の人口で1日1万人台だからまだ「少

もっとみる